2019年7月15日 (月)

6月の読書

やはり、祝日がなかったりするとちっとも記事が書けませんね・・・

映画は何本か観たけど~

舞台もいくつかは観たけど~

 

とりあえず、6月に読んだ本を読書メーターからコピー

 

■あをによし、それもよし 2 (ヤングジャンプコミックス)
笑えました。山上さん、古代になじみ過ぎてる。そしてついに憶良になった(入れ替わった?)顛末も面白すぎる。憶良妻がミニマリスト&リアリスト過ぎる。長屋王の描き方が数ある歴史漫画と違い過ぎる。旅人はいつ立派な歌人に変貌を遂げるんだろうか?イメージと違い過ぎる。そして不比等は四兄弟を間違い過ぎる。とにかく楽しすぎる!
読了日:06月29日 著者:石川 ローズ
https://bookmeter.com/books/13781019

 

■図書館とゲーム―イベントから収集へ (JLA図書館実践シリーズ)
興味深い内容だった。その昔グループSNEのゲームや派生した小説が少年たちに流行ってころ=「ロードス島戦記」の初版が出ていたころ・・・1980年代後半から90年代前半かな?TRPGは現在以上に流行っていたが、それを図書館で取り入れるなんて発想はなかった。考えてみればTRPGは物語世界と親和性が高いし、ボードゲームやコミュニケーションゲームも含め図書館行事として違和感はなくなってきた。でもデジタルゲームイベントやボードゲームの貸し出しとなると、この本を読んでもなかなか発想の転換はしにくい。
読了日:06月29日 著者:井上 奈智,高倉 暁大,日向 良和
https://bookmeter.com/books/13233035

 

■弟の夫(3) (アクションコミックス(月刊アクション))
旅行が楽しそうでよかった。カトやんのような生き方辛いやろな、でもきっと多数派なんじゃないかって気がする。いろいろ考えさせられる。3巻まで読んで、コミックとして(物語の内容として)もフラットな気持ちで楽しめるけど、教えられることも多いし、随所に挟まれるコラムもとても良いと思う。
読了日:06月28日 著者:田亀 源五郎
https://bookmeter.com/books/11172201

 

■弟の夫(2) (アクションコミックス(月刊アクション))
「叔父」としてまっすぐに受け止めてマイクを愛する夏菜ちゃんがすてきだし、逡巡しながらもマイクを受け入れ、弟への想いを馳せ理解を深めていく弥一さんがすてきだと思う。夏樹さんも素敵な女性なんだけど、弥一さんとの距離感がな
かなか私には理解しにくい。カズヤくんはマイクに会えて良かった。弥一の夢、誰しもわが子には幸せに(ものすごく幸せに)生きてほしいから、苦しみが深いかもしれない人生を選ぶ(というか生まれつく)と知ったら、差別する心はなくても、どうしたらよいのかドキドキオロオロしちゃうのも当然とは思う。

 

読了日:06月28日 著者:田亀 源五郎
https://bookmeter.com/books/10125060

 

■弟の夫(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
昨年のドラマがとっても良かったので、ずーっと原作を読んでみたいな・・・と思っていて、機会を得ました。実はそれ以前から友人に薦められていたのですが・・・正直なところ私にも偏見があったのですね。帯の「ゲイアートの巨匠」
という文字に、見たくないものを見せられるんじゃないかって(男女の恋愛ものもディープなのは好きじゃない方で)。でもドラマを通じてというきっかけでもこのコミックを読むことができて良かったです。お話自体はドラマとほぼ同じ
というかドラマが忠実に作られていたんだなと改めて感心しているところです。

 

読了日:06月28日 著者:田亀 源五郎
https://bookmeter.com/books/9699971

 

■南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる
南極越冬隊と言えば、ドラマの「南極大陸」とか映画の「南極調理人」とか、男ばかりの世界、調理師でも特別な経歴の人(海上保安庁にお勤めとか)というイメージしかなかったので、40代の女性が思い立って3回も試験を受けて実現させたことがまずインパクトあり。有能さと努力の結果なんだろうけど、すごいなぁ。南極での生活は淡々と描かれている。エッセイ(手記かな)のほかに、一口紹介的なコラムやレシピもあって楽しい。「南極リメイク料理術」が特に楽しい。写真がないのが残念だ。 
読了日:06月27日 著者:渡貫 淳子
https://bookmeter.com/books/13369327

 

■おまじない (単行本)
人生になんらかの屈託を持って、しんどく感じている女性たちを主人公とした8つの短編。親しい人の、昔なじみの、ふと出会った誰かのたくまずして発せられたことばに辛さがほどけていく。どれも味わい深いし、共感できるものもあれば
それほどでもないものもあるが、彼女たちがこのあとも幸せに暮らせればよいと思う。私は「孫係」が一番好きだったし実人生に応用できそうに思った。係を果たす気持ちで、役割を演じる気持ちで気持ちが楽になるといいと思う。毒づきあ
える相手がいるとなお良いがそんな共犯者(?)はなかなか見つからないなぁ。
読了日:06月26日 著者:西 加奈子
https://bookmeter.com/books/12589925

 

■「みんなの学校」から「みんなの社会」へ (岩波ブックレット)
「自分がされていやなことは人にしない。言わない。」をたった一つの約束にしてすばらしい学校運営にあたって来られた大阪市立大空小学校の元校長・木村泰子氏と教育学の専門家・尾木直樹氏の対談。映画「みんなの学校」をもとにした
対談なので、映画か木村氏の著書『「みんなの学校」が教えてくれたこと』などでその実践内容を知ったうえで読んだ方が理解しやすい。「あいさつ運動」は私自身好きじゃないと思っていたので、我が意を得たりと思う部分が多かった。「文句を意見に変える」というのは大人の社会でも生かしたい考え方だ。

 

読了日:06月25日 著者:尾木 直樹,木村 泰子
https://bookmeter.com/books/13708227

 

■(P[こ]3-12)一鬼夜行 つくも神会議 (ポプラ文庫ピュアフル)
スピンオフ短編集。いろんな妖たちのいろんな想い、なかなかおもしろかった。妖たちにも文明開化の波は押し寄せる・・・あやかしの学校「化化学校」が名前も印象もかわいい。それにしても、どうやら喜蔵と綾子は三三九度を交わしたようなのに、綾子は2階で深雪と喜蔵は1階で小春と寝ているのかぁ・・・?続刊に期待。
読了日:06月24日 著者:小松 エメル
https://bookmeter.com/books/13543012

 

■傑作はまだ
作家・加賀野、独身、50歳ぐらい。文学賞にもノミネートされるそこそこの売れっ子作家で大きな家に一人で住み、必要最小限の買い物のほかはほとんど家を出ない。両親とも近所とも没交渉。そんな彼のもとにある日25歳の青年・智が訪ねてきた。彼は、写真でしか知らない実の息子。昔成り行きで一度だけ一夜を共にした女性がシングルマザーとして育て、加賀野にとっては月々10万円の養育費を払い、領収証のように子どもの写真が送られてくるという関係でしかなかった息子だ。智の出現により加賀野の生活は劇的に変化し、やがては作風にも…
読了日:06月22日 著者:瀬尾まいこ
https://bookmeter.com/books/13503974

 

■「みんなの学校」が教えてくれたこと: 学び合いと育ち合いを見届けた3290日 (教育単行本)
薦められてから3年ぐらい放置していた。ワンマン校長の自慢話だったらいややなと思っていたから。読んでみると想像とは全然違って、インクルーシブ教育の感動的な実践記録だった。保護者も教職員も地域の人たちもみんなが成長できる学校。「困った子」を「困っている子」として支援するところ、号令なしで並べる、子どもたちの主体性を育める学校。全校道徳も予告なしの避難訓練も画期的だ(いま、道徳を特別な教科として推進する立場の人、検定教科書を審査する人はこの本を読むべきだ)。
読了日:06月19日 著者:木村 泰子
https://bookmeter.com/books/9855578

 

■ぬけまいる (講談社文庫)
TVドラマがおもしろかったので・・・ お蝶の背景はTVドラマの方が一般的に受け入れやすいように変えてあったんだなと思ったり、ドラマとは異なるところもあったけど原作も楽しく読めた。静岡県内あたりから桑名まで一度に歩みが進んだので、ちょっと残念かな。物語のスピード感としてはもちろんそれが正解なんだろうけど、東海道中膝栗毛みたいにいろんな宿場で騒動があるのもおもしろいのでは?と思ったりして。
読了日:06月15日 著者:朝井 まかて
https://bookmeter.com/books/9020247

 

■赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD (5) (ビッグコミックス)
今巻はエリア・カザンに焦点が当てられている。約20年前のアカデミー賞名誉賞授与時に何か支障があったことはうっすらと記憶があるが、こういう事情があったとは。カザンの中の理屈がよくわかった。思想統制の時代は怖い。スターリニズムもマッカーシズムも。無論ファシズムもどんどネスカレーとして善良なはずの人間が巻き込まれていったり球団社になってしまったり。我々は、こういう愚行が繰り返されないように歴史(に基づいた創作も含め)に学ばねば、と思う。
読了日:06月15日 著者:山本 おさむ
https://bookmeter.com/books/13686732

 

■保育の自由 (岩波新書)
子どもに最善の利益を!子どもの権利条約の観点から保育について考えたことがなかったので、新鮮に感じたが、本来はあたりまえのこと。これは保育士や親(保護者)とその予備軍、祖父母、学生など保育や教育に興味のある人は必読だと思う。今の保育政策が実際は保護者や良心的な保育者の希望に合っていないことがよくわかる。なので為政者や議員、そして選挙で彼らを選ぶ立場の人たちも皆読むべき。私自身は以前から事業所内保育所には懐疑的で(結局乳幼児がラッシュ時の移動を強いられる)、公的保育の充実を願ってきた。その意を強くした。
読了日:06月15日 著者:近藤 幹生
https://bookmeter.com/books/13365339

 

■ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (講談社文庫)
映画の楽しさをもう一度!映画では細かに描かれなかった(読み取れなかった)心情などもきちんと描かれ、小説単体で読んでも(スターウォーズファンには)楽しく読めると思う。そして、エピローグが良い(映画には描かれてないよね、このシーン)、涙が出てくる。スター・ウォーズファンは絶対読むべし!
読了日:06月08日 著者:ムア・ラファティ,SPICE(柳川価津夫・大野裕介)
https://bookmeter.com/books/13616490

 

■百姓貴族(5) (ウィングス・コミックス・デラックス)
日本学校農業クラブ全国大会の取材が特におもしろかった。朝ドラ「なつぞら」で歌われていたFFJの歌、荒川さんも合唱していたのかな・・・

 

読了日:06月05日 著者:荒川 弘
https://bookmeter.com/books/12344328

 

■百姓貴族 (4) (ウィングス・コミックス・デラックス)
荒川の父がやっぱり強すぎる!すごいなぁ。どの話も面白かったが、エッセイコミックから離れた火星人編がサイコーだった。地球人たくましすぎる。農家婚活、みんなうまくいくと良いね。

 

読了日:06月05日 著者:荒川 弘
https://bookmeter.com/books/10218284

 

■やっぱりいらない東京オリンピック (岩波ブックレット)
チケットの抽選予約フィーバーを大きく取り上げた報道を聞きつつ、臍曲がりの私が読んだのはこの本。東京五輪とオリンピックそのものについての問題点を、その昔為政者が貧しい民衆の社会的不満を慰撫というかごまかすために催したサーカスにたとえ、短期間の熱狂のために我々が失うものはなにかという視点を持って批判的に分析する。経済的な逸失や競技場の建設のため居場所・命を落とした人たち「復興」につながっていない、経済効果と喧伝されるような利益は地元自治体や住民にもたらされない等々、オリンピック開催を根本から見直したくなる

 

読了日:06月02日 著者:小笠原 博毅,山本 敦久
https://bookmeter.com/books/13533079
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2019年5月 2日 (木)

2019年4月の読書

読書メーターよりまとめてみました。どんなもんかな。


■ヴラド・ドラクラ 2 (ハルタコミックス)
串刺し公の本領が発揮されてきた。吸血鬼ドラキュラのモデルとされる男の実像を描いていくようだが、手に入る史料も少ないのではないかと思われる中、理にかなった展開の歴史コミックになっていてすごい。しかしこの時代のオスマンとバルカン周辺の歴史もわからず、ウィキペディアを読んでさえもすっきり理解できない私には、人物関係がややこしい。もう一度一巻から読み直さねば。ヴラド3世と言えば、わたし的には映画「ドラキュラZERO」の苦悩するルーク・エヴァンスなのだが、この本のヴラドは苦悩するも、現実の中で運命を切り開くのだろう
読了日:04月30日 著者:大窪 晶与
https://bookmeter.com/books/13446449

■噛みあわない会話と、ある過去について
生半可なホラーより怖い4短編。「ナベちゃんのヨメ」。こんなに極端じゃなくても結婚と同時に異性の友だちは切ってくる人っているね。寂しいし難儀だが幸せなら良い・・・いや、どこかで破綻しそう。「パッとしない子」無意識に人を傷つけてる?でも実際に弟がどんな目に遭ったかはわからないので先生の方に同情してしまう。「ママ・はは」これは・・・むしろちょっと怪異入っているよね。毒親は消えるのか?「早穂とゆかり」私の子ども時代はどちらかいうとゆかり寄りだけど(成功者になってないけど)ここまで言う?と。人への言葉には要注意
読了日:04月29日 著者:辻村 深月
https://bookmeter.com/books/12899921

■プリニウス(8): バンチコミックス
プリニウスたちは地中海を船旅でアレクサンドリアへ。アレクサンドリア図書館の知の集積に一行は圧倒される。女学生たちもおり、プリニウスは「やがては(中略)優秀な女性か亡く社が生まれるかも知れぬな・・・」とつぶやく。ここは作者はヒュパティアを念頭に置いているのかな、と思いつつ、映画「アレクサンドリア」(2009年、レイチェル・ワイズ主演)を思い出した。ローマ編(ポッパエアニヨルティゲリウス告発とポッパエアの死、ネロの恐慌・・・)を挟みながらプリニウス等はクレタ島へ。機械仕掛けのミノタウロスが現れ・・・。
読了日:04月28日 著者:ヤマザキマリ とり・みき
https://bookmeter.com/books/13629849

■神の棘II (新潮文庫)
この本は当初は早川書房からミステリとして刊行され、大藪春彦賞の候補にもなったそうだ。たしかに、最終部分近くアルベルトの行動の謎が解き明かされて、驚かされる。しかしやはりこの力強い歴史への視点と史実に沿った描写により大きく心を揺さぶられる。ムッソリーニ失脚後のイタリアへドイツ軍が侵略したことや、終戦後のアメリカ軍収容所でのドイツ人捕虜の扱いなど、これまで私がふれた映画や小説では描かれてこなかったことなども多く、思いは様々にめぐっていく。マティアスの生き方の強さ、アルベルトの実は不器用な生き方も心に残る。良作
読了日:04月27日 著者:須賀 しのぶ
https://bookmeter.com/books/9762690

■数字であそぼ。 (1) (フラワーコミックスアルファ)
超絶記憶力がいい男子が天才と呼ばれ吉田大学理学部(見るからにモデルは京大)に入学したものの・・・。おもしろかった。数学関連の解説には今やもはや我が脳はついて行かないけど。数学は理解してやるもの・・・とはいえ、中高では暗記の要素があったことは確かだったような。京都の風景が描かれるのも楽しい。
読了日:04月22日 著者:絹田 村子
https://bookmeter.com/books/13299571

■宇宙兄弟(35) (モーニング KC)
シャロン天文台、遂に!学んで進化していくブギーがすごい!月面に遺された二人のための生還ミッションは・・・
読了日:04月22日 著者:小山 宙哉
https://bookmeter.com/books/13627852

■神の棘Ⅰ (新潮文庫)
表紙の図柄から勝手に中世が舞台かと思って読み始めたので(下巻の表紙を見たらわかるのに・・・)意外な展開だったが、ぐいぐいと引き込まれて読んだ。1936年、ミュンヘンの路上でゴロツキに絡まれていた女性を救おうとしたため強かに暴力を振るわれたマティアス。瀕死の彼を救ったのは旧友にうり二つの神父だった・・・。上巻はそこから1940年まで。後に修道士でありながらナチスへの抵抗運動にも加わるマティアスと、その旧友でナチスの将校・アルベルトの運命を描く歴史大河小説。早く続きを読まねば!
読了日:04月21日 著者:須賀 しのぶ
https://bookmeter.com/books/9762689

■白妖の娘(1) (プリンセス・コミックス)
何で4巻なのに1巻と表示されてしまってるんだろう。レビ
ュー書く気が失せるなぁ・・・。殺生石伝説の意外な結末。凶悪に見えるあやかしに勝つのは強権的な力ではなかったところがとても良かった。
読了日:04月20日 著者:木原敏江
https://bookmeter.com/books/13558435

■スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)
良かった~!上巻のレビューに書いたとおり、キャラメルボックスの舞台に感動して読み始めたので、おおよその筋を知った上で読んだのですが・・・ホンマに良い物語を読んだなぁ・・としみじみ。もちろん、舞台には小説にない良さが(そして、この長い物語をよく2時間の舞台にまとめたなぁという感慨が)あったわけですが、小説には舞台になかったことも描かれていて、あのとき、この人は、こういう気持ちだったんだ、とか、一つ一つのエピが腑に落ちて、温かい気持ちになる。観劇を経てから読んだことで、より小説への感動が広がった気がします。
読了日:04月16日 著者:辻村 深月
https://bookmeter.com/books/570029

■スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)
先日この小説を原作にしたキャラメルボックスの舞台を観に行った。とても良い作品だったので、原作を読みたくなった。まだ上巻しか読んでいないが、小説を舞台化するにあたって、構成しなおしたところ割愛したところなど、うまいものだなぁと改めて感動した。そして小説は、やはり舞台より詳しくて面白い。舞台で見たから下巻の展開の要はわかっているのだが、ストーリーへの興味は尽きない。トキワ荘や梁山泊のように、若きクリエーター(とその卵)たちが夢を語り、人生を語りながら共同生活する「スロウハイツ」の人間模様。

読了日:04月12日 著者:辻村 深月
https://bookmeter.com/books/570026

■都の昼寝物語 2 (フラワーコミックスアルファ)
えっ?ここで「完」?何にも話のまとまりがないやんか!内幕まんががシャレにならない…京町屋暮らしのお話、続き読みたいけどな。古本でも買う前に全巻分のレビュー読むべき…やったって自分の衝動買いを反省しなあかん感じやな
読了日:04月07日 著者:秋里 和国
https://bookmeter.com/books/9589432

■かげきしょうじょ!! シーズンゼロ (花とゆめCOMICS)
集英社版の「かげきしょうじょ!」は持っているので、買うべきかどうか迷ったけど、未収録短編が読みたくて・・・。短編もおもしろかったし、元タカラジェンヌとの対談・・・企画の凰稀かなめさんも美しくて好きな俳優さんだったので(さらさの憧れのオスカル様に扮されたときもマンガに負けず劣らずの美しさだったが、銀英伝のラインハルトの美しさも目を瞠ったものだ)損をしたとまでは思わないが、正直こういう商売の仕方はうれしくない。集英社版未読の方にはお薦めです。
読了日:04月06日 著者:斉木久美子
https://bookmeter.com/books/13526523

■火のないところに煙は
(おそらく)実話を装ったフィクションだけど、日常的に誰でも怪異に襲われるかもしれないと思わせられる不気味な怪談集。帯の惹句(「未体験の恐ろしさ」)ほどは怖くない。よくミステリオムニバスで最後に伏線が回収されるように、最終章でホラー短編集として不気味さが増す(「イヤだ、巻き込まれたくない、この本を読んだことで縁を作ってしまったのでは・・・」と思わせられる)作りになっているのはおもしろかった。裏表紙の血痕のようなシミ。老眼の私は虫眼鏡が必要でした。
読了日:04月06日 著者:芦沢 央
https://bookmeter.com/books/12886726

■ある男
色々なインタビュー記事、ご発言から気になっていた作家さんの著書を初読みです。再婚し幸せに暮らしていた里枝。悲運にも夫が事故死し、絶縁状態だった夫の実家に連絡を取ってわかったことは、谷口大祐と名のっていた夫は戸籍上の「谷口大祐」とは別人だったことだ。途方に暮れた里枝は弁護士・城戸に相談する。城戸は「谷口大祐」と名のった男が本当は誰なのか詳しく調査を始めるが・・・。現代社会の様々な問題を内包しつつ、真実を探る謎解きも冴える傑作だと思った。小説のおもしろさとともに、読者はいろいろな問題意識を喚起させられる。
読了日:04月03日 著者:平野 啓一郎
https://bookmeter.com/books/13070212


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キャラメルボックス「スロウハイツの神様」

約1カ月前になりますが、キャラメルボックスの舞台「スロウハイツの神様」を観に行ってきました。たまたま、私にこの作品の原作を熱心に薦めてくれていた人と同じ日(というより、お互いに開幕前ショート演劇が上演される日を選んだ結果だと思うが)になり、「原作読みましたか?」と聞かれて「ううん。まだ」と答えると、「いいなぁ・・・、新鮮な気持ちで楽しめて。」といわれました。彼女はこの作品が好きすぎるので原作を何度も読んだ上に、東京公演へも遠征したのだとか・・・。そんな強い推しの言葉を聞き、いやがうえにも期待度が大きくなっての観劇です。Photo_14

そして、実際観てみて、とても楽しめました。後半、オセロゲームの石が裏返っていくようにもしくは、パズルの残りが埋まっていくようにいろいろな出来事の説明がついていく様は痛快でした。なるほど、これは原作を知らない方が楽しめる話だったのかもしれません。

前述の作品ファン(辻村深月ファン)の知人とは、年齢がかなり離れているので手を取り合って感激を分かち合うのは気恥ずかしく、クールさを装って帰りましたが、心の中では少女のようにキャーキャー言いたかったです。

 

原作がとても読みたくなり、後日読みました。小説バージョンもとても面白くて、観劇に行った理由はキャラメルボックスが大阪で公演するから、だったけど、この作品が知れてよかったなと思う。そもそも『ハケンアニメ』(★★★★★)を読んでいたからチヨダ・コーキについて詳しく知りたい思いもあったし。そして、原作を読んで、さらにこの演劇の完成度やショート演劇の巧みさがすばらしさがわかって、キャラメルボックスがますます好きになった。

Photo_13

 

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2019年3月18日 (月)

「イーハトーボの劇列車」

こまつ座の「イーハトーボの劇列車」、兵庫県立芸術文化センターで10日ほど前に観てきました。なんの予習もせずに行ったので、最初舞台に椅子が転がっているのを見たときには、教室なのか?と思い、以前「想稿・銀河鉄道の夜」を観たときの涙がよみがえってきそうでした。まさかの列車の椅子でした。

Photo 登場人物は
宮沢賢治 :松田龍平
宮沢政次郎(父)・伊藤儀一郎(刑事) :山西惇
宮沢イチ(母)・稲垣未亡人 :村岡希美
宮沢とし子(妹)・女車掌ネリ :天野はな
福地第一郎 :土屋佑壱
福地ケイ子・新藤ふさ :松岡依都美
西根山の山男 : 宇梶剛士
なめとこ山の熊討ち淵沢三十郎 :福田転球
人買いの神野仁吉・前田六郎 :中村まこと
人買いに売られた娘・編集者 :紅甘
Photo_2風の又三郎らしき少年 :小日向星一
赤い帽子の車掌 :岡部たかし
と、実在の人物と賢治の作中の人物、賢治の作中の人物から派生した人物が入り混じって出てきます。
賢治が上京した数回の車内と東京での出来事のエピソードだけで賢治のという人を綴り、最後にはなくなった近年の農民たちの述懐から日本の農業の問題(井上ひさしはコメ問題についてもたくさん発言していましたね)描く。面白くて、考えさせられて、賢治の愛読者だったころを思い出させてくれるいいお芝居でした。

ただ、3時間半の観劇の間だけでは私の理解は足りず、劇場プログラム(the座 99号)を読み、原作戯曲を読んで、やっと、舞台で描きたかったものの切れ端がつかめた感じです。ト書き部分を読まなければわからなかったところもあり、もう一度観たい(大阪公演もあるようだし)気持ちが湧いてきました。若い頃に何度も読んだ賢治の作品も随分忘れていますし、なめとこ山の熊討ちの話を思い出すのも時間がかかりました。ネタバレが嫌でなければ、これから見る方々には、一度戯曲で予習してから見るのもお薦めです。

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2013年10月 8日 (火)

「舞台 真田十勇士」

先週末「舞台真田十勇士」を梅田芸術劇場に観に行ってきました。

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←劇場前に設置された看板。私は主題・脚本家に加え、主演の上川隆也さんのかっこいいチラシにも惹かれてチケットを取ったので、この立て看板も「上川さんカッコイイ!」とか思いながら写真を撮っていたのですが、下の方に写っている十勇士の誰かの写り具合を気にしながらとっていた人が意外にたくさんいるようで、ちょっとびっくり。

2階ロビーにはいつものように花が飾ってあるんですが、さすがに上川さん、里見浩太朗さんへの花は立派で多いなぁ…と思っていたら
Photo_2


1階席ロビーには脇を固める方々や若手に俳優さん方宛の花もたくさん。よく行くのはタカラヅカや劇団四季なので、こういう個人宛の花が競うように飾ってある公演って、あんまり見た経験がないなぁ、私、経験値低っ!とちょっと思った。 

 脚本が劇団☆新感線の座付作者中島かずきさんということで、そこは期待して観に行きました。お話としては期待通りおもしろい、雪村や十勇士たちの活躍にわくわく、だまされそうではらはら。俳優さんたちも魅力的です。上川隆也さんのすてきなところは言うに及ばず、家康役の里見浩太朗さんはさすがの貫録。新感線から粟根まことさんが出ているのも嬉しい。粟根さんは腹に一物ある人物に違いないと思ってみていたら、二転三転する「腹に一物」ぶりだったので、ますます嬉しく(*^_^*) 

                                                                       
真田幸村 上川隆也
猿飛佐助 柳下 大
ハナ・花風 倉科カナ
霧隠才蔵 葛山信吾
服部半蔵 山口馬木也
由利鎌之助 松田賢二
真田大助 渡部 秀
豊臣秀頼 相馬圭祐
大野修理亮治長 小須田康人
根津甚八 粟根まこと
望月六郎 植本 潤
三好清海入道 小林正寛
大野治房 俊藤光利
三好伊佐入道 佐藤銀平
穴山小介 玉置玲央
筧十蔵 三津谷 亮
淀の方 賀来千香子
徳川家康 里見浩太朗

主なキャストの方々です。

 若手の俳優さんは全く知らない方ばかり(単に私がその方面に疎いだけです)でしたが、どの方もそれぞれの見せ場を魅力的に演じておられました。もう一人の主役ともいえる猿飛佐助を演じるのは柳下大さん。お花も託さ之尾紀伊のが入っていたし、人気のある方なんですね。猿飛佐助の名に恥じぬ身軽さでした。
 筧十蔵役の三津谷さんは一輪車の世界大会1位だとかで、大坂冬の陣でも木製(に見えます)一輪車に乗って新型銃を手に大活躍。こういう演出って楽しいなぁ。

 コミカルな役は扇を駆使する望月六郎役の植本潤さん、三好清海入道役の小林正寛さん、三好伊佐入道役佐藤銀平さん。それから粟根さんの根津甚八とコンビで出てくる穴山小介役の玉置玲央さん。

 エキセントリックな淀君は賀来千香子さん。激情にかられた淀君、熱演でした。先ごろ放映されたNHKドラマ「激流」でも「情念のかたまり」的な役だったんですよね。  

 先程も書いたように、物語の骨の部分としては面白かったです。真田幸村もう一人の主役ともいえる猿飛佐助は色々な物語に出て来る忍者の花形ともいえるキャラクターですが、実在が疑われる謎の人物。その謎をうまく生かした設定で登場します。・・・それで(この先数行、激しくネタバレなので色を変えます。)日本を脱出して、その子孫が住む町の名をつけた黒船でペリーが日本にやって来て徳川幕府瓦解の引き金となる・・・その船の名は「サスケハナ」号・・・私、ここで声を立てて笑ってしまいました。ここ、笑う場面ですよね?笑い声が周りからは一つも聞こえなくって、恥ずかしい思いをしました。おやじギャグ的エピローグ。私には大いにウケたのですが。

 初めて生の舞台で上川隆也さんや里見浩太朗さんを拝見し、感激したこともあり、楽しいには楽しい観劇でしたが、私としては、もう少し注文を付けたいところも。(この先、苦言ですので、いやな方は読まないで)。時代に合わないもの(一輪車とかショットガンとか)も出てくるなんちゃって時代劇。これこそがこういうお芝居の魅力だし、楽しさのゆえんなので「時代考証が・・・」なんて言うつもりはありません。ただ、大坂夏の陣で真田幸村や十勇士が次々に討ち死にしていくのにその相手が陣笠姿の足軽ばかりというのはいかがなものでしょうか?みんな雑兵に討たれたかのようで淋しい。また夏の陣の陣幕が徳川家・葵の紋対真田家・六連銭、となっているのもちょっとなぁ。せめて遠景に豊臣家の桐の紋を配してほしかったと思います。大手のTBSがプロデュースしているのだからもう少し豪華にできないものか、とも思いました。あと、淀君の描き方がいやな女過ぎて。最後に、物販がヤな感じだった。普通のプログラム単品と、プログラム+ビジュアルブックという形で売っていたのですが「ビジュアルブックって?」と聞いても、うるさそうに「お見せできませんが舞台写真です。」と言うだけ。何ページぐらいのものだとかもう少し親切なセールストークをマニュアルにしてほしい。結局買ったんだけどね。

 

戯曲も読みました。舞台の様子を思い出しつつ楽しくすぐに読めました。セリフやト書きにない部分もわかって面白かったし、これ、いのうえ歌舞伎でも観てみたいな。それか、映画にならないかな。

DVD、劇場で予約受付の紙を配ってましたが、もうアマゾンでも予約可になっていました。26%offだって。買おうかな・・・。同じような考えの人も多いようで、本日(10/7)付で演劇カテゴリのベストセラー1位。あ、演劇カテゴリのDVDの出品自体が少ないのか・・・。

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2013年4月 7日 (日)

小説版「glee」

結局、2月3月に観に行った映画の感想、まだほとんど書けてませんね・・・。本の感想なんて半年ぐらい書いてないわ~。もうちょっとなんとかこのブログを書く時間を捻出したいと思ってます。とはいえ、書かないからって誰にも迷惑をかけてるわけじゃないんですけど・・・。自分の備忘のためだけなんだけど、書いて積み重ねたい、日記を三日坊主にしたくないという気持ちを持ち続けたいんですよね。

それはともあれ、3月下旬に特にブログ更新ができなかった理由は、NHKで「glee」第3シーズンの集中放送をやっていたから。すっかり寝不足になりました。過去のシリーズもまた観ちゃったり、インターネットで第4シーズンの情報をあさったり・・・。すっかりgleekになってしまったのでした。もうPCにぐだぐだ書いているどころではありません

で、映像や舞台を「観る」ことで感じた感動や思いを、本など文字で書かれたものを「読む」ことでも補完したい習性を持つ私。たとえば最近ではTVの「シャーロック」にはまった時は「シャーロック」の特集が載っていた「ムービースター」などの雑誌はもちろん、『シャーロック(BBCドラマ)・ケースブック』を買って、夜な夜な読んだり、人に薦めたりしましたし。で、当然「glee」についても探しましたよ、関連書がないかな?って。ちょっと探しあぐねましたが、ちゃんとありました。楽譜じゃない「glee」の関連書。『glee/グリー 踊る♪合唱部!? ザ・ビギニング』 。シュースター先生が顧問になる寸前の1週間のgleeメンバーの様子が描かれています。glee部にいるのはまだティナ・アーティー・カート・メルセデスの4人だけ。レイチェルはマッキンリー高校にほとんど見切りをつけている状態です。カートに誘われてgleeに顔を出すも、さっそくポンポン言い始めてみんなの気を悪くさせるし・・・。だけど本気でショー・ビズを目指すレイチェルが加わったことでglee部の活気は出てくるんですよね。一方クィンはフィンとカップルならもっと自分の人気がアップすると思いつつ、ワイルドなパックに惹かれてしまう自分の気持ちを扱いあぐねてます。TVドラマの中ではいささか唐突なクィンの妊娠も前日譚がを読むと、フムフムと思わないでもない。全般的に駆け足な感じの小説だし、物語としては物足りない中身と言わざるを得ませんが、gleeファンには嬉しい本です。値段もお手頃ですし。まぁ、2年も前に出た本だし、以前からのファンの方はすでに皆さん読んでおられるのかもしれませんが、昨年来の地上波放送からファンになった新参者としては、読んで楽しかったし、ほとんどのネット書店で手に入らない中、アマゾンではまだ扱っていたので良かったです。

 さて、私の注意力がかなり不足しているのか、TVドラマのgleeを観ていてマッキンリー高校のglee部の中の学年差について、第3シーズンまでほとんど感じてなくて、卒業するメンバーと(留年じゃなくて)、1学年下のメンバーがいることが全く分かっていませんでした。アメリカの学校制度の違いでしょうか、小説の中でもティナとメルセデスが一緒に生物の授業を受けてるし、ドラマでも学年を超えて同じ教室にいたような気がするんだけど・・・。

 とりあえず、今の気持ち。シーズン4も早く観たいな~・・・

 それから本編エピソードも書籍化してほしいなー、っていうか、CDブックなんて企画はどうでしょう。各シーズン22編を1冊+CD1~2枚ずつにまとめて・・・。大体各話15ページ程度で、ストーリーの梗概と曲目解説とか撮影エピソードとか、こぼれ話的なものをまとめて。キャストインタビューなども交えて350ページぐらいでOneSeason1冊ずつ。CDには各話2曲ずつぐらい。映像を全部見直す時間があってもなくても楽しめる内容で。どうでしょう?こんな企画は。どこかの出版社さんが挑戦してくれないかしら。

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2012年12月16日 (日)

『魔法無用のマジカルミッション ~(株)魔法製作所~』

東京創元社さん、グッジョブです!

『魔法無用のマジカルミッション ~(株)魔法製作所~』シャンナ・スウェンドソン著   大好きなシリーズの続編最新刊です。 (シリーズ1作目、2作目の感想はココ

発売後すぐに買って、すでに2回通読、好きな場面のみ3回目も読みました!現代ニューヨークを舞台にしたファンタジー+女子お仕事小説+健全なロマンス小説といった態のこのシリーズ、本国アメリカでは四作目までしか出版されていないのに、日本では東京創元社さんの英断によって最新の六作目まで出版されたんですよ!すばらしい!翻訳小説で続きが出ないことってよくありますよね。しかも曲がりなりにもおはなしが終わっているならともかく、「これからどうなるんだっ!」ってままで日本での出版がいつのまにやら終わっているものまであります。そんな中、続編を出版し続けてくださっている東京創元社さんはすばらしいです。

 んで、肝心の物語ですが、魔法界をひっ掻き回した大陰謀の黒幕が暴かれて、一応の解決をみた前作の後、競争相手のいないマーケティング部でケイティは暇を持て余しています。魔法を失ったオーウェンは危険な魔法書の解読に我を忘れて取り組んでいます。そこへある問題が起こります・・・今度は別の問題と敵が現れるのです。テキサスのチャーミングなおばあちゃんも元上司のミミも、さらにパワーアップして出てきます。いやいや、ホンマに面白い。ニューヨークでの恋愛譚なのに、ケイティとオーウェンがまるで中学生のように初々しいカップルのままというのもいい感じです。

大人になってもファンタジーが好きなかたや、もう米の少女小説が好きな方には、ぜひ読んでもらいたいシリーズです。

 映画化?って話はどうなったんだろう・・・。映画化権がどこかに押さえられているだけなのかな?映画化してほしいなぁ。

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2012年8月21日 (火)

『怪しいスライス』

怪しいスライス プロゴルファー リーの事件スコア 1 』 アーロン&;シャーロット・エルキンズ著 集英社文庫 2011年刊

 「スケルトン探偵シリーズ」が好きなのでアーロン・エルキンズの新刊が出ていると思って買ったまま、ゴルフに興味がないためしばらく積読状態になっていた本。ロマンス小説も書いている奥さんとの共著だそうで、主人公のリーと事件を捜査する警官とのお約束のような恋愛も楽しく描かれています。新刊は新刊ですが、この本がアメリカで出版されたのは1989年とか。初めて邦訳出版されるにあたり、実在のプロゴルファーの名前などが現在仕様に改稿されてはいるそうです。
 まぁ、ゴルフは分からなくても十分コージーミステリーとして楽しめました。

 リーは若くて新米で、賞金をなかなか稼げない女子プロゴルファー。とあるアマ・プロトーナメントでどどうも芳しい結果が出ないので、夕方アマチュアゴルファーのペグと一緒に練習していたところ、池に練習用ボールが池にはまってしまいます。仕方なく池に手を突っ込んでボールを探していると、腕にスパイクが当たり、驚いてその靴を拾い上げようとすると、靴だけではなく女性の死体まで引き上げてしまいます。それは同じトーナメントに出場している花形プロゴルファーのケイトでした・・・。

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2012年8月19日 (日)

『困ってるひと』 大野更紗著

困ってるひと』 大野更紗著 ポプラ社刊 

 

 

私は基本的には難病ものの本は読まないんですが、知人からとってもおすすめされたので読みました。私が読んだのは単行本ですが、文庫版も出ています。なんで難病ものを読まないかと言うと・・・辛い事実に自分が打ちのめされてしまうからです。

 そういう意味ではこの本もしんどくて怖い本でした。でも、大学院生の著者の筆致がユーモアたっぷりでぐいぐい読ませられ、いわゆる「エンタメ・ノンフ」っぽく読めます。帯の惹句に「命がけエッセイ」とありまして、できるだけ明るいトーンでまとめられた闘病記、と言う感じでしょうか。
 ビルマの難民を研究してフィールドワークにもバンバン出かけちゃっている元気いっぱいの大学院生が、突如原因不明の痛みと熱に襲われます。筋膜炎脂肪織炎症候群という自己免疫疾患系の難病であると診断がつくまでの「阿鼻叫喚」も、瀕死の入院生活も、お涙ちょうだいにはならず、淡々と戯画化するように描かれます。著者の行動力とともに、筆力には本当に感服します。助けてくれる人たちもいっぱいで、著者の人柄もしのばれます。
 難病にもかかわらず長期入院はさせてもらえない医療制度についても、病人がかなり苦労しなければならない各種申請についても考えさせられるものがありました。いや、考えているだけではなくて是正に向けて著者に負けない行動力を示す人が、読者からたくさんでないといけないんじゃないか、とも思いました。また、医師による介護認定のための意見書について、老人介護や障がい者介護の場でも医師の意見書が障がい・症状を軽く見積もりすぎるとして問題になっていると聞いていましたが、著者もできないことをできるとされていたということを知りました。日々患者のために献身的に医療を行っている医師にして、こんなこともあるのか、といため息が出ました。
 読んでいて辛くもなりましたが、読んでよかった本です。特に若い著者と同世代のひと、もっと若い人にも読んでほしいと思いました。

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2012年8月 7日 (火)

『灰色の地平線のかなたに』 ルータ・セペティス 作

灰色の地平線のかなたに 』  ルータ・セペティス 作 岩波書店 2012年1月刊
¥2100+税

 学校で習わなかったためか、バルト三国についてはほかのヨーロッパの国々よりも認識が薄い。それでもリトアニアは杉原千畝氏の人道的エピソードで耳に馴染みのある国でした。
 けれど、杉原氏が公使館を閉めねばならないときのリトアニアの政治状況とか、バルト三国への、第二次世界大戦中のソ連の侵攻と迫害(祖国からの追放と強制連行)については全く知りませんでした。ヨーロッパでのナチスドイツの悪行については、歴史の授業でも習い、映画や文学などでも多く描かれて来て読んだり見たりしてきましたが、スターリニズムの蛮行についてはほぼ知りません。スターリンによる恐怖政治がソビエトの社会主義の理想を歪めた程度の認識でしょうか・・・。有名な「カティンの森」の事件でさえ、アンジェイ・ワイダ監督の映画「カティンの森」を観て初めて知ったぐらいです。映画や小説では、ナチスを破り、ナチスの設けたアウシュビッツ強制収容所などを解放するソビエト軍(赤軍)は(連合軍側に与していて)、正義を成し遂げて感謝されるイメージです。ナチスに抗するパルチザン・レジスタンスを助けるソビエト軍の若者は農家出身の子ども好きな明るい好青年のイメージ。それらが嘘なのではなく、実際、彼ら一人一人は善良な人たちだったことでしょう。
 しかし、その一方でスターリニズム下の兵士たちは無辜の民に対しても恐ろしいこともたくさんやってきたのです。
 この若い人たち向けに書かれた小説は、リトアニアにおける「カティンの森」のような事件を描いています。作者はリトアニアからドイツ経由で亡命して九死に一生を得た父を持つアメリカの女性。隠された史実を丁寧に取材して、登場人物は架空の人物だけれど、実際に経験した人たちのはなしをもとにしたフィクションです。
・・・・
 1941年6月14日の夜、画家になることを夢見る15歳のリナはリトアニアの自宅でいとこに手紙を書こうとしていました。しかし突然踏み込んできたソ連の秘密警察・NKVDによって、母・弟とともに連行されます。独ソ不可侵条約によりリトアニアなどバルト三国を侵略した、スターリニズムの暴風吹き荒れるソ連は、バルト三国の知識人(学者だけではなく教師や司書も)・軍人・実業家などとその家族を逮捕・殺戮・強制連行したのです。大学教授の父と美しい母エレーナはソ連軍に蹂躙された祖国を逃れる計画を立てていました。エレーナはコートの裏側に貴重品などを縫いこむなどして準備していましたが、間に合いませんでした。リナたちは「ダヴァイ(早く)!」とせかされ、トラックに詰め込まれます。そこには追い立てられてけがをした人、たった今赤ちゃんを産んだばかりの人も。NKVDに「ブルジョアの豚」と罵られ小突かれながら貨物列車に詰め込まれ(この貨車の旅、ナチスに連行されるユダヤ人の貨車の旅と似てます)長く長く辛い旅を経て着いたのはシベリアの強制労働所。あくまで人間としての尊厳を忘れない母とともに辛い労働や飢え、極寒に耐えて生き延びようとしますが・・・。
 「児童書」として出版されていますが、ぜひ大人の人にも読んでほしいです。こんな事実があったという歴史認識のほかに、人間性、「人間」としてどう生きるべきか、を考えさせられる本です。物語終盤のソ連人医師・サモデュロフ先生のエピソードにはいろんな意味で涙がこぼれました。サモデュロフ医師は実在の人だそうです。

 不満があるとすれば、リナたちがどういうタイミングでどう解放されたか、その後リトアニアに帰ってどうだったか、までは描かれていないことでしょうか。物語作り的には蛇足になるのかもしれませんが、読み手としてはそこも物語ってほしいところでした。

 物語中ショックだったのは、貨車での移動中のリトアニア人たちの会話の中で、ドイツが侵攻して来てソ連を追い払うのを願うようなことばもあったことです。ナチスが侵攻してきた方がリトアニアの独立が保たれると、その時は思った人たちもいるということですね。ヒトラーが来たらもっと悪いことになると言う人(のちにユダヤ人と判明)もいましたが、リナは懐疑的でした。まだ15歳のリナはリトアニアがソ連とナチスドイツの両方から蹂躙されるとは思ってもみなかったのでしょうね。リナたちの住んでいたカウナスで、領事の杉原千畝氏が「命のビザ」を発行していたのは、リナたちが強制連行される前年のことですが、そのことについてカウナス市民はあまり認識していなかったのでしょうか?

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