2008年5月 6日 (火)

「源氏物語千年紀展」「暁斎漫画展」「ベトナム反戦ポスター展」

今日(あぁ・・もう昨日でした。5月5日のことです)は、半日かけて3つの展覧会をはしごしてきました。

Dscf0290←多田ヒロシさんの作品が配されているチラシです。このコウノトリのインパクトで今回の特別展に出かけていこうという気になりました。まずは立命館大学国際平和ミュージアムの「ベトナム反戦ポスター展」へ。阪急西院駅を降りたらすぐにバスが来ると思っていたところ、休日のためか205番の本数が少ない!家を出るときにもバスを乗り逃がしたし、ちょっと出鼻をくじかれました。衣笠校前で降りて衣笠キャンパスに入るも、ミュージアムらしき建物はなし。構内案内図を見てもわかりません。体育館周辺までウロウロしていたところ、守衛さんがいらっしゃったので伺うと、ミュージアムはキャンパスの外にあるとのこと。地の利があると思って下調べをしてこなかった私の大失敗です。国際平和ミュージアムは小松原郵便局から少し北、馬代通りに面したところにありました。なんや~、あんなに歩かんでもよかったんやん。・・・それはともあれ、初めて行った国際平和ミュージアム。エントランスから地下展示場への階段のところには、昔は図書館にあったなつかしいわだつみの像がありました。常設展は後回しにして、まずはお目当ての「ベトナム反戦ポスター展」へ。ベトナム戦争は、ベトナムの独立と南北統一をめぐって1960年から1975年まで続いた、アメリカとベトナム人民との戦争です。第2次世界大戦の2倍を超える爆弾や化学兵器が使われ(枯葉剤:ダイオキシンの被害はべトちゃん・ドクちゃんの例を挙げるまでもなく有名ですね)、6万人近い米軍兵士 と100万人以上のベトナム人の命が失われたそうです。ちょうど私の幼少期、日本でもベトナム戦争のことが報道されたり、子どもの読み物の中にもそれを反映した作品が登場したりして、子ども心に戦争の恐ろしさを刻み付けられていました。今回の展覧会は、1967年、日本のアーティストたちがベトナム反戦を野外ポスター展という形で発したものを集めたものだそうです。ポスターの中には作者不詳のものもたくさんありましたが、チラシに使われている多田ヒロシさんの作品をはじめ、いわさきちひろ・井上洋介・今江祥智・杉浦繁茂・田島征三・長新太・西村繁男・和田誠(以上敬称略)など、子どもにも絵本等でおなじみの方々の作品が多数ありました。中でも私とこどもの目を引いたのは、やはり手塚治虫氏の作品でした。画面の右上の方にウルトラマン・ウルトラセブン・大魔神・ビッグX・マグマ大使などが黒い線と臙脂色の彩色のみで描かれ、下のほうにベトナムの子どもが二人掘っ立て小屋の前で困り顔をしている絵に「なぜ、日本のおとなは正義の味方をあんなに作ってるのに ベトナムにはちっともおくってぅれないのだろう?」という詞書が添えられたものです。常設展の方は想像以上にぎっしり豊かな内容で時間のあるときにもう一度ゆっくり見なくてはと思わされました。

Dscf0286 ←チラシと入場券です。 次に昼食をとった後、京都国際マンガミュージアムへ。今日は連休中とあって満員です。こいのぼりを描くイベントなどもやっていてみんな楽しそう。数え切れないぐらいのマンガを読むためだけに一度はゆっくり来たいと思いつつも、今日もそんなにゆっくりする時間はありません。特別展「暁斎漫画展」も大して期待をせずに行ったのですが・・・河鍋暁斎という人のことを全く知らなかった自分の不明を恥じました。天保年間に生まれて明治の半ばまで生きていた人らしいのですが、もともとは歌川国芳の弟子だったそうです。江戸時代の浮世絵風の戯画から明治時代の風刺画まで、とても可笑しい絵の数々・・・。骸骨が歌い踊る絵や、妖怪・つくも神などの絵にも見入ってしまいます。骸骨の絵はたくさんあるのですが、骨格を正確に捉えているのだそうです。新たな鳥獣戯画というべきかえるや狸や狐や猫たちの絵もあります。象の写生もあります。福沢諭吉を揶揄した絵もあります。細かい絵をじっくり見ていくと、小さな展示スペースの割には結構時間がかかりました。私が一番気に入ったのは明治の妖怪画。河童が学校で「しりこだま」「きうり」などのローマ字を習っているのには、思わず吹き出しました。京都国立博物館でも今河鍋暁斎の特別展実施中らしいです。

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Dscf0284 ←図録とチラシです最後は京都文化博物館へ「源氏物語千年紀展」です。色々な時代の写本と絵巻物、画帖・絵詞、屏風など見応えもたっぷり、量もたくさん。近現代のものや海外の翻訳書、大和和紀の『あさきゆめみし』の美しい原画もありました。紫式部日記はもちろん、小右記や栄華物語、長恨歌などの写本、藤原道長自筆の御堂関白記などもあり、軽々しくはしごしてみるべき展覧会ではなかったなぁ・・・。もっとゆっくりと一人で(または源氏について語り合える友達と)見たかったとちょっと後悔。子どもは「あさきゆめみし」を舞台でも観てマンガでも読んだはずなのに、ちっとも覚えていないというし・・・。絵巻物にかかる金泥の雲、いわゆる「源氏雲」について説明できたのが収穫というところでしょうか・・・。分厚い図録を見て家で一人で楽しむことにします。

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2007年9月26日 (水)

ナスカ展

 「ふたりのロッテ」を観たあと、地下鉄に乗って烏丸御池へ。京都文化博物館「世界遺産 ナスカ展 地上絵の創造者たち」を見てきました。ナスカの地上絵といえば、昔、宇宙人が描いたとかオカルトがらみの・・・かなり「トンデモ」な説を子どものころに、読んだ記憶があるだけ。アメリカ大陸のどの辺りにあるかもまったく知らず、南アメリカの文化といえばマヤ・インカという学校時代の知識の残滓があるだけの私。アンデス文化にナスカ文化というカテゴリがあるのにまずびっくり。でも音楽ではフォルクローレがちょっと好きだったので(といっても民族楽器はケーナとチャランゴぐらいしか知らないのですが)、なんとなく親しみを持って見ることができました。ミイラや骨に外科手術、頭部の人工的な変形の跡が残っているのにもビックリ。

Photo_6 ←チラシの表と裏です。

「バーチャルで飛ぶ!ナスカの地上絵」と銘打たれたスクリーン映像は、実際に遊覧飛行をしているような映像だったのですが、いかんせん、自分で車を運転していてもたとえば老ノ坂や周山街道(ローカルなたとえで恐縮)のようなところでは毎回酔ってしまう私、この映像には最初の数分でgive up。娘はたいそう興味深かったそうです。わたしは、別のところで映されていた映像で、実際に航空から見たら、古代の地上絵よりも車の轍のほうがくっきりと見えることの方に衝撃を受けました。

 これは民族学や南米に少しでも興味のある方には一見の価値ありの展示でした。ミュージアムPhotoショップはさながらペルー物産展という感じ。地上絵のデザインはサル・シャチ・鳥など、どことなくかわいらしいし、 リャマのぬいぐるみやアルパカの帽子なども買いたかったけど財布と相談してあきらめて、「ナスカ金太郎飴」なるものを買ってきました。これは京都限定なのでしょうか?

TBSのHPに「ナスカ展」の公式サイトがあります。詳しくはそちらをどうぞ。瀬木貴将さん作曲のテーマ曲も良かったです。

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2007年9月 6日 (木)

ちょっとだけ、グルメと展覧会の日々・・・?その①

 長男(大学生)が帰省して、パソコン前を独占していたり、二女の夏休みの宿題(レポートを3教科分!(泣)を手伝うのにかかりっきりになったり、長女の文化祭準備のためのあれやこれやに翻弄されたりで、半月ほどパソコンにゆっくりと向かう時間や気力がありませんでした。

 その間のことをちょびっとずつ書き足そうと思います。本も結構読めたし。

 お盆休み(夏休み)。お金がなかったり時間がなかったりで、旅行も遠出も出来ませんでしたが、ほんのちょっぴりグルメをしたり展覧会を観にいったりして楽しみました・・・って、普通の週末とあんまり変わりませんけれども~~~。

 その①は展覧会について。展覧会は4つ行ってきました。

ひとつは大丸梅田店の「アインシュタインLOVE」です。タイムスリップなどのSF小説が好きなので・・・特殊相対性理論等にも興味はあるのですが・・・子ども向けの入門書やマンガ(たとえば『』『』)なども読んだのですが、根っからの文型頭でちっとも理解できないのです(@_@;)・・・、で、この展示をみたらすこしは理解が深まるかしら・・・と期待していたのですが、やはり博士の物理学的な研究内容については全くダメ(T_T)。来日した時の様子とか、人文的な伝記要素の展示内容については、興味深く観ることが出来ました。とくに、心ならずも原爆開発に関与してしまう結果になってしまったことへの後悔とパグウォッシュ会議・ラッセル=アインシュタイン宣言等について、改めて原資料つきで知ることが出来たことは収穫でした。

 二つ目は大丸京都店の「長新太展」 。『キャベツくん 』シリーズや『ゴムあたまポンたろう (絵本・こどものひろば) 』のようなナンセンスな絵本がわが子たちは大好きでした。もちろん寺村輝夫作の物語に絵を付けた『おしゃべりなたまごやき 』や『ぞうのたまごのたまごやき (日本傑作絵本シリーズ) 』なども大好き。私自身はあまりナンセンスすぎる物語は苦手ですが、とぼけた味の絵は結構好きでした。

 もともとは漫画家さんなのだということをはじめて知りました。やはり独特の味のあるマンガで、額に納められた原画に向かって、ニヤニヤしながら読んでいる人多数。細かい文字までつい一生懸命読んでしまって、京都店の大丸ミュージアムは狭いのに、観て回るのに結構な時間がかかりました。灰谷健次郎が文を書いた絵本『ろくべえまってろよ 』や、今江祥智の長編の童話(『ぼんぼん 』シリーズとか)の挿絵なども長さんの絵だったんだ~と心のなかで「へぇ~」っとさけんだり。小学校の図書館で愛読した(「どんだけ昔やねん!」と一人ツッコミ) 『いたずらラッコのロッコ (日本の創作児童文学選) 』シリーズも長さんの挿絵と知って感慨にふけったり。

 3つめは京都市美術館で「フィラデルフィア美術館展~印象派と20世紀の美術」。これはかなり良い(私の好みに合致した・・・という意味です)作品の集まった展覧会でした。

Photo_2  ←この絵(ルノワールの「ルグラン嬢の肖像(部分)」がポスターになっている展覧会です。愛好家の多いコロー・クールバ・マネなどの写実主義の画家から始まって、多くの人が好きにならずにはおれない印象派の画家たちの作品の数々、つい顔もほころんでしまいます。マネの海戦の絵はとても迫力があったし、ロダンの有名なブロンズもこの場で観るとまた新たな感慨がありました。ドガの踊り子のブロンズには鋳造所オリジナルのスカートがはかせてあったので、できるものなら手で触れてみたかったです。ドガの「室内」という絵には、室内の明かりがくつろいだ雰囲気を出しているというような説明が付いていましたが、むしろ男女二人の暗い関係乃至冷たい関係・・・が表情から読み取れるので首を傾げてしまいました。なかなか理解しがたいものがある現代美術も、ピカソの「三人の音楽師」、クレーの「魚の魔術」、カンディンスキーの「円の中の円」、デ・キリコの「占い師の報酬」、ジョアン・ミロの「馬、パイプ、赤い花」などなど、本当に私にも理解できそうなずっと見つめていたいような作品が多かったように思えます。

Cha1030 「アメリカの美術」と題された作品群は、美術の教科書ではお目にかかれないような作家ばかりでしたので、とても新鮮な思いで観ることが出来ました。なかでも私が気に入ったのは右の絵、フローリン・ステットハイマーの「ベンデルの春のセール」です。プレタポルテですから現代のスーパーよりはお上品でしょうが、バーゲン会場でワゴンの服を引っ張り合ったり何着も試着する女性たちは100年近くたっても変わりませんね。苦虫を噛み潰したようなおじさんの顔におもわずふきだしそうになります。左下にちょこんとお行儀よしこさんしているワンちゃんがご愛嬌。赤を基調とした画面が明るくて楽しくて・・・この画家の絵を他にも見たいのですが、どうも寡作な人のようですね。

 残念なことにまたもやギモンな展示解説を発見。オキーフの「ピンクの地の上の2本のカラ・リリー」。この解説に「所々緑がかった白いユリの花びらには・・・」とあるけれど、「Calla lily」を日本語に訳せば「カラー」か「かいう(オランダかいう)」。「lily」とついていても百合の仲間ではなく、サトイモ科。水芭蕉の仲間です。まぁ、美術の専門家は語学や植物は専門外かもしれませんが、かいう(カラー)はふつうに花屋さんやブーケなどで見かける花だし、ちょっと調べてみてほしかったなぁ・・・。「lily of the valley」(鈴蘭)をバルザックの小説の題名と混同して谷間に咲く百合の花だと思う人も多いようですが、その間違いよりもひどい気がします。

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4つ目は特別展ではありませんが、開館以来気になっていた京都国際マンガミュージアムに初めて行きました。小学校の跡地だけあってなんだかとてもステキな空間でした。新風館にいくついでに短時間立ち寄っただけなのであまりゆっくりみれませんでしたが、自由に閲覧できるマンガがいっぱいあって、時間さえあれば通いつめて読みふけりたい気分でした。時間がなかったので2冊しか読めなかったのが残念。その2冊とは・・・少女時代から大好きな河あきらさんの『さびたナイフ』と『ゆがんだ太陽』。どちらもマーガレット・コミックス。大昔、「別冊マーガレット」に掲載されていたものですが、今はもう手に入らない作品集です。四半世紀ぶりぐらいに読んだんじゃないでしょうか・・・。当時は大泣きの感動作でしたが、今でもちょっと泣けました。もういちど復刊して欲しいなぁ。あと、「地球へ・・・」のコーナーもあって、アニメ台本や竹宮惠子さんの仕事場の再現展示などもありました。竹宮さんのマンガも昔から好きだったので見入ってしまいました。そういえば、竹宮さんはここの運営母体である京都精華大学の教授ですよね。

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 紙芝居コーナーや子ども向けワークショップなどもあって楽しい施設でした。大人にも子どもにもオススメです。

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