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2013年6月 9日 (日)

大劇場、雪組「ベルサイユのばら」

前項に書いたようなわけでブログの更新は滞り、3週間も前の観劇記です。

雪組の新トップお披露目公演、「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-~池田理代子原作「ベルサイユのばら」より~」、3週間ほど前に宝塚大劇場に行ってまいりました。もうこの日は体調悪い山の7合目ぐらいだったのですが、せっかくとれたこのチケット、壮一帆さんのお披露目を見逃してなるものか、と執念のような勢いで観に行ってきました。美しくも凛々しい壮さんのお姿にほぼ満足しましたが・・・。
Berubara 月組のオスカルとアンドレ編 の記事の時にも書きましたが、ワタクシ、「ベルサイユのばら」の原作大ファンにもかかわらず、大劇場での観劇は、今年1月の月組が初めて。フェルゼン編は生で観るのも初めてです。しかも花組時代からちょっぴり応援している壮さんの、待ちかねたトップお披露目というので、観に行くのも気合が入っていました。ところが、あらら・・・、今回のこのストーリーでは、フェルゼンとマリー・アントワネットの純愛や苦衷が十分に描かれているとは思えず、主人公のフェルゼンに共感しにくいですね。他国の王妃に横恋慕し、祖国の威信を傷つけるわがままな男になってしまう・・・。原作で主人公として描かれているのがマリー・アントワネットやオスカルである以上、フェルゼンを主人公として描き直すのは難しいですよね。オスカルに比べて見せ場になるシーンも作りにくいし。実際今公演を見ても国境破りや「行け、フェルゼン」よりも、パリ進駐からバスチーユ陥落のシーンの方がずっとスペクタクル。貴族のしがらみを捨てて民衆の守りに就く勧善懲悪的なふるまいといい、愛する人を失う悲しみに耐えてたたかい自らも命を落とす悲劇性といい、フェルゼンよりオスカルの報に心が寄って行ってしまいます。せっかくのお披露目公演なのに残念。最後のパレードに羽根がないのも残念。マリー・アントワネットの比重が軽いのも、二人のシーンが少ないのも不自然に思えました。「ベルサイユのばら」は宝塚にとって名作かもしれないけど、フェルゼン編の脚本は一新してもらいたいものです。

 とはいえ、原作ファンの私ですし、いろんな場所で涙しながら感動したこともまた事実。壮さんはカッコよかったし、早霧せいなさんのオスカルもすてきなビジュアル。役にはまっています。未涼亜希さんのアンドレは頼れるイメージ。初舞台生のトリコロールの衣装でのロケットも可愛らしくて良かったので全体的な満足度が低いわけではありません。むしろ満足度は高く、病を押してでも観に行って良かったと思っています。でもせっかくのお披露目なんですもの。主人公二人に全面的に感情移入できるような作品にしてほしかったなと思います。

 さて、今回私が新たに注目したのはアラン・ド・ソワソン役の彩風咲奈さんとベルナール役の彩凪翔さん。二人とも目を引く美しい男役さんですね。私が知らなかっただけできっと将来を嘱望された人気の若手スターさんなのでしょうね。

 ところで私は初版の(残念ながら第一刷ではないです)ベルばらを全巻持っているんですが、文庫版も買い揃えようかなと思っているところです。

そう思ってAmazonを見ていたら、2014年用のカレンダーが売っていました。名セリフ集になっているのが楽しそうです。

『ベルばら』を読んだら、ナポレオンを読み(ここまでは必須)、エカテリーナを読み、ポーランドを読み、『オルフェウスの窓』を読むと、結構ヨーロッパ近代史が好きになれます。

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わらび座ミュージカル「ブッダ」

このところ体調が悪くて、(休日も仕事等でつぶれることが多く)ブログに手を付けられませんでした。ワタシの周りには咳がなかなかとまらない人が5月半ばから今月初めにかけて多いんですが…私ももう3週間も咳が続いています。声が全く出ない日もあったり、高熱から微熱が続いたりしながら、激しい咳で腹筋の筋肉痛が半端なかった日々も。イネ科花粉症からの気管支炎として吸入と投薬で治療していて、少しずつマシにはなってきているんですが・・・。いったいいつになったらスッキリするのか??ねんざした右足首もまだ痛いし。

Photo
で、3週間も前の話ですが、シアターBRAVA!にわらび座のミュージカル「ブッダ」を観に行ってきました。写真は劇場の物販場所に掲示されていたポスターです。

原作は手塚治虫の劇画「ブッダ」。何度も読みました。マンガとはいえ12巻もの長い物語をどう2時間足らずのミュージカルに収めるのかも興味のあったところです。女盗賊ミゲーラやタッタとの出会い、四門出遊などのエピソードをあっさりと描き、苦行林へ。それからコーサラ国に攻め入られシャカ族の王国が滅びることとルリ王子のエピソードが中心になります。ミュージカルで2時間足らずというととっても短い感じがしますが、ストーリーの構成上もちょっとあっさり過ぎてあっけなく終わった感じです。わらび座の場合は、学校公演や地方の観劇会等を意識して短く作ってはるのかもしれないけど、すごくいい原作だし、内容も良かっただけに短すぎるのはもったいない気がしました。3時間ぐらいの長さで作ってほしいなぁ・・・。

 演出は栗山民也さん。ミュージカルナンバーは齋藤雅文さん作詞、甲斐正人さん作曲です。オーバーチュアは民族楽器も使っているのでしょうか、いまから「インド」の物語が始まります、という感じで、日本を舞台にすることが多かったこれまでのわらび座のミュージカルとは雰囲気が違うようにも思えます。

Photo_2今回は特別公演ということで、客演も多くて、とても豪華なキャストの皆さんです。しつこいようですが3時間ぐらいの公演にして今井清隆さんや遠野あすかさんのソロをもっと入れてほしかったというのが正直なところです。

シッダルダ役は戎本みろさん。わらび座の看板役者ですね。姿も声も歌も演技もよくて、いつもすばらしい役者さんだと思っていますが、四門出遊のころのシッダルダには、ちょっと・・・もう少し若い役者さんの方が…と思ってしまいました。すみません。苦行林を飛び出して以降のシッダルダ、ブッダには風格があってぴったりだと思いました。

ミゲーラ役、遠野あすかさん。宝塚退団以降初めて拝見する舞台かな?可愛い、スタイル良い、歌うまい。キリっとした女丈夫的な役が良くお似合いです。でも、きれいでかっこよく活躍する場面が少なかったのが残念。しかたないとは思いつつ・・・。

コーサラ国王パセーナディ&ヤタラ、今井清隆さん。さすがの貫録です。もっと今井さんの歌が聞きたかった。今井清隆さんバージョンだけでもコーサラ国大臣の歌を国王が歌うバージョンに変えてくれたらもっと満足できたような気がします。ヤタラという役はこれまでの今井さんのイメージから遠い役。でもコミカルにそして哀れに演じておられて流石と思いました。

盗賊タッタ役、三重野葵さん。わらび座の若手役者さんですね。これまで私は舞台で拝見したことがない気がしますが、若手のスターさんでしょうか。すごい身体能力と迫力、狼のような鋭い目つきでタッタという異能の男を演じておられます。

ルリ王子、石井一彰さん。東宝の舞台役者さんですね。一昨年、城田優バージョンの「ロミオとジュリエット」を観ましたが、そのときマキューシオで出ておられたと思います。なんとなくその時と同じようなキレる役。舞台映えする美しいお顔立ちにさす陰影に心惹かれます。

ヤショダラ・鳥、宮菜穂子さん。美しい。姿も歌も。優雅でしなやかなダンスもすてきだし、王族としての上品さも。

Photo_3
私が見た回は、偶然なのですが終演後トークショーがありました。3週間前のことで、ほとんど忘れましたが、覚えている範囲で少しご紹介を。

戎本さん:本番前の晩には必ず頭を剃る。

栗山さん:ブッダは自らの足でインド中を歩いて民衆の声を聴き、その中から教えが生まれた。ブッダが歩き続けて、そこで動いている人の心を受けとめる。

遠野さん:いつもお稽古はスロースターターなのだが、今回はさらに遅く、舞台稽古に入って、メイクやかつらをかぶってスイッチが入った。宝塚か、と思うほどメイクに時間をかけた。今までにこんなに扮装に頼ったことはない。(「こわい化粧をしている」とおっしゃっていましたが、女盗賊、そして業病にかかるということで、たしかに姫メイクではなかったけど十分可愛かったです)

今井さん(ヤタラの扮装で):こういう役はしたことがない。「コーサラ国王」と言われて引き受けたのに「ヤタラ」という役もしてくれと言われた。どういう役ですか?と聞くと「怪物だ」と。着ぐるみを着て・・・

(わらび座でのけいこはどうでしたか?と尋ねられて)

遠野さん:なつかしい「劇団」の空気があった。暖かい空気に救われてお稽古が楽しかった。太鼓を見せていただいたり有意義な交流ができた。

今井さん:秋田は良いところだった。嵐かと思うような雪の日もあった。角館の桜を観たかったのに(時期的に)見逃したのが残念。太鼓・鬼剣舞などに涙が出るほど感動した・・・

役者さんと演出家さんの生の声が聞けて得した気分でした。残念だったのはトークショーで「プログラムを見てね」と今井さんが言うてはったのに、その時点ではプログラムが早々と売り切れだったこと。私はにギリ手に入れられましたが。次の日も公演は続いていたのにストックはなかったのかな?新作ミュージカルということでCDの販売はありませんでしたがいずれ販売してくれるのかな。欲しいな。
それはともあれ、観劇後、『ブッダ』を再読したのは言うまでもありません。ところで、この演目の特徴としては客席に僧侶と思しき人たちが結構おられたことでしょう・・・。

会場で原作本も売ったらけっこう売れたんじゃないでしょうか・・・。

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