« 「マリー・アントワネットに別れをつげて」 | トップページ | 映画「ソハの地下水道」 »

2013年2月 3日 (日)

「詭弁 走れメロス」

 ふと思い立って、アトリエ・ダンカン プロデュース「詭弁 走れメロス」の大阪公演に行ってまいりました。場所はPhotoサンケイホール・ブリーゼ。急に思い立ったのでかなりの後方席ですが、座席列の勾配が大きいホールなので前の人の頭が邪魔というストレスはなく鑑賞できました。

 原作は森見登美彦さんの短編小説「新釈 走れメロス」。このお芝居に関しては何の予備知識も持たず、単に原作がどう舞台化されたのかを見たいがために出かけたのですが。ちょっと客層若い目な気がしました。芽野や芹名、須磨さんなどを演じる若い役者目当てかなぁ(新垣さんのファンTシャツ着てた人数名見ましたし)、と思われるフシも無きにしも非ずかな。

以下、キャスト・スタッフ等敬称略で紹介します。

脚本・演出 :松村武
音楽・演奏 :土屋玲子
芽野史郎:武田航平
芹名雄一:山下翔央
須磨さん:新垣里沙
自転車にこやか整理軍:高木俊
                上田悠介 
図書館警察長官:市川しんぺー
詭弁論部員:西村直人・小手伸也・小林至

 

 1時間半の一幕ものです。開演するとまずは舞台に白拍子姿の女性が登場し、バイオリンを奏でます。この方、土屋玲子さんは1時間半舞台に出ずっぱりで、ある時はチェロ、ある時は鈴、ある時は二胡などいろんな楽器でBGMの演奏と伴奏をほとんど一手に引き受けています(ときどき録音されたらしい音色も付け加わっているようですが)すごい!特に二胡の叙情的なこと!舞台上には特にセットはありません。黒っぽい箱のようなものがいろんな形と大きさで並んでいるだけ。それがあるときはこたつに、ある時はドアに、ある時は椅子に・・・とあらゆるものに見立てられ話が進みます。とにかく出演者の皆さんがよく動く。そしてよくしゃべる。予備知識なしなものでストレートプレイだとばかり思っていたら「青春音楽活劇」と銘打ってあり、挿入歌も数曲。なかなか楽しめます。
 ストーリーは原作通り。小説のなかの会話でない部分(地の文)、戯曲でいえばト書きに当たる部分もそのままセリフになっており、よく口が回るなぁ(ときどきとちってたけど)と感心するほどの早口の長台詞が続きます。芽野が京都中を逃げ回るとき京都人や京都になじみの関西人ならば、新京極から四条烏丸大丸を通って阪急に乗って十三を目指して桂で降ろされて嵐山へ逃げて今出川通りを通って三角州で云々が鮮やかに思い描けると思いますが、これを早口のセリフで語られて東京公演でもみんな分かったのかしら?とちょっと心配になりつつ、舞台の上のドタバタ劇を楽しみました。もう阿呆ばっかりですね。はじめは堅苦しく舞台を見つめていた私も(一人観劇は結構緊張して観てるんです、いつも)、終わるころにはけらけらと声を立てて大笑いしてました。図書館警察長官役と詭弁論部員役の俳優の皆さんは学生を20年やっているのか、とツッコミたくなるようなベテラン俳優さんたちでしたが、若者に負けずによく動いてはりました。そしてさすがベテランの小技も出しつつ、詭弁論部員の3人で150役以上をこなしておられたそうです。他の学生や須磨さんの恋人や通行人や電車の乗客や車掌などの人物はもとより、新京極のアーケード、なんて無機物まで演じてはるんですよ~。

 おもしろかった。カーテンコールからも役者さんたちの熱意が伝わってきて、良い舞台だったと思います。でもでも、ブリーゼのような大ホールで観るタイプのお芝居とは違うな、と思いました。ブリーゼは900席以上あるし、東京・神奈川公演では200~400のホールを使っていたようで、劇場規模が違いすぎると思います。小劇場用に作られた舞台内容なのだから、舞台の熱気やテンションが直接伝わるような小劇場で観たかった。それが残念。

Photo_4プログラムの表紙も濃いピンクの京都の市街地図(地名ローマ字)の上にスニーカーの足跡のイラストが施してあってなかなか楽しい。

物販コーナーも大人気で、私もついうかうかと詭弁論部Tシャツを買う気になっていました。途中で思いとどまりましたが。

原作も売れてるようでした・・・初めて読む人はこんな短い話だったんだって、ビックリするかも。

|

« 「マリー・アントワネットに別れをつげて」 | トップページ | 映画「ソハの地下水道」 »

演劇・ミュージカル」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「詭弁 走れメロス」:

« 「マリー・アントワネットに別れをつげて」 | トップページ | 映画「ソハの地下水道」 »