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2012年12月 2日 (日)

「のぼうの城」(映画)

 2年越しで楽しみにしていた映画「のぼうの城」。今頃ブログに書いていますが、実は公開初日のレイトショーで観ております。またまた、1か月遅れの鑑賞報告。記憶の乱れはご寛恕を。へとへとに疲れていた週の週末レイトショーなのに、一瞬たりとも眠気を覚えることなく、目を見張って映画の世界を楽しみました。

 秀吉の小田原攻めと言えば、それまで寡聞にして小田原評定をはじめとする北条軍の敗戦のあっけなさしか知らなかったので、原作を読んだとき、こんな城もあったのかと感心するばかり。よく考えたら遠い昔に「太閤記」も読んだことがあるはずなんだけど、忍城攻めの記憶はないなぁ・・・。もちろん歴史そのものではないにせよ、史実から発展させた物語としてとても面白く読みました。本はどこまでが史実で、人物造形(特に長親の、のぼうさまというキャラクター)もどこまでが文献どおりなのかと首をかしげつつ楽しんで読みましたが、映画はむしろフィクションとして楽しみました。

 ともあれ、映画です。石田三成が秀吉(この時代は羽柴秀吉)の備中高松城水攻めに感嘆しているところから始まります。自分もこのような戦がしたいと三成は考えます。そして、後日の忍城攻めでは、諸将を怒らせて大谷吉継にたしなめられても、押して水攻めを行うのです。この冒頭の水攻めの様子といい、忍城の、水攻めといい、ただTV報道を唖然と見るばかりだった私にもあの津波の惨状を思いださせられ、恐ろしく感じるものでした。上映延期になったのもむべなるかな、です。しかし映画のスケールの大きさをあらわす重要なシーンでもあります。すごい迫力でこれまでの映像では表現しきれていなかった「水攻め」の恐ろしさが如実に伝わってきました
 合戦シーンも気迫がみなぎっていました。

 この映画ではどの配役も良くて、映画の成功の理由の一つには配役の妙があると思いますが、やはり主役の成田長親役に野村萬斎氏を迎えたことが大成功のカギだったと言えるのではないでしょうか。野村萬斎さんの持つ、狂言という中世の流れをくむ芸能の素養が映画全編を通して生かされていて、映画のアクセントや要となっています。特に重要な船上の滑稽踊りのシーンなどは言うまでもありませんが、農作業のシーンでの歌も赤ん坊をあやすリズムも、居ずまいや身のこなしも、期待にたがわぬすばらしさ。飄々としているのに眼光は鋭く、でくのぼうらしくずっこけるようなシーンですら長親は只者ではないと感じさせられます。 

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