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2012年11月26日 (月)

劇団四季「ガンバの大冒険」

 劇団四季「ガンバの大冒険」を観に行ってきました。ファミリーミュージカルなのに、大人一人で行くのはためらいがあったのですが、原作者が好きだったので思い切ってチケットを取りました。チケットをとる時期が遅かったので、ずいぶん後ろでの観劇となりましたが、この劇場は前の12列ぐらいがフラット。所謂とちり席があまり見やすくありません。だからと言って後ろの方もあんまり見やすい構造ではないのですが、まぁ、あきらめもつくというものです。私鉄の駅を降りたら劇場へ続く道はお子様連れだらけ。やっぱり・・・と、かなり恥ずかしかったのですが、会場についてみたら大人一人や大人だけ複数というお客さんも結構いてひと安心。

 この演目は初めて観たのですが、友情とか仲間とか勇気とか正義感とかが素直に描かれているストーリーも、合唱コンクールで歌いたいような歌も、胸を打ちます。まぁ、ストーリーは原作自体がすごく良いわけですが、とりあえず変な改作もなく、うまく2時間足らずのミュージカルにまとめられていてすばらしいと思いました。歌詞や曲がとてもよくて、いちいち感動していたのですが、四季のHPで確認したら作詞:山川啓介・梶賀千鶴子、作曲:いずみたく、とあって納得。いずみ宅らしいメロディラインだと思ってましたよ。そしてこのタイプの曲が私は好きなのです。「行こうよ仲間たち」だけじゃなくて全曲、歌詞と楽譜がパンフに掲載して欲しかったくらいです。四季のオリジナルミュージカルの楽譜集とか発売してくれないかなぁ・・・。とりあえず、私の子どもたちが小さかった時にこの作品を見せたかったです。関西公演は久しぶりなのでは?京都劇場でやってくれてたらよかったのになぁ・・・。笑ったり、はらはらしたり、目を見張ったり、とにかく楽しく観劇できてほぼ満足です。

 俳優さんたちは、下に出演者一覧表をのせましたが、みなさん役にぴったりはまっているなぁ、と思いました。私が顔と名前が一致する方々は維田さん、遊佐さん、藤原さんぐらいで、あまりいらっしゃらいませんでした。単に私の物覚えが悪いだけかもしれませんが、ファミリーミュージカルでは、新たに活躍される方、脚光を浴びる方、若手の期待株(?)が見られるのも楽しみの一つなのかな、とも思います。主役ガンバの加藤迪さん、良く通る良いお声です。話す声も歌声も溌溂としていて、好青年という感じ。歌ものびやかでとてもいいと思いました。背も高いしこれからのご活躍が楽しみな若手俳優さんですよね。
女性はみなさん美人さん揃い。滝沢由香さんは他の劇場でも活躍なさっているベテランさんですが、ほかの皆さんは若手とお見受けしましたが合っているでしょうか?坂本すみれさん、役柄通りバレリーナ出身なのかな?バレエのポーズやダンスはもちろんのこと、立ち姿も美しいです。宮田愛さんはヒロインにピッタリのビジュアルに、きれいな歌声。すこし音程がぶれる瞬間もありましたが、繊細なソプラノがすてきでした。

ガンバ 加藤 迪
マンプク 本行里衣奈
ガクシャ 星野元信
ヨイショ 高橋基史
イカサマ 滝沢由佳
バレット 坂本すみれ
シジン 神保幸由
ボンヤリ 藤原大輔
オイボレ 維田修二
忠太 山本 道
潮路 宮田 愛
七郎 遊佐真一
イダテン 沖田 亘
ツブリ/忠太の父  小野功司
ノロイ 平山信二
アンサンブル 森内翔大
  片山怜也
  玉井晴章
  戸高圭介
  大村真佑
  三宅克典

ノロイたちの扮装が、いかにも子どもがおどろおどろしく思いそうなイメージで、なのにダンスがちょっぴりかわいらしすぎてオマヌケに見えなくもない所もまた良くて、オオミズナギドリたちの衣装や所作もカッコよく、いろんな意味で楽しめたのですが・・・・・ クライマックス、潮路がこときれて、私の目からも涙がこぼれてきた瞬間、どこからかケータイのバイブ音が聞こえて、感動台無し・・・。おまけに隣の女性はまだカーテンコールの最中(客電がつく前)にケータイを取り出して眺めてるし。ファミリーミュージカルだから、赤ちゃんが泣きだしても、子どもの声が少々うるさくても許せるけど、大人のマナー違反は許せない!これがなければ「ほぼ満足」じゃなくて「大満足」だったのに!

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2012年11月25日 (日)

宝塚歌劇 星組公演「宝塚ジャポニズム~序破急~」「めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~」「Étoile de TAKARAZUKA]

 宝塚歌劇 星組公演「宝塚ジャポニズム~序破急~」「めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~」「Étoile de TAKARAZUKA」、観に行ってまいりました。私にしては珍しい3か月連続宝塚観劇です。数えてみれば私は2012年の公演は各組大劇場公演をちょうど1回ずつ5回観に行きました。期せずして上手に観に行ったなぁと自分で感心してしまいます宝塚のコアなファンはもちろん、多少なりともファンの方々にとってはの方々にとっては笑止な感想でしょうけど・・・。

Photo


ともあれ、感想です。1年半ほど前に観た「めぐり会いは再び」の続編が楽しみで取ったチケットですが、いわゆる「豪華3本立て」、宝塚のいろいろな魅力が詰まった公演でもありました。

 「宝塚ジャポニズム~序破急~」は和物ショー。3つのパートに分かれたショーで、一つ目は「序 さくら幻想曲」と題されていて、おなじみの「さくら」の変奏曲(さまざまなアレンジがあったように思えましたが)を使って繰り広げられる華やかな感じのショー。二つ目は「破」。さらに「弥勒菩薩」と「千体仏」の2部に分かれていて「弥勒菩薩」では薬師寺の村上太胤師とお弟子さんたちの声明の中、松本悠里さんが舞われます。「千体仏」では「これでいいのか」「どうしたことだ」(うろ覚えで・・・このようなことばでしたが、間違ってたらすみません)と、天部や明王たちに扮したたくさんのジェンヌさんたちが舞台を右往左往される感じの振り付け。そこへ柚希礼音さんの大日如来、夢咲ねねさんたちの菩薩が現れます。あの「千手観音」のような振り付けもありましたが、あれは、ホンマのセンターから観ないと別に美しくも何とも感じないものですね。今まで映像でしか観たことがないのでわからなかったけど。ちなみに席はサブセンターです。三つ目は「急」。滝廉太郎の「荒城の月」をテーマにしたショーで、若衆の紅ゆずるさんが、朗朗と「荒城の月」を歌い上げる所から始まります。やがて場面は変わって天守閣を望む広場。仲睦まじい柚希さん扮する若侍と夢咲さん扮する姫が、戦いによって引き裂かれるというストーリー。そしてまた、紅さんの歌があって、最後に柚木さんを中心に勢揃いして踊る・・・・という流れのショーでした。個人的な感想としては、「さくら」は華やかで、これぞ宝塚の和物という感じ。美しいなぁ、と思いながら観ました。「弥勒菩薩」と「千体仏」は、なんとなく居心地の悪さを感じるショーだと思いました。宝塚の舞台に男声(声明)の太い声が響き渡るのは珍しいことだと思いますので、画期的なショーと感じる向きもあるかもしれませんが、長過ぎて聞いているのが辛かったというのが私の本音です。「千体仏」は光背や五色の彩雲を表現しているような背景に手前のバタバタした感じがどうにもなじめない。「荒城の月」は紅ゆずるさんの若衆がカッコよくて歌が思ったよりずっとお上手でちょっとびっくりでした。お城のシーンは見応えがあったのですが、これが大阪城での豊臣秀頼と千姫の別れの場面をあらわしていたとは、後でプログラムを読んで知りました。攻め手に葵の紋があったのはよく見えていたのですが、なにしろ音楽が「荒城の月」でしたから、仙台か会津かはたまた九州竹田城か・・・何のエピソードだろうと頭を悩ませてしまいました。序・破・急のうち「序」「急」は良かったのですが「破」だけは私の好みには合いませんでした。

 「めぐり会いは再び 2nd』は期待通りの楽しくて可愛らしいラブコメ。女子の胸キュンツボが押さえられていて、見終わってハッピーな気持ちが残る、少女漫画の王道的ストーリー、宝塚にピッタリの明るさを持った小品です。観客席は終始笑い声に包まれていました。前回の公演のメインキャストが同じ役を演じておられるので安心感がありましたし、組替えや退団等で不在の方々の役柄は、この場にいないのが納得できる説明が付け加えられててそれも楽しく感じられました。ドラント役の柚希礼音さんは、ハンサムでかっこいいのはもちろんですが、意地を張ってしまう感じもシルヴィアの真意をつかみかねておろおろする感じも、とってもキュートです。夢咲ねねさんのシルヴィアはカリカチュア的なわがまま姫を嫌みなく演じておられてチャーミング。コメディエンヌの素質ありますね。コメディエンヌと言えばブルギニョンを演じる紅ゆずるさん。実直で人の良い従僕をこのうえなく面白く演じておられます。劇中で「芝居は良いけどダンスは苦手」・・・という趣旨のセリフがあって、客席は大湧きだったのですが、あれは実際の本音なのでしょうか?役者で偽騎士のクラウス役の十輝いりすさん。長らく宙組を観に行ってなかった私は、役名のある彼女を舞台で観るのは初めてだと思うのですが、上背があるというのは良いですね。すごくかっこよく見えました。私はお芝居が好きでショーはおまけぐらい見ていることが多いのですが…45分とはいえ、このお芝居だけでもこの公演は満足といえるものでした。

 「Étoile de TAKARAZUKA」、は、これまた王道的なレビュー。幕が上がると夜空に見立てた瑠璃色の布が敷かれた大階段の真ん中に、キラキラの飾りのついた黒燕尾の柚希さんが立っておられて、ミルキーウェイの真ん中で歌を歌われています。そして左右から布が引かれ、白くてキラキラの大階段が姿を現します。そこを黒燕尾の男役さんたちが紅ゆずるさん、真風涼帆さんのお二人(やはりキラキラの黒燕尾)を先頭に降りてきて・・・。そのあとずっと星にかかわるストーリーや音楽とともにレビューが繰り広げられます。色々とカッコよかったり綺麗だったり楽しかったり目を見張ったりするところがありましたが、あとからプログラムや「歌劇」などを読んで、初めて意味が分かるシーンも多かったです。同じ公演を複数回観に行けば、もっと理解が深まっていろんなシーンが楽しめるのでしょうけど、私にはその習慣がないのでいつも「ショーを観る前に予習しておけばよかった」と悔やまれます。でも事前にさらっと読んでも頭に入らないのよ~。そんな中でも印象深かったのは次の2場面です。一つ目は「Gemini ふたご座」のシーン。紅さんが左は女性の白いドレス、右は男性の黒燕尾という衣装をまとって、女性の衣装が客席側を向いている時はソプラノで、男性の衣装が客席を向いている時にはテナーで歌って客席を沸かせます。もう一つは「Libra てんびん座」のシーンで、英真なおきさんが、英訳された「見上げてごらん夜の星を」を歌われます。

 今回はJCBの貸切公演でしたので、終演後にトップスター柚希さんのあいさつがありました。更にお得感が増した感じです。柚希さんも羽飾りのナイアガラ部分がバサッと前に落ちてくる豪快な礼をしてくださいました。

満足して帰ってきました。

 

 

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2012年11月18日 (日)

ミステリーを堪能「推理作家ポー 最期の5日間」

「推理作家ポー 最期の5日間」…10月は週末忙しい時が多くて、映画はこれ1本しか観られませんでした。舞台は2回観に行ったから仕方ないか・・・。

またまた、1か月以上も前の記憶から引っ張り出しているので

事実誤認があったらお許し願いたいのですが・

 ゴシック・ロマンや推理小説・探偵小説の名作を世に送り出し、ミステリ作家の草分けとしてのちの作家にも大きな影響を与えたアメリカの小説家、エドガー・アラン・ポーの不可解な死の謎を解き明かす、というか物語化したのがこの映画です。エドガー・アラン・ポーは雑誌編集者として働きながら、文筆家として名を挙げ、小説や詩を出版していたのですが、文壇で評価されることなく貧苦のうちに若くして妻を亡くし、自身も40歳で死亡したそうです。亡くなる前は譫妄状態で発見され、なぜそこにいたのか、なぜそのような状態なのかはわからないまま、謎の死を遂げたということです。亡くなる前の夜は「レイノルズ」と言う名をうわ言のように繰り返し呼んでいたとか・・・

 そんなわけで、その死の謎が描かれていきます。

story 1849年、ボルティモア。母と娘が残虐に殺される猟奇殺人が起こり、最初は密室殺人と思われたが、エメット・フィールズ刑事(ルーク・エバンス)がバネを使って開閉する窓の仕掛けに気づき、さらに、これがエドガー・アラン・ポーの小説(『モルグ街の殺人』)の中のトリック、殺人方法と酷似することに気づきます。その頃ポー(ジョン・キューザック)は酒浸りの自堕落な生活で困窮しており、酒場でも、自らが文芸評論を書いていた新聞社でもトラブルを起こしていました。若い恋人・エミリー(アリス・イブ)の父親チャールズ・ハミルトン大尉(『風と共に去りぬ』のスカーレットの最初の夫と同じ名前だけど、別に何のオマージュでもなさそうでした)(ブレンダン・グリーソン)もポーを嫌い、娘にはポーとの交際を禁じています。 エミリーは自分の誕生パーティーにポーを呼び、他の上流階級の人々の面前でポーがプロポーズすることによって、父の許しを得ようとします。ところがその頃別の殺人が起こっていました。殺されたのはポーのライバルである文芸評論家でやはりポーの小説になぞらえて殺されており、ポーに嫌疑がかかります。 さらに、誕生パーティーでエミリーが連続殺人犯にさらわれて・・・

 緊迫感と、謎解きの興味深さ、両方味わえるミステリ映画です。誘拐され閉じ込められたエミリーの恐怖が伝わってきますが、一方でエミリー、感心するほど強靭な精神力の持ち主です。気がふれてもおかしくない状況の中で気丈に耐え、闘おうとさえします。思い入れのできるヒロイン像です。伏線も効いているし、ポーと犯人との対峙など、息をもつかせぬ面白さですが、残虐なシーンが多いのは辟易です。そこまで直接血なまぐさい映像を見せなくても、ストーリーが十二分に面白いのですから、R15にならないような映像表現で作れたのではないでしょうか。残虐表現だけは私の中でマイナス評価。

 エピローグも気が利いてます。ポーの死後もフィールズ刑事は大活躍です。それこそ探偵小説の主人公のように。

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2012年11月11日 (日)

映画「ハンガー・ゲーム」

 まだ9月に行った映画の感想を書いてます

 「ハンガー・ゲーム」。原作の単行本発売時はアメリカ版「バトル・ロワイヤル」なんて宣伝もされてましたし、表紙の絵がラノベっぽくて、「面白いよ」って薦められても、子どもっぽそうで食指が動かなかったのですが・・・、映画の予告編が上手に作られていて、観に行きたい!という気持ちになりました。

 で、観た感想。すごく面白くて、深い物語だなぁ、と。近未来社会派ファンタジー、という感じでしょうか。原作も読んでおけばよかったと思っています。アメリカではベストセラーになっているそうですね。日本では残念ながら映画も本もアメリカでの評判から期待されたほどには売れてないのではないでしょうか?私も今は未読ですが、3部作文庫版で出そろったし、そろそろ読もうかな。映画も3部作になる模様ですね。

 story
 舞台は北米の巨大独裁国家・パネム。首都キャピトルは文明の進んだ美しい都市で、そこに住む人々は私たちの目から見ると奇抜な、たぶん物語世界の中では最高にファッショナブルな装いで暮らしている。ほかの12の地区を隷属させしいたげて築いたと身の上で。
 主人公カットニス(ジェニファー・ローレンス)の住む第12地区は貧しい炭鉱地区。父のいないカットニスの家は貧しくてカットニスの卓抜した弓矢の腕で密猟をして生計を立てている。ジェニファーの恋人のゲイル(リアム・ヘムズワース)は狩仲間でもあり、なにくれとなくカットニスを助けてくれる。
 パネムでは、年1回「ハンガー・ゲーム」という恐ろしいゲームが行われる。12~18歳までの少年少女を12の地区から1人ずつ、計24名選び出し最後の一人になるまで殺し合わせる。それは全国に生中継され、これを見ることも全国民の義務である。ハンガーゲームは過去の反乱への報復であり、二度と反乱を起こさせないための見せしめの意味を持つ。また、キャピトルの富裕層にとっては賭け事の対象であり娯楽でもあった。さらに生き残った者には栄誉と巨万の富が与えられることから、第1地区・第2地区のように戦闘者として鍛え上げられた者が志願して参加する場合もある。
 カットニスの12歳の妹プリムローズは気が小さく、ハンガー・ゲームのプレイヤーに選ばれることに極度に怯えていたが、第74回選考会で選ばれてしまう。カットニスは妹と交代するためにゲームへの出場を志願する。同時に選ばれたのは、12地区の中では比較的暮らしに余裕のあるパン屋の息子のピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)だった。
 カットニスはピータや第12地区プレイヤー付添人のエフィー(キャピトルの住人)、教育係ヘイミッチ(過去唯一第12地区からハンガーゲームで生き残った男)らとともに豪華な列車でキャピトルを目指すが・・・

 いつものようにストーリーをなぞっていくとネタバレの嵐になりそうなので・・・冒頭部分の紹介にとどめますが、本当によく考え練られた物語展開と映像で感心します。夢中で観てしまいました。24人いるはずのプレイヤーは、すぐに死んでしまう子たちもいるので、映画の中でその個性が描かれるのは半数もいないのですが、その子たちの演技も表情も若かったりこどもだったりするのにすごいなぁ…と思いながら観ました。特に第11地区のルーの愛らしさはすばらしい。

 続編が早く見たいです。

  ハンガー・ゲーム [DVD]

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2012年11月 4日 (日)

「コッホ先生と僕らの革命」

 えーと、これも9月に観た映画ですね・・・。頑張って思い出します。

 時は1874年。普仏戦争に勝利し、覇権の機運が高まるドイツ帝国のドイツ帝国の地方都市ブラウンシュヴァイクにある名門ギムナジウムのカタリネウム校が舞台です。軍事教練と器械体操でビシバシしごく体育。ドイツ帝国の勝利を誇らかに教える歴史の授業、教師たちは総じて高圧的で、厳しい校規は生徒をがんじがらめにして、体罰は当たり前のように行われています。ブルジョア階級の中にたった一人いる奨学生のヨスト・ボーンシュテットに対するいじめや偏見も、激しいというより悪辣です。教師からのものも生徒たちからのものも。そんなカタリネウム校に一人の英語教師がやってきます。進歩的なメアフェルト校長(ブルクハルト・クラウスナー)に招かれて、留学先のオックスフォード大学にからドイツ初の英語教師として帰国のはコンラート・コッホ(ダニエル・ブリュール)。のちにドイツサッカーの父と呼ばれる人物です。

 赴任早々、コッホは生徒たちのイギリスに対する偏見や英語への無関心、クラスの不団結(ヨストに対する差別)に悩まされることになります。彼はその打開策として生徒たちを体育館に連れていき、サッカーを教えます。コッホは留学中にサッカーというスポーツを愛するようになり、ボールを持って帰国していたのです。見様見真似ながら、サッカーに夢中になる生徒たち。コッホはdefense、offenseなどなどサッカーの試合で使うような用語を使って(right・leftなどの基本単語も出てきます)英語の授業を進めていきます。ヨストはサッカーに才能を示し、クラスの仲間に溶け込み始めます。

 しかしそれを良く思わない教師や牧師、親たちによってサッカーは禁止となります・・・。

 私は学園もの、特に明るい結末の学園ものが大好きなので、予告編で観て「必ず観に行こう」と決意して、観に行きました。とても面白かった。ワクワクして観ました。、信念を曲げないコッホ先生のすばらしさを、ダニエル・ブリュールが好演していました。子どもたちの演技も、ガチガチの校規の下での表情と、サッカーをしている時の表情の対比がすばらしく良かったと思います。

 ただ、1つのクラスの中で、ヨストとクラス委員のフェリックスとの体格が違いすぎて、本当に同じ学年なの?という疑問を持ちました。ヨストはほかの生徒たちと比べても小さくて童顔で、小学生と言われても納得するぐらい。貧しいから食べ物が悪いのか?一方父親が厳しすぎて、ヨストをいじめることでうっぷんを晴らしている(そして強い教師等の前では優秀な生徒の典型を演じている)フェリックスは、家のメイドと恋愛沙汰を起こしてしまうぐらい大人びています。ほかの子どもたちは同年代に見えるので複式学級ではないでしょう。ちょっと不思議には思いましたが、物語の感慨を妨げるというほどではありません。

 「ドイツサッカーの創始者」・コンラート・コッホ氏が主人公で、実話をもとにしているということですが、実際のコッホ氏はイギリス帰りではなく、ドイツ語と古典語(ラテン語?ギリシャ語?)の教師だったそうです。

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