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2012年10月 7日 (日)

映画「天地明察」

 どうも映画見学記を書くのは遅れがちになってしまいます。でも、前みたいにブログがストップすることがないように頑張って思い出しつつ書き綴ろうと思います。

 映画「天地明察」は原作がとてもよかったので、映画は制作発表されていた時からとても楽しみでした。どのぐらい原作を面白く読んだかというと、単行本で読んで、また文庫本で精読し、読書会もやったというぐらいです。単行本で指摘されていた和算関係の誤記が文庫では訂正されているのもチェックしました。 映画は基本的にこどもと一緒か一人で観ている私には珍しく、友人と待ち合わせて観ることに。もちろん彼女も原作ファン。終わった後はランチをしながら映画評。こういうことができると、連れ立っていくのも良いなぁと思います。一人だと気ままな時間に観に行けるので、ついつい一人で行動しがちな我儘な私ですが。

 そんなわけで、もう20日以上前になってしまいましたが、映画は初日に観に行きました。友人と話していたチェック点のひとつが「算額絵馬」。一般的に「算額」というと神社仏閣の社殿などに飾ってある大きく立派なものを想像してしまうのですが、今の、願い事(○○大学合格!とか)が書いてあるような小さい絵馬に筆と墨で漢字で和算が書いてあるのだろうか??スペースは足りるのかな?「からん、ころん」と鳴る形態なのだろうか・・・ということ。あと、再現されているであろう江戸時代の和算の道具や測量器具や渾天儀などのビジュアルが気になっていました。いずれも活字だけでは想像しにくいものだからです。

 算額絵馬は・・・ちゃんと「からん、ころん」鳴っていましたね。やや大ぶりの絵馬ですが現代の絵馬と同じような形でした。算木や測量器具なども「おお、これが、あれか」と楽しんで観ました。想像していたよりも大きくて立派なものが多くて、こういったものたちを見られただけでも満足・・・といえるかもしれません。エンドクレジットを見ると、天文・暦・歴史・和算・囲碁・公家ことば・珠算等々たくさんの、いろいろな分野の監修者や指導者の名前が出ていました。すごく工夫して作られた映画なんだと思います。

 俳優さんも豪華でした。主役の安井算哲を演じる岡田准一さんはもちろん熱のこもった演技で算哲の一生懸命な生き方を好演されていたし、えんの宮崎あおいさんは可愛らしかった。けれど、同じくらいかそれ以上にベテラン俳優の演技が光りました。ちらっとしか出ないところにもスター級の役者さんたちが揃っていましたし。特に水戸光圀(光国)役の中井貴一さんがはまり役でしたね。『光圀伝』の映像化の布石かなのか?とも思いました。どうなんでしょう?? 北極出地で元気に歩測する建部昌明と伊藤重孝を演じる笹野高史さんや岸部一徳さんもさてこそと思わせる演技。それから時代劇には歌舞伎役者さんが出てこられると身のこなしなどがやはりほかの役者さんこなれていて、ピタリと決まっていてすばらしいと思いました。激しい気性の関孝和役を熱演されていた市川猿之助さんは、チラシでは「亀治郎」と表記されていたので「亀治郎」としての最後のクレジットが出るのか?と思っていたら「猿之助」でした。嫌な公家を情趣たっぷりに演じておられた市川染五郎さん、お怪我の具合はどうなのか気になります。松本幸四郎さんはやはり御大という感じで保科公を格調高く演じておられました。このほかにも高麗屋から3人ほどのお名前がクレジットに出ていました。松本幸太郎さん、松本錦弥さん、松本錦一さん。そしてキャストの最後の方に原作者「冲方丁」さんのお名前が・・・。カメオ出演という感じでしょうか?どんな役をされていたのでしょう?

 さて肝心の映画の内容ですが・・・やっぱりストーリーは原作の方が良かったかな。北極出地まではとてもわくわくしたのだけど、そして最後の天文比べのような部分もとても面白かったのだけれど、途中がちょっと冗長でした。ところどころ「ハッ!」とする場面もあるのだけど、なんだかぼんやり画面を見てしまう時間が続いた気がします。算哲が色々葛藤したりしている部分などを娯楽映画として退屈させないようにするのは物語の扱い的に難しいのかな。小説はとても面白く読んだんだけど・・・。あと、算哲の妻をえんひとりにしたことで、えんの男勝りで激しい気性が薄まって、少しつまらない気がしました。ことさんも出してほしかったけど、そうするとまた映画が冗長になってしまうのか・・・。あと、小説で、いいな、と思ったセリフで、いくつか映画には生かされていなかったものもあったのが不満ではあります。

 とはいえ、とりあえず全般的に見てよかった映画のうちに勘定しても良いのではないでしょうか。原作も読んでね、という条件付きで。

 

 

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