映画「鍵泥棒のメソッド」
この映画も先日書いた「天地明察」と同じく、先月の公開日当日に観たのですが・・・。「観たい」「読みたい」(「観た」「読んだ」)を優先すると「記録する」時間が生まれてきません・・・。困ったもんだ。毎週3連休にしてほしい・・・なんて、怠けもの過ぎ?3連休であってもやっぱり書けない気もします。
さて、「鍵泥棒のメソッド」、すご~~く楽しく観ました。オススメ度満点です。個性的な役者さんたちが癖のある登場人物を演じて、物語の展開も、伏線が張り巡らされているのに、予想を上手に裏切ってくれて・・・。笑えるシーンがいっぱいです。この映画は何の先入観もなしに観に行くのが良いと思います。ユーモア、エスプリ、ウィットなどなど、そういう言葉がいっぱい詰まっています。
ネタバレも書くかもしれないストーリー紹介(1ヶ月前の記憶なので記憶違いならお許しを)
売れない役者の桜井武史(堺雅人)は失恋と貧乏のため首つり自殺をしようとするが失敗。汗をかいてしまったので身一つで銭湯へ。洗い場の隣の男から無断で石鹸を失敬しようとしてまたまた失敗。石鹸は洗い場の床へと落ち、そこへ入ってきたコンドウ(香川照之)がその石鹸を踏んで盛大にすっ転び頭を強打、気を失ってしまう。貧乏の極みの桜井はとっさに、コンドウが落した銭湯のロッカーのカギを自分のとすり替え、脱衣場へ。コンドウの服を着てたっぷりお札の入ったコンドウの財布を持ち、コンドウの外車に乗って帰ってしまいます。コンドウの金で、滞納していたアパートの家賃や友達の借金を払い、別の人と結婚間近な元彼女のマンションに行き・・・。
翌日桜井はコンドウが運ばれた病院にコンドウの服や荷物などを持って、謝罪に向かうが、コンドウは記憶喪失になっており、桜井の服のポケットにあった税金の督促状から、自分は桜井だと思い込んでいます。桜井はコンドウに自分のやったことを明かさず、これ幸いと羽振りの良さそうなコンドウに成りすますことにして、そっと病院から抜け出してコンドウの高級マンションに向かいます。
自分が桜井だと思ったままコンドウは勝手に退院し、桜井のぼろアパートに向かいます。その途中に出会った水嶋香苗(広末涼子)という女性に出会います。香苗は出版社の編集長として活躍している優秀な女性ですが、ちょっとズレた感覚の持ち主でもあります。子どもの頃から頑張り屋で計画的に勉強をしてきた延長でそのキャリアを築いてきたため、結婚さえも努力をすれば思い通りに計画的に実行できると思っていて、相手もいないのに結婚式の日だけを先に決めて日々努力(?)している最中なのでした。職場のみんなもその婚活を見守ってくれている感じ?
香苗は記憶喪失というコンドウの立場に同情して、アパートに行って何くれとなくコンドウの世話を焼くようになります。コンドウはきれい好きと見えて、だらしない桜井の汚部屋をまず掃除し始めます。(あとで自分の部屋に帰った時桜井がだらしなく散らかしていたりタバコを吸っていたり・・の状況にうんざりし、文句も言っています)
コンドウのマンションの、高級服ばかり整然と並ぶクローゼットの中で桜井は名前と肩書きの違うたくさんの身分証明書を発行します。実はコンドウは誰も素顔を見たことがない「伝説の殺し屋」だったのです。桜井はコンドウに成りすましているばかりに、殺しを請け負わなければならなくなってしまいます。一方、コンドウは自分を35歳の売れない役者と思い込んでおり(香苗に35歳だと告げるときに「見えませんよね」と言っていて、笑えました)、演劇論を勉強するとともに、貧乏生活から脱出するべくまじめにアルバイトも始めます。
・・・さて、殺しを請け負わされた桜井はどうするのか、コンドウの記憶はいつ戻るのか、香苗の結婚計画は??
推理小説的な展開もあって本当に笑えました。
中心人物の3人はいずれ劣らぬ演技派ぞろい。ちょっとした表情も可笑しくてさすがでした。まぁ、桜井は憎めないけどしょーのない奴ですね。堺さん、好演してます。特に表情の動きがね、いいですね。 コンドウは、最初の登場時には、いかにも裏稼業をしている感じの高級車・高級腕時計を持った強面で自身たっぷりの男だけれど、記憶喪失時にはまず、世に身の置き所のない感じを漂わせ、それからまじめで気の良さそうな雰囲気を身にまとい・・・と、香川さんの名優ぶりを一つの映画の中で堪能できます。記憶喪失時もそうでないときも変わらないのは几帳面で仕事に細心の注意を払って取り組むところでしょうか。
広末さんの香苗もまじめなのに可笑しくて可愛いキャラが、これまでの私が観た広末さんのどの役よりも、私は気に入りました(というほど広末さんの出演作をたくさん見ているわけではないですが)。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 記事を更新しないと!(2020.08.27)
- 「キャプテン・マーベル」(2019.05.02)
- グリーン・ブック(2019.03.31)
- マスカレード・ホテル(2019.03.31)
- ファーストマン(2019.03.17)
コメント