月組 「エドワード8世」「MistyStation」
宝塚月組 「エドワード8世」「MistyStation」を観てきました。
月組の観劇は「スカーレットピンパーネル」以来。・・・ということは霧矢大夢さんがトップを務めておられる公演は、大劇場お披露目公演と退団公演しか観てないってことになりますね・・・。まぁ、それもめぐり合わせでしょうか。瀬奈さんがトップの時には各公演ほぼ観に行ってたので、霧矢さんも結構好きなスターさんでしたが。
今回は阪急交通社の貸切の日がたまたま日程が空いていたので観に行こう!って思いました。エドワード8世という演目からして、退位のお話→きっと退団されるんだなぁ、もう一回ぐらいは観ておきたいなぁ…という思いでチケットを取ったんです。ちなみに今回貸切公演の司会は鼓英夏さん。ちょっと噛んだところもありますが、なかなか上手な司会っぷりでした。
ミュージカル「エドワード8世」は、作中BBCのアナウンサー(プロデューサー?)・ガイ・バージェスを演じる龍真咲さん(たぶん)のアナウンスから始まります。撮影禁止とかケータイ電源オフとか前のめりにならないとか、そういった注意事項のアナウンスです。普通事務的に行われるところですので、まだお芝居が始まっていないそんなところから、芝居がかりで始まったのが楽しく感じました。普通はトップスターさんの「只今より・・・」というアナウンスから始まるものだと思いますが、その部分も、アナウンサーがゲストならぬ主役を紹介するという形で始まりました。
「王冠を賭けた恋」として有名なエドワード8世(デイヴィッド、のちにウィンザー公)とウォリス・シンプソンとの物語ですが、このミュージカルでは、エドワード8世の葬儀のときからお話が始まります。インタビュアーに対して「彼がいなくてはどう生きていけばよいのか」と泣き崩れるウォリス(蒼乃夕妃さん・・・髪型、ひっつめない方がもっときれいに若々しく見えると思うのに~)に、亡霊(?)のエドワード8世が皮肉たっぷりに「嘘泣き」と指摘して・・・。なかなか面白いはじまり方です。
ただ、そのあとが今一つ。登場人物が歴史的に興味深い実在の人物ばかりなので、物語の背後(ナチとの関係とか、チャーチルの政治的立場とか、描かれてるんだけど、このミュージカルだけではわかりにくい。予習が必要)が描かれていると、もうすこしストーリー全体に厚みが出たのかもしれませんが、1時間半ほどのミュージカルでは、そこまでは描ききれなかったのか、竜頭蛇尾な終わり方に思えました。淡々とお話が進んで大きなクライマックスを作りきれなかった感じ。退位宣言のラジオ放送前に霧矢さんが思い入れたっぷりの迫力で歌うソロがクライマックスともいえるかもしれませんが・・・。そもそも大きな感動を生みにくい素材だったとも思います。その中でみなさんが好演されていたことは確かなんですが・・・
まっ、現イギリス女王・エリザベス2世の伯父の話、20世紀の話なので、服装も普通の背広や現代的なスーツが多いのですが、王子たちの正装の軍服などでコスチュームプレイも楽しめるし、この主題・この長さということを考えれば佳作といえると思います。私は映画「英国王のスピーチ」を思い出しながら観ていました。のちのジョージ6世の役の方、話し方の特徴を、上手に表現されていたと思います。
エドワード8世とウォリスの話をいつごろ自分が知ったのか・・・は覚えていません。お話として読んだのは蒲生総さんの『ガーター騎士団』(あすかコミックス)第1巻に収録されている「Wallis ウォリス・至上の恋 永遠の愛」ででした。このマンガにも「セントラルヒーティング」のエピソードが載っていましたよ。表現は違いますが。この本は歴史好きには面白いのですが、今は絶版です。残念なことです。
ショーの方は初めにアニメが映写されてびっくり。なんなのでしょう?幕が上がると中折れ帽にロングコートにトランク・・・ダンディの見本のような霧矢さんが列車で旅立つ、というシーンから始まります。全体的に群舞が多く躍動的な感じのショー。群舞の衣装は臙脂か深緑色の無地布と、タータンチェックの取り合わせで、女子高生の制服か某アイドルグループの衣装か・・・とも見えなくはない。ですが、ミュージカルの方のイギリスつながりでチェックなのかな?とも思いました。だったら、グレンチェックの方がエドワード8世らしいけど、グレンチェックじゃ地味だからやっぱり色目的にタータンチェックなのかな、スコットランドも英国のうちだしな、なんて思いを巡らせながら観ていました。
私の注目点としては、蒼乃さんの剣をとって戦う姿がかっこよかったです。青樹泉さんも今回で退団だからでしょうか、銀橋で「風」を歌うという見せ場があり、なかなかかっこいい。
全般的に霧矢さんと蒼乃さんの絡みが少ないように感じましたがどうでしょうか?蒼乃さんと龍さん、ときどき明日海さんというシーンが多かったような気がしますが・・・。例によって、ショーは途中でつい意識が飛んだ数秒間があるので、勘違いかもしれません。
霧矢さんの「MyWay」は一節だけでも流石の歌唱力を感じましたが、一節だけだったのが聞き手としては残念。聞きごたえのある歌声と曲なので、フルコーラスとは言わないまでも1番だけでも歌い上げてほしかったです。
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