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2012年2月29日 (水)

「ミュージカル ハムレット」

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 日曜日、井上芳雄さん主演のミュージカル(ロック・オペラ?)「ハムレット」をシアタードラマシティに観に行ってきました。

実は、会場に行くまで、メインホールだと思い込んでいて、メインホール、開いてないしなんで?と思ってキョロキョロしていると、「ハムレットはシアタードラマシティーです」的な案内看板が・・・。いや、きっとあわてものは私だけじゃないんだ、とホッとしました。

余談はさておき、この作品、音楽がとてもいいです。「ロック・オペラ」とされているけど、いろんな曲想があって、ラテン的なのもあって。難を言うと三重唱以上になると全く歌詞が聞き取れなくて(二重唱も危うい)・・・、歌詞カードがほしかった。日本語CD出ないのかなぁ?レアティーズとオフィーリアが歌う曲で「sister」「brother」と呼びかけあうのはちょっと違和感。もっと良い和訳の仕方はなかったのでしょうか?

 で、ストーリーですが、かなり端折ってあります。「ハムレット」をシェイクスピアの台本通り演じると5時間ぐらいかかるとプロフラムに書かれていましたが、それをスト・プレより時間のかかるミュージカルにして、休憩込で2時間余。実際には1時間55分ぐらいだったかと思います。ハムレットが内奥的に悩む暇もなく悲劇へ突き進んでいく感じです。超有名なせりふ「尼寺へ行け」の登場はびっくりするほど早い段階でした。同じく超有名な「to be or not to be・・・」(生きるべきか死すべきか・・・)は聞き漏らしたみたい? 「生きたい」と歌うナンバー「Be , not be」は違うよね?

ハムレット:井上芳雄さん・・・黒づくめの衣装がよくお似合いで、歌も姿もバッチリです。出ずっぱりで歌っていても全然歌にも演技にも綻びはありません。音域も広-い!テナーの音域よりもっと高音が多い曲がいくつかあったので、ファルセットを多用しているように聞こえましたが、どうなんでしょう。狂乱の演技のシーンは口の中を平たくして歌っているような感じでした。あんな歌い方なのに巧い!

オフィーリア:昆夏美さん・・・「ロミオとジュリエット」はフランクさんの時に観たので、昆さんは初見。若いけど歌はとっても上手~。清楚な感じがオフィーリアにピッタリでした。白いスリップドレスも、ハムレット母の結婚式の時の白いドレスもすごくキュート。でも狂乱の場面(身投げ前)の白シャツのみボトムなしは・・・・ちょっと美意識としていやです。父か兄のシャツを着ている設定なのでしょうか?短すぎてかわいくない!もう一度スリップドレスでもいいのに・・・。このシーンの歌い方はハムレットと同じ口の中を平たくして歌っている感じですが・・・こっちはもう少し工夫が必要な感じ。

レアティーズ:伊礼彼方さん・・・エラソウニ書きますが、以前ルドルフやラダメスで拝見した時より、相当成長の跡がみられる、歌にも演技にも磨きがかかっていると思いました。ハムレットとの決闘シーンも見ごたえありでした。

ホレーショー:成河さん・・・ミュージカル出演が初めてとは思えない。歌うまい。ハムレットに寄り添い、励ましているホレーショーの役自体も良くて暖かな人柄が出ていると思います。

ポローニアス:山地和弘さん・・・ちょっとコミカルなところもある大臣、親としては二人の子の幸せに心を砕いてる・・・そんな役がぴったりおさまっていて脇に良い役者を配しているという感じ。「He's Crazy」の時、途中から後ろに衛兵たちを従えて歌い踊るシーンがあって、ちょっと劇団四季の「アイーダ」のゾーザーとその軍団を思い浮かべました。衛兵たちの衣装も色合いは黒だけども、ロングコートといういでたちが似てたしね。そうそうこの衛兵たち遠目では全く分からないけど、オペラで観たら半数は女性だったのでびっくり。最期に絨毯に潜り込む演出はいかがなもんか?やはりカーテンのかげだよねぇ・・・。

ガートルード:涼風真世さん・・・美しい。魔性の女っぽいところとハムレットの良き母でありたいところとを併せ持つところがちゃんと演じられていてハマリ役。美貌も歌唱力もさすがに第一人者だと思います。それにしても私が涼風さんを観るときはいつも女王かお妃役ですねぇ・・・。ほんまにハマリ役ですよ。

クローディアス:村井國夫さん・・・悪人だけど神を畏れる心もある役。人間臭い悪役でした。この方もさすがベテラン。

 

 蛇足 観劇中ケータイを鳴らした人がいていやでした。私は後方席だったので何人かがケータイの画面を光らせているのも目について、なんだかなぁ、と思いました。

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2012年2月26日 (日)

わらび座「アテルイ 北の燿星」

 先週ですけど、京都会館第2ホールでわらび座のミュージカル「アテルイ 北の燿星」を観てきました。

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写真は公演のチラシ、当時使ったお土産のお菓子とCDです。

 わらび座を生で観るのは久しぶりだったし(前回観たのは2007年2月の「義経」でしたココに感想書いてます)、原作の小説が大好きなので、楽しみにして行きました。

 まずは6台の大太鼓の演奏、勇壮な音色から始まるプロローグ。民族歌舞団として創立されたわらび座の面目躍如といった感じです。力強いです。

 天鈴が蝦夷についての解説をします。先住の蝦夷たちを弾圧する渡来民族の大和朝廷。都の貴人の前に引き据えられた蝦夷たち。彼らを獣のように扱おうとする貴人に怒る蝦夷。

 「蝦夷(エミシ)の住む日高見の国ほど、この世に美しい国があろうか。日高見こそ我がまほろば・・・」美しい国での平和な暮らしを歌い上げる蝦夷たち。でも黄金を産することを知った大和政権が、陸奥の覇権を目指して攻めてきます。逃げ惑う蝦夷たちにアテルイは「待て、闘え」と歌います。そして・・・。

 上下2冊の原作小説を、休憩なしの2時間ほどの舞台にしているので、正直原作ファンにとっては物足りなかった感があります。蝦夷を蹂躙する都の兵が実際にはほぼ出てこないのも同然なのも、舞台の迫力に欠ける気がします。佳奈への田村麻呂の恋、タキナのアテルイへの恋(原作にないのでは?)より、もっとこの物語に重要なエピソードがあったのでは?と思わずにはいられません。

 それでも歌や殺陣などの所作はさすがにみんな上手い。聞き惚れますし、見惚れます。大人の背ほどの直径の大大太鼓や、剣舞(鬼剣舞?)などは迫力・見ごたえともに十分でした。

 わらび座初見の知り合いは「良かった、すごかった~」っと言ってたので、原作を知らない方が素直に楽しめたのかもしれません。余談ですが、その知り合いはマチネに行ったんですが、京都劇場の周りに「チケット譲ってください」という看板のようなものを持って立っていた人がたくさんいたので、わらび座ってそんなに人気の劇団なのか、と驚いていたら、実は第一ホールの方でGLAYのコンサートが夕方あるからだったんだとか・・・。私はソワレに行ったので、すでにGLAYファンの皆さんはホールの中、静かなもんでした。

 

 私だけの事情としては、この機会に同行の娘が、原作を読んでくれたので、そこんとこは収穫でした。なにせ、歴史小説時代小説の類はなかなか読みませんからね~。

 このミュージカルの原作『火怨』もおすすめですが、前日譚ともいえる『風の陣』、後日譚ともいえる『炎立つ』もおすすめです。

とはいえ、娘も『風の陣』と『炎立つ』は長すぎると言って、読んでくれなかったけどね・・・。

 

 あ、キャスト書くの忘れてました。

アテルイ:戎本 みろ

坂上田村麻呂:宮本昌明

佳奈:遠藤浩子

タキナ:上野まゆ

しか、チラシには載っていません。

パンフレット(プログラム)などがなかったのも残念でした。

CD(2004年東京公演バージョン)では戎本さんはヒラテでしたね。

脚本は 杉山義法、演出は中村哮夫 

いずれも敬称略です。

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2012年2月15日 (水)

映画「ロボジー」

 週末に観に行った映画です。ワタシ的には別の映画を観たかったのですが、娘と行ったので消去法でコレに。一言でいえば「あ~オモシロかった」という感じ。

「ロボジー」・・・「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」などの青春映画で有名な矢口史靖科監督・脚本の新作コメディ映画です。その2作も「ハッピーフライト」もみんな面白く鑑賞できましたので、今回もなによりも「オモシロさ」を期待して観に行きました。

 期待にたがわず、楽しめました。ただ、最初(工房で3人が寝くさっているとき)と途中(バレそうになったとき)の、ロボット開発部の人たちのよだれや嘔吐が汚い。こんなもので笑いを取ろうとしなくても、十分に面白い映画なのだから、生理的に不快になるような映像は不要。やめてほしい。

 ストーリーは・・・

 冒頭、3人の男たちが会社の一角で、疲労困憊なのかやる気がないのか爆睡している・・・。白物家電のメーカー木村電器で、社長の突拍子もない思い付きで3人の社員に「2足歩行のロボットを作れと命令がくだったのだ。理由はロボット博覧会に出ればCMより安く会社の名前が売れるから。全く専門外の3人だが、奮闘努力(をしただろうと思われる)の結果、人型のロボットの躯体は出来上がっていた。でも動かすことはできていなさそうに見える。と、ロボットにつないだパソコンにものをこぼして、なんらかの作用があったらしく、ロボットは二足歩行をし始める。タッタッタッタと速足で歩いた勢いで、窓から飛び出してしまい、ロボットもPCも大破・・。ロボット博覧会は1週間後だ。作り直しはできない。弱った3人が考えた解決策は、ロボットの内側に人に入ってもらうこと。ちょうどロボットのサイズに合う人を探すために架空のヒーローショーオーディションを行うが・・・。ロボットの内側に入ることになったのは、偏屈なために孤独をかこっている老人。なんとか老人にも社長にもロボット博参加者にも真相を気づかれずにその場はやり過ごす3人だったが・・・。

 

 どんどん有名になってしまうロボット「ニュー潮風」の始末はどうつけるんだろうか、いつかバレタとき3人はどうするのか・・・とドキドキして観ていましたが、大団円と、お約束のような次なる問題が待っていて、最後まで楽しめましたし、後味もよかったです。こう来たか、あれが伏線だったのか!と快哉しました。

 個性的な役者さんばかりでしたが、私が誰より好印象を受けたのはハイテンションなロボットオタクの女子大生を好演していた吉高由里子サンでした。

ノベライズも読んでみようかな・・・。

(実は「ウォーターボーイズ」も「スウィングガールズ」も「ハッピーフライト」も映画とノベライズ両方楽しんだクチです)

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京都劇場「マンマ・ミーア」

先週末、京都劇場へ「マンマ・ミーア」を観に行ってきました。

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京都劇場、もう10年もたったんですね。ここでの劇団四季公演はマジョリン以外は全部観てるかな?

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京都劇場の「マンマ・ミーア」は2回目です。1回めは開幕すぐのころ。大阪で観た分を合わせると8~9回目ぐらい?かな?それで、昨秋も、そして今回も、やっぱり「マンマ・ミーア」って作品が大好きだ~と再認識。何度も観に行ってるのに全然飽きないし、眠くもならないし(すみません、ほかの劇団も含めて、いろいろな作品が悪いわけではなくいつも睡眠不足で観劇に行ってる私が悪いんです、いや私を睡眠不足にさせる仕事が悪いのかも…)、いつも楽しいし、それだけでなく、感動したり共感して涙するような曲もあるし、最後にはハッピーな気分で帰ることができるしサイコー!
 昨秋のキャストでは樋口麻美さんのすごくパワフルで若さいっぱいのドナに圧倒されました。ただ、20歳の子どもを持つ母にはまだ若すぎる気もしましたが。きれいですてきすぎるママ。まさに「昔のままのドナだ!」のセリフがその通りって感じでした。また、佐野さんのハリーも初見でしたが、優しそうで、歌がとってもうまくて、あのラウルやビーストやファントムでもステキだった佐野さんにこの現代劇でも歌っていただけるというだけでなんだか得した感じでした。

 今回の観劇では、前回の観劇時から主要キャストとしてはドナ・ハリー・スカイ・エディが変更。丹下さんは私が大阪で観たときの9割はエディとしてご出演だったので、またここで丹下さんエディに出会えてうれしい感じです。

ドナ=鈴木ほのかさん・・・10年ほど前当時の梅田コマ劇場で大地真央さんの「カルメン」を観に行ったとき、純真なミカエラの役で拝見して以来です。年齢的にはドナ役にぴったりだし、ターニャ役・ロージー役・パパ達役の皆さんとのバランスもぴったり。娘のソフィーとの年齢差も。だけど、溌溂さでは若い樋口さんに譲るかなぁ・・・。でも歌もお芝居も満足できるドナでした。ドナは保坂知寿さんがあまりにもはまり役だったので(大阪では1回だけ久野さんに当たりました)、ほかの人が演じるのは、ちょっと違うな~~と思っていたのですが、樋口さん鈴木さんともにすてきなドナです。

ソフィー=谷口あかりさん・・・小柄でかわいらしい。猫のイメージのするソフィ。大阪で観たときには樋口さん・吉沢さん以外のソフィーは私にとってはビミョーだったのですが、谷口さんはお二人に次いで好きなソフィーかも。

ターニャ=八重沢さん・・・どうやってあの美しいスタイルを維持しておられるのでしょうか。今回、「マンマ・ミーア」初見の何人かの同僚と一緒に観劇したのですが、事前に「元タカラヅカの人が出る」と言っておいたところ、全員が八重沢さんが元タカラヅカだと思い込んでいました。上背もあるしね。

ロージー=出雲さん。劇団四季で出雲さんに出会えるなんて、感激でした。ロージーだけじゃなく、四季でいろいろ活躍してほしいです。ついでに、ほかの元ジェンヌさんたちも四季に出演してほしいな。出雲さんとは月組のご縁、そして姉妹のご縁もあるし、霧矢大夢さんも四季に誘っていただきたいなぁ・・・。

サム=荒川さん。荒川さんは何を演じてもさまになる。さすがに元アイドルだけあって、魅力的に見せるのも上手だと思います。

ビル=脇坂さん。脇坂さんといえば、ゾーザー軍団のカッコイイダンサーぶりが目に焼き付いています。セリフのある役者としては・・・10月に拝見した時はちょっとぎこちない感じがしましたが、今回はすごく自然な演技に見えました。タッパもあるし、ちょっぴり小心だけどワイルドでカッコイイビルにピッタリでした。

ハリー=味方さん。洒落じゃないけど、味のあるハリーです。実はバリバリの銀行マンだけど、島に来てほっこりしている優しいハリーのイメージにぴったりです。

スカイ=竹内さん。「嵐の中の子どもたち」でケンを演じていた方ですね。私は大阪では鈴木涼太さん以外のスカイにはちょっぴり違和感がありましたが・・・、竹内さんのスカイは安心して観れました。無事世代交代できてよかったです。

ペッパー=一和さん。楽しく観れます。竹内さんがケンなら一和さんがボブ、と「嵐の中の子どもたち」つながりかな?とも思えますが・・・。秋に観たときは、「サウンド・オブ・ミュージック」のロルフに続いてまた一和さんを観て・・・というタイミングでした。いろんな役にどんどん挑戦中の若手期待株、という感じですね。

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今日、劇団四季のHPを観たら、今週のサムは阿久津さんになっていました。阿久津さんのサムも見てみたいです。次に観る予定は3月なんですが、その時まで阿久津さんがいてくれるでしょうか?できればドナは樋口さんで。

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おまけ画像・・・10月に観に行った時に貰ったペーパーバッグとチャーム、それと記念に買ったキーホルダーです。

アンサンブルの方々を含めたキャストは下記のとおりです。

                                                                                                                                         
 2011年10月末の出演者2012年2月上旬の出演者
ドナ樋口麻美鈴木ほのか
ソフィ谷口あかり谷口あかり
ターニャ八重沢真美八重沢真美
ロージー出雲 綾出雲 綾
サム荒川 務荒川 務
ハリー佐野正幸味方隆司
ビル脇坂真人脇坂真人
スカイ鈴木亮太竹内一樹
アリ朴 悠那朴 悠那
リサ若菜まりえ若菜まりえ
エディ大塚道人丹下博喜
ペッパー一和洋輔一和洋輔
男性
    アンサンブル
黒川 輝黒川 輝
平田郁夫平田郁夫
相良昌彰ハンドコ・
    アクアリオ
ハンドコ・
    アクアリオ
南圭祐
南圭祐正木棟馬
杉原剣新井俊一
正木棟馬深堀拓也
女性
    アンサンブル
平田曜子平田曜子
小島由夏小島由夏
山中由貴山中由貴
岡本瑞恵大槻純子
大槻純子岡本瑞恵
小菅 舞小菅 舞
観月さら谷真梨子

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2012年2月 8日 (水)

『小太郎の左腕』和田竜著

 和田竜さんの著書は、『のぼうの城』を発刊当初読んで以来2冊目です。

史実をもとにした(実在の人物を描いている)『のぼうの城』も面白かったけど、時代小説の『小太郎の左腕』もなかなか含蓄があって面白く読めました。

 物語の始まり(第1章の2)に1556年と具体的に年号も書いてあるものだから、一瞬、史実をもとにしているのか、なにかモデルがあるのか、とググってしまいましたが、巻末の解説にちゃんと「架空の事件と人物」と書いてありました。

 1556年といえば桶狭間の4年前、鉄砲伝来の13年後。そんな時代の山多き地方で、付近の国人領主の頭領・戸沢家の領内に猟師の祖父と少年が住んでいた。祖父の名は要蔵、少年の名は小太郎。小太郎は11歳にして6尺を超える丈夫ながら、その心はあまりにも純真すぎて、近隣の悪童からは小馬鹿にされていた。

 一方戸沢家には林半右衛門という猛将があったが、彼に仕える養育係の三十郎は半右衛門が35歳になり「万夫不当の勇士」とたたえられるようになってもまだ彼のことを「坊」と呼んでいた。「坊」は領民たちからも「坊殿」などと言われて慕われている。三十郎は左構えの銃を酒井の鉄砲鍛冶に頼んであつらえて、来るべき戸沢家の鉄砲試合に「今度こそ」と闘志を燃やしている・・・。

 次期領主とされる戸沢図書の用兵の失策により、隣国との戦いで、大けがをした半右衛門は要蔵に助けられる。要蔵は三十郎の鉄砲に興味を持つ小太郎に狼狽し、小太郎に、この鉄砲は決して触ってはならぬと厳命する。小太郎は半右衛門に「鉄砲試合に出たい」と頼むが・・・

 やがて戸沢家では攻め込もうとする隣国に対して、鉄砲試合を行って方策を見せつけるとともに、半右衛門の反対を押し切って籠城戦を行うことになる。籠城は次第に長引き悲惨な様相を呈するようになってきて、半右衛門は起死回生の一策に出る・・・。

 

 半右衛門や、隣国の将・花房喜兵衛の潔さが小気味よいです。そして目覚めてしまった小太郎が不憫です。

 気負わずにサッと読めますし、時代小説に慣れない人でも大丈夫です。この本も映像化されるといいな。・・・そういえば映画「のぼうの城」はいつ公開されるんだろ?

 

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2012年2月 5日 (日)

「ペントハウス」

映画「ペントハウス」ベン・ステイラー主演、観てきました。

面白かったです。とっても。迫力のあるスタントもあるし、知恵比べ的な面白さもあるし。アクション好きな人にもコメディ好きな人にも喜ばれそう。

ただ、娘を連れて行ったので、前半のちょっと下品なジョークの連発には閉口。実際10代ぐらいの年齢層の客はうちの子しかいなかったんだけど、ストーリー自体が十分面白いんだから、下品な言葉でくすぐりを入れなくてもいい映画なのに・・・。

決して悪人じゃない人たち(いや、一人泥棒がいたね)によるピカレスク・コメディ。んん~まじめに働いている人たちのなけなしの財産を詐欺師から取り戻すのだから、ピカレスクとは言わないのかな?たとえ非合法な取り返し方だとしても・・・。

 ベン・ステイラー演じるところのジョシュは超が5つぐらいつく高級マンション「ザ・タワー」の管理マネージャー。有能で誠実に仕事をこなして、従業員からも慕われている。「ザ・タワー」のすばらしい管理とサービスはジョシュをはじめとする従業員たちの精励のたまもの。住民は富豪ばかりで、特に最上階に住むショウは大富豪のVIP。ある日ショウが誘拐された!と思いきや、それは高飛びのたくらみで、ショウはFBIに逮捕されてしまう。従業員年金積立が三倍になると言われて、ショウに運用を依頼していたのに、それがすべて消えてしまうことに・・・!

 ジョシュはそれをどう巻き返したのか、は観てのお楽しみです。ジョシュがキレてしまってからの展開はスピーディで、時のたつのも忘れるうちに終わってしまいました。とても楽しんで観れました。欲を言えば・・・従業員たちのその後(もちろんハッピーエンドで)がエピローグとしてついていれば、もっと嬉しかったかも。

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月組 「エドワード8世」「MistyStation」

宝塚月組 「エドワード8世」「MistyStation」を観てきました。

月組の観劇は「スカーレットピンパーネル」以来。・・・ということは霧矢大夢さんがトップを務めておられる公演は、大劇場お披露目公演と退団公演しか観てないってことになりますね・・・。まぁ、それもめぐり合わせでしょうか。瀬奈さんがトップの時には各公演ほぼ観に行ってたので、霧矢さんも結構好きなスターさんでしたが。

今回は阪急交通社の貸切の日がたまたま日程が空いていたので観に行こう!って思いました。エドワード8世という演目からして、退位のお話→きっと退団されるんだなぁ、もう一回ぐらいは観ておきたいなぁ…という思いでチケットを取ったんです。ちなみに今回貸切公演の司会は鼓英夏さん。ちょっと噛んだところもありますが、なかなか上手な司会っぷりでした。

 ミュージカル「エドワード8世」は、作中BBCのアナウンサー(プロデューサー?)・ガイ・バージェスを演じる龍真咲さん(たぶん)のアナウンスから始まります。撮影禁止とかケータイ電源オフとか前のめりにならないとか、そういった注意事項のアナウンスです。普通事務的に行われるところですので、まだお芝居が始まっていないそんなところから、芝居がかりで始まったのが楽しく感じました。普通はトップスターさんの「只今より・・・」というアナウンスから始まるものだと思いますが、その部分も、アナウンサーがゲストならぬ主役を紹介するという形で始まりました。

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 「王冠を賭けた恋」として有名なエドワード8世(デイヴィッド、のちにウィンザー公)とウォリス・シンプソンとの物語ですが、このミュージカルでは、エドワード8世の葬儀のときからお話が始まります。インタビュアーに対して「彼がいなくてはどう生きていけばよいのか」と泣き崩れるウォリス(蒼乃夕妃さん・・・髪型、ひっつめない方がもっときれいに若々しく見えると思うのに~)に、亡霊(?)のエドワード8世が皮肉たっぷりに「嘘泣き」と指摘して・・・。なかなか面白いはじまり方です。

 ただ、そのあとが今一つ。登場人物が歴史的に興味深い実在の人物ばかりなので、物語の背後(ナチとの関係とか、チャーチルの政治的立場とか、描かれてるんだけど、このミュージカルだけではわかりにくい。予習が必要)が描かれていると、もうすこしストーリー全体に厚みが出たのかもしれませんが、1時間半ほどのミュージカルでは、そこまでは描ききれなかったのか、竜頭蛇尾な終わり方に思えました。淡々とお話が進んで大きなクライマックスを作りきれなかった感じ。退位宣言のラジオ放送前に霧矢さんが思い入れたっぷりの迫力で歌うソロがクライマックスともいえるかもしれませんが・・・。そもそも大きな感動を生みにくい素材だったとも思います。その中でみなさんが好演されていたことは確かなんですが・・・

 まっ、現イギリス女王・エリザベス2世の伯父の話、20世紀の話なので、服装も普通の背広や現代的なスーツが多いのですが、王子たちの正装の軍服などでコスチュームプレイも楽しめるし、この主題・この長さということを考えれば佳作といえると思います。私は映画「英国王のスピーチ」を思い出しながら観ていました。のちのジョージ6世の役の方、話し方の特徴を、上手に表現されていたと思います。

 エドワード8世とウォリスの話をいつごろ自分が知ったのか・・・は覚えていません。お話として読んだのは蒲生総さんの『ガーター騎士団』(あすかコミックス)第1巻に収録されている「Wallis ウォリス・至上の恋 永遠の愛」ででした。このマンガにも「セントラルヒーティング」のエピソードが載っていましたよ。表現は違いますが。この本は歴史好きには面白いのですが、今は絶版です。残念なことです。

 

 ショーの方は初めにアニメが映写されてびっくり。なんなのでしょう?幕が上がると中折れ帽にロングコートにトランク・・・ダンディの見本のような霧矢さんが列車で旅立つ、というシーンから始まります。全体的に群舞が多く躍動的な感じのショー。群舞の衣装は臙脂か深緑色の無地布と、タータンチェックの取り合わせで、女子高生の制服か某アイドルグループの衣装か・・・とも見えなくはない。ですが、ミュージカルの方のイギリスつながりでチェックなのかな?とも思いました。だったら、グレンチェックの方がエドワード8世らしいけど、グレンチェックじゃ地味だからやっぱり色目的にタータンチェックなのかな、スコットランドも英国のうちだしな、なんて思いを巡らせながら観ていました。

 私の注目点としては、蒼乃さんの剣をとって戦う姿がかっこよかったです。青樹泉さんも今回で退団だからでしょうか、銀橋で「風」を歌うという見せ場があり、なかなかかっこいい。

 全般的に霧矢さんと蒼乃さんの絡みが少ないように感じましたがどうでしょうか?蒼乃さんと龍さん、ときどき明日海さんというシーンが多かったような気がしますが・・・。例によって、ショーは途中でつい意識が飛んだ数秒間があるので、勘違いかもしれません。

 霧矢さんの「MyWay」は一節だけでも流石の歌唱力を感じましたが、一節だけだったのが聞き手としては残念。聞きごたえのある歌声と曲なので、フルコーラスとは言わないまでも1番だけでも歌い上げてほしかったです。

 

 

 

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