京都劇場「ブラックコメディ」
久々に京都劇場の初日に行きました。劇団四季「BLACK COMEDY ブラックコメディ」です。関西では初上演だそうで・・・
前回の公演のチラシ(石丸幹二さんの大きな顔写真が載っている)をファイルしておいたものと、今回の京都公演のチラシ(装置の写真は本物・人物は影で描かれている)を見比べながら、石丸さんの在団していらっしゃったときに京都でやってくれたら良かったのに・・・とちょい不満を感じつつ、でも荒川さんも好きだし・・・などと思いながら観にいったのですが。(写真は京都駅コンコースのものです)
面白かったです。客席では大きな笑い声があちらこちらから響いていました。キャストにもほとんど何の不満もなかったといってよいと思います。
ストーリーはチラシ等に紹介してあるとおりですが、お調子者だけど気の弱いところもある(押しに弱い)売れない彫刻家のブリンズリーと、その若い恋人キャロル(いわゆる現代っ子って感じでしょうか)が、ブリンズリーの部屋を見場よく整えているところから話が始まります。始まったときの舞台の上は薄暗いのです。このお芝居は、突然の停電に困っている様子が喜劇の大きな要素となっているのですが、舞台の演出上は明かりのついている間は薄暗く、停電の場面では煌々としたライトのなかで演じられるという工夫が特徴です。
その夜は富豪のシュバンツィヒがブリンズリーの彫刻の品定めに来るのと、キャロルの父で厳しい軍人のメルケットがブリンズリーがキャロルの婚約者としてふさわしいかどうか見極めに来るという、重要な来客の予定が2件も入っていたのです。そのため、ブリンズリーとキャロルは、隣人で骨董蒐集家のハロルドが旅行中なのを良いことに、勝手知ったる彼の部屋から、美しい家具や装飾品を無断で借りてきていたのです。
ところがいきなり停電になり、マッチやろうそくもなくてあたふたしているところへ、昔の恋人クレアから電話があり、同じアパートの老婦人ファーニヴァルが逃げ込んで来、メルケットがあらわれ、帰ってこないはずのハロルドまでやってきます。ハロルドが帰ってきたからにはこっそり家具やなにかを返しにいかねばなりません。暗闇の中誰にも悟られずに。そこへクレアがひそやかに現れ、電気会社の技師が修理に現れ・・・。明るいライトの下で、鼻をつままれてもわからないような暗闇にいる演技をしている様子、しぐさがまず可笑しく、暗闇の中だからこその失言の応酬にも笑わされました。このあとブリンズリーはことをどう収めるのか?という余韻もまた楽しくて。
| 京都ブラコメ初日の出演者 | |
| ブリンズリー・ミラー | 荒川 務 |
| キャロル・メルケット | 濱田めぐみ |
| ミス・ファーニヴァル | はにべあゆみ |
| メルケット大佐 | 志村 要 |
| ハロルド・ゴリンジ | 栗原英雄 |
| シュパンツィッヒ | 川口啓史(劇団俳優座) |
| クレア | 八重沢真美 |
| ゲオルク・バンベルガ ー | 高橋征郎 (劇団民藝) |
ブリンズリーの荒川さん、調子が良くてもてるけど、つまるところは冴えない男の演技にすっかりはまっていました。キャロルの濱田さん、お嬢っぷりがかわいい。濱田さんはアイーダや川島芳子という強くてカッコいい女性の役でしか観たことがなかったんだけど・・・この可愛さで演じたであろうベルやポリーも観たかったなぁと思いました。でも冒頭の薄暗い中での二人のお芝居は・・・悪くないのですが少々セリフが浮いて感じられました。昔の舞台風の不自然な抑揚に聞こえてしまって・・・。次々と人が登場してくると気にならなくなりましたが。
ハロルドの栗原さんのオネエキャラ、秀逸です。カッコいい上に女形もOKという感じ。クレアの八重沢さん、おきれいな脚でした。はにべさんのいたずらっ気たっぷりの表情、楽しすぎました。志村さん・川口さん・高橋さん。渋い演技なのに面白いという名脇役でした。
とにかく面白いので、私はついつい、これを吉本新喜劇に翻案するとしたら、誰をどの役に当てはめようかなと考えてしまいました。
しかし・・・この人数・この装置・この長さ(短さ)で6500円はちょっと高いのでは??とも思いました。これを新劇系の劇団で公演したら大きいところでも4~5千円で観られるんじゃないでしょうか?条件によってはもっと安く、四季と比べても遜色のない演技で観ることができると思います。学校公演ならワンステージ100万円から120万円までというところなのでは?この公演は四季ではプリンシパル級の役者さんが揃っているとはいえ、荒川さんや濱田さんや栗原さんは、やはり歌って踊って、ミュージカルに出演されているのを拝見するほうが、魅力満開で良いという気がします。
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