映画「グーグーだって猫である」&原作コミック
予告編の愛らしい子猫の様子に惹かれて観にいきました。もちろん原作コミックも買い(文庫版のものだけですが)予習の上観にいきました。久しぶりに大島弓子さんの作品を読みました。思い起こしてみれば、私は昔、大島弓子さんの描く、少し不思議な、独特の雰囲気を持つ漫画が大好きでした。以下、出演者やスタッフの名前など敬称略で失礼します。
原作は、著者が飼い猫との日々を綴るエッセイ・コミックですが、映画版の主人公は、大島さんご本人ではなくて、天才少女漫画家・小島麻子さん(小泉今日子・好演、こんなにもすてきな女優さんだったっけ・・・と再認識しました)。繊細な芸術家肌と言う感じです。上野樹里演じる元気いっぱいのアシスタント・ナオミちゃんが主人公だともいえます・・・。ナオミがキーマンになってストーリーが進んでいくわけですし・・・。愛らしい猫のグーグー(生後2ヶ月足らずの仔猫と生後半年ぐらいのと成猫がいた)も添え物とは言えません。ストーリーも登場人物も、かなり映画版オリジナルなものになっていて、楽しい演出や、遊び心満載、映画版ならではの感慨深さもありました。小泉今日子の歌う主題歌「good good」も可愛くて良かったです。
遊び心といえば、小島麻子作品集出版記念パーティーには、角川歴彦本人が出版社会長役で挨拶、「UMEZU」氏として楳図かずおが出演したり(パーティーの席以外の街中などでも発見、まことちゃんもでてきた)、お顔をはっきり存じ上げないので映画を観ていても分からなかったのですが、クレジットによると槙村さとる・内田かずひろなどの漫画家さん、西魚リツコ・枡野浩一などの作家さんも多数出ていたようです。編集部の映像は角川書店で撮っているのか、クレジットには編集者役として「角川書店の皆さん」として挙がっていました。
映画の途中に、本編ストーリーとは全く脈略の無いようにみえる吉祥寺界隈の案内が入ります。案内役は英会話学校講師のポール(マーティ・フリードマン)。日本語があまりにも上手なのにもびっくりですが、彼があとで思いもよらない役割を果たすのに驚きます。吉祥寺は小島麻子さんが住む町。多分原作者もそのあたりに住んでいるのでしょうね。代表作「綿の国星」のチビ猫が「キチジョウジ」といえず、「チキジョージ」と言っていたのを思い出します。
代表作『綿の国星』もちゃんと雑誌連載時にリアルタイムで読んでいましたが、しばらく大島さんのマンガから遠ざかっていて、「グーグーだって猫である」の原作も、今回映画の主人公天才少女漫画家・小島麻子さんが、映画冒頭で亡くして呆然となるサバの本、映画になると知って初めて読みましたが・・・、サバとわが家の先代の猫との病名:腎臓のリンパ腫というのが同じで泣いてしまいました。長生きをしたサバとは違い、我が家の先代猫は2歳という若さでの死だったので哀れさも一入ですが。原作は文庫の出ている2巻までしかまだ読んでいませんが・・・、大島さんの著書の中で、なぜかチビ猫やサバは擬人化されて出てくるのにグーグーは猫のまま・・・。なぜでしょう??大島さんのなかでサバとグーグーとの位置の違いなのでしょうか?それとも、何か理由があって、もう猫を擬人化して描くのはやめることにしたのでしょうか??
いずれにせよ、名作猫マンガたちだと思います。未読の方はぜひどうぞ。
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グーグーだって猫である1 (角川文庫 お 25-1) 著者:大島 弓子 |
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グーグーだって猫である2 (角川文庫 お 25-2) 著者:大島 弓子 |
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サバの夏が来た (白泉社文庫) 著者:大島 弓子 |
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サバの秋の夜長 (白泉社文庫) 著者:大島 弓子 |
アシスタント役の森三中の皆さんが熱演です。他の登場人物も含め、麻子さんの「天然」ぶりも含め、サバの死で始まり、麻子さんが卵巣がんという大病をわずらうというクライマックスなのに、全体的にコメディ色を強く出しているので救われます。元気が沸いてきますよ。
半年ぶりに麻子さんが描いていたマンガ「8月に生まれる子ども」のストーリーが気になって、収録された『ロストハウス (白泉社文庫) 』も買いました。
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ロストハウス |
帯に「珠玉の一冊」って書いてあるけれど。まさにことばどおりの珠玉の掌編集でした。読んでください。お薦めします。
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