« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

2008年10月18日 (土)

「読む、見る、遊ぶ源氏物語の世界」展

 マンガミュージアム・TAWAWAの次は京都文化博物館へ。

 本館に行く前に、別館ホールで「源氏物語と『宝塚歌劇』の世界展」という展示を見ました。

昭和7年の「源氏物語」から2007年の「あさきゆめみしⅡ 」まで源氏物語を主題にした4公演の資料が展示してありました。昭和初期の公演や1981年代の「新源氏物語」などはポスターと少しの写真しかありませんでしたが、「あさきゆめみし」と「あさきゆめみしⅡ」はポロモーションビデオの上映からパネル・衣装の展示まで、宝塚大劇場のプチ・ミュージアムみたいな楽しさがありました。衣装は刻の霊のもので、春野寿美礼さんが着たものと真飛聖さんの着たものとを見比ることができました。次の月組の「夢の浮橋」のポスターも貼ってあり、瀬奈じゅんさんと霧矢大夢さんの気高いまでの美しさに、絶対観にいきたくなりました。

Photo

←チラシの写真です

読む、見る、遊ぶ源氏物語の世界~浮世絵から源氏意匠まで~」の会場に入る前に、「投扇興」を実際に楽しむことが出来るコーナーがあって、ちょうど人がいなかったこともあって、娘と何度も楽しみました。こんな珍しいことを体験できただけでもこの日の収穫は大きかった気がします。

 展示の方は、江戸時代における源氏物語の受容というか、源氏がいかに愛されて応用されていたかという展示でした。良家の子女だけでなく、花魁の持ち物として源氏箪笥があったり、袖珍本ならぬ、袖珍巻物の源氏物語があったり。さきほどの投扇興をはじめ、カルタや香道などの楽しみにも源氏がアレンジされていますし、多くの絵や意匠にも使われています。浮世絵や読本などに描かれる「源氏物語」は、むしろ「偽紫田舎源氏」が使われているように思える展示でした。髪型や衣装も近世風で。本家本元の「源氏物語」とはちょっと違っていましたが、江戸時代の人が源氏物語を楽しんだということが伝わってきました。

 常設展会場では「雅の継承-源氏物語絵巻に挑む-田中親美・川面義雄」展。田中親美氏が源氏物語絵巻を精緻な模写で復元したものと、川面義雄氏が、木版画で同じ徳川本を復元したものの展示です。田中親美氏の復元模写による平家納経や本願寺三十六人歌集などもありました。製作過程の説明を読むにつけても、気の遠くなるほど細かな作業の連続で、このような難事業を成し遂げた方々には感心するばかりです。「木版画源氏物語 試摺プロジェクト」の展示では、「東屋」(一)の段で、絵に20枚、詞書に10枚の版木で摺ったものが展示されており、ほんの少しずつ色味が加えられていく様子に驚嘆しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「サミット・オブ・マンガ展」

 連休の一日、またもやマンガミュージアム+京都文化博物館+新風館のTAWAWAでランチの取り合わせを楽しんで来ました。

 京都国際マンガミュージアムの特別展は「世界のマンガ事情 サミット・オブ・マンガ展」。会場エントランスにはアクリルケースに少年各誌が並べ上げられています。なかなか壮観です。

 日本のマンガからは少年誌最長連載マンガとして『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、登場キャラクター数ナンバー1(なんと、2000キャラクター、見ても分からないものばかりでした)「アンパンマン」シリーズ、発行部数累計が3億冊(海賊版除く)の『DRAGON BALL』 、キャラクターモチーフのパチスロ出荷台数が60万台以上という『北斗の拳』(パチスロの機械や大きなケンシロウのフィギュアも)が紹介されていました。

アンパンマン大図鑑 アンパンマン大図鑑

販売元:楽天ブックス
楽天市場で詳細を確認する

 ↑アンパンマンのキャラクターの説明はこの本の記事に従ってなされていました。私は30年以上前にサンリオの雑誌で初出かそれに近いアンパンマンを読んでいると思うのですが(今のアンパンマンより顔が小さくて、哀愁が漂っていた)、別室でそんなアンパンマンも見ることができました。

 世界のマンガとして展示されているのはアジアとアメリカの量が多く、特に日本の少女漫画の影響下にあるらしい東アジアのマンガには親しみがわきました。韓国の少女マンガ事情は、昨年の秋新聞の記事に『絶叫シンデレラ(1) 』を出版したばかりのユヌンミさんが取り上げられていたのを読んで、興味を持っていたので、ハングルが読めないながらも楽しく展示を見ました。王子様と普通の女子高生との恋を描いた「らぶきょん」は日本語に翻訳されたものが出版されているのですね。ぱらぱら立ち読みしたらはまりそうな面白さでした。ちょっと今から買い揃えるには巻数が多すぎて二の足を踏みますが。

らぶきょん(1)

 台湾の少女漫画では王宜文という人の描いた『烽火情縁』という本が気になりました。中国語が読めないので内容がわかりかねますが一見したところヨーロッパの宮殿で男装の麗人が活躍する物語に見えます。金髪のカールした髪・・・オスカルを思わせる雰囲気です。日本語で読んでみたい!!

 アメリカのマンガは日本でもおなじみ、ディズニーやアメコミです。2間分はゆうにありそうな壁一面に「スーパーマン」の漫画が面展示されているのは見ごたえがありました。

 そのほか香港・中国・タイ・マレーシア・イラン・オーストラリアなどのマンガがありました。

 別の会場では「日本マンガキャラクタービジネス大図解」展として、マンガ・アニメなどが文具・玩具。・子ども雑貨等に使われている実物(アンパンマンの食器とか)が展示されていました。スーパー等で日常的に見ているようなものでも、こうして説明つきで展示されるとまた面白いものです。「そうそう、こんなの売ってた(売ってる)」と思いながら。

 また「フランス語圏のマンガ―バンド・デシネの歴史と展開」という展示もありました。日本の感覚で言えば美しい絵本・・・美しいカラー印刷、薄くて丈夫な装丁。日本で一番良く知られているバンド・デシネはエルジェの『タンタンの冒険旅行』シリーズだと思いますが、むろん、日本ではタンタンシリーズはマンガというより、絵本という扱いですよね。

The Black Island (Adventures of Tintin) Book The Black Island (Adventures of Tintin)

著者:Herge
販売元:Little Brown & Co (Juv Pap)
Amazon.co.jpで詳細を確認する

黒い島のひみつ 黒い島のひみつ

販売元:楽天ブックス
楽天市場で詳細を確認する

     「バンド・デシネ」という概念ははじめて知りましたが、本当に美しい本たちでした。日本を舞台に外国の人が描いたバンド・デシネもありましたし、日本人のバンド・デシネ作家もいてちょっとびっくりです。会場ではゆっくり読むことが出来ませんでしたが、展示された絵を楽しみました。タンタンのような子ども向けの作品より、大人向けの芸術的な作品のほうが多く 、じっくりゆっくり鑑賞したいような感じです。

Soleil Book Soleil

著者:Jean-Francois Di Giorgio
販売元:Marvel Comics
Amazon.co.jpで詳細を確認する

↑美しいバンド・デシネ作家の作品。日本のサムライを描いたもの。アマゾンでは1冊しか私は見つけられませんでした。

 観ていると、マルジャン・サトラピの『ペルセポリス』や『刺繍―イラン女性が語る恋愛と結婚 』もバンド・デシネに分類されていましたが、これらの作品は1色刷りでしたね。とすると、美しい彩色はバンド・デシネの条件ではないのか・・・。

ペルセポリス(1) ペルセポリス(1)

販売元:楽天ブックス
楽天市場で詳細を確認する

    

  マンガミュージアムで楽しんだ後は、新風館へ。TAWAWAでランチをして、 お買い物もして京都文化博物館へ。次のページで紹介です。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 5日 (日)

映画「グーグーだって猫である」&原作コミック

 予告編の愛らしい子猫の様子に惹かれて観にいきました。もちろん原作コミックも買い(文庫版のものだけですが)予習の上観にいきました。久しぶりに大島弓子さんの作品を読みました。思い起こしてみれば、私は昔、大島弓子さんの描く、少し不思議な、独特の雰囲気を持つ漫画が大好きでした。以下、出演者やスタッフの名前など敬称略で失礼します。

 Soundtrack/グーグーだって猫である   映画「グーグーだって猫である」犬童一心監督、大島弓子原作

 原作は、著者が飼い猫との日々を綴るエッセイ・コミックですが、映画版の主人公は、大島さんご本人ではなくて、天才少女漫画家・小島麻子さん(小泉今日子好演、こんなにもすてきな女優さんだったっけ・・・と再認識しました)。繊細な芸術家肌と言う感じです。上野樹里演じる元気いっぱいのアシスタント・ナオミちゃんが主人公だともいえます・・・。ナオミがキーマンになってストーリーが進んでいくわけですし・・・。愛らしい猫のグーグー(生後2ヶ月足らずの仔猫と生後半年ぐらいのと成猫がいた)も添え物とは言えません。ストーリーも登場人物も、かなり映画版オリジナルなものになっていて、楽しい演出や、遊び心満載、映画版ならではの感慨深さもありました。小泉今日子の歌う主題歌「good good」も可愛くて良かったです。

 遊び心といえば、小島麻子作品集出版記念パーティーには、角川歴彦本人が出版社会長役で挨拶、「UMEZU」氏として楳図かずおが出演したり(パーティーの席以外の街中などでも発見、まことちゃんもでてきた)、お顔をはっきり存じ上げないので映画を観ていても分からなかったのですが、クレジットによると槙村さとる・内田かずひろなどの漫画家さん、西魚リツコ・枡野浩一などの作家さんも多数出ていたようです。編集部の映像は角川書店で撮っているのか、クレジットには編集者役として「角川書店の皆さん」として挙がっていました。

 映画の途中に、本編ストーリーとは全く脈略の無いようにみえる吉祥寺界隈の案内が入ります。案内役は英会話学校講師のポール(マーティ・フリードマン)。日本語があまりにも上手なのにもびっくりですが、彼があとで思いもよらない役割を果たすのに驚きます。吉祥寺は小島麻子さんが住む町。多分原作者もそのあたりに住んでいるのでしょうね。代表作「綿の国星」のチビ猫が「キチジョウジ」といえず、「チキジョージ」と言っていたのを思い出します。

 代表作『綿の国星』もちゃんと雑誌連載時にリアルタイムで読んでいましたが、しばらく大島さんのマンガから遠ざかっていて、「グーグーだって猫である」の原作も、今回映画の主人公天才少女漫画家・小島麻子さんが、映画冒頭で亡くして呆然となるサバの本、映画になると知って初めて読みましたが・・・、サバとわが家の先代の猫との病名:腎臓のリンパ腫というのが同じで泣いてしまいました。長生きをしたサバとは違い、我が家の先代猫は2歳という若さでの死だったので哀れさも一入ですが。原作は文庫の出ている2巻までしかまだ読んでいませんが・・・、大島さんの著書の中で、なぜかチビ猫やサバは擬人化されて出てくるのにグーグーは猫のまま・・・。なぜでしょう??大島さんのなかでサバとグーグーとの位置の違いなのでしょうか?それとも、何か理由があって、もう猫を擬人化して描くのはやめることにしたのでしょうか??

 いずれにせよ、名作猫マンガたちだと思います。未読の方はぜひどうぞ。

グーグーだって猫である1 (角川文庫 お 25-1) Book グーグーだって猫である1 (角川文庫 お 25-1)

著者:大島 弓子
販売元:角川グループパブリッシング
Amazon.co.jpで詳細を確認する

グーグーだって猫である2 (角川文庫 お 25-2) グーグーだって猫である2 (角川文庫 お 25-2)

著者:大島 弓子
販売元:角川グループパブリッシング
Amazon.co.jpで詳細を確認する

サバの夏が来た (白泉社文庫) Book サバの夏が来た (白泉社文庫)

著者:大島 弓子
販売元:白泉社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

サバの秋の夜長 (白泉社文庫) Book サバの秋の夜長 (白泉社文庫)

著者:大島 弓子
販売元:白泉社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 アシスタント役の森三中の皆さんが熱演です。他の登場人物も含め、麻子さんの「天然」ぶりも含め、サバの死で始まり、麻子さんが卵巣がんという大病をわずらうというクライマックスなのに、全体的にコメディ色を強く出しているので救われます。元気が沸いてきますよ。

 半年ぶりに麻子さんが描いていたマンガ「8月に生まれる子ども」のストーリーが気になって、収録された『ロストハウス (白泉社文庫) 』も買いました。

ロストハウス ロストハウス

販売元:楽天ブックス
楽天市場で詳細を確認する

 帯に「珠玉の一冊」って書いてあるけれど。まさにことばどおりの珠玉の掌編集でした。読んでください。お薦めします。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »