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2008年8月13日 (水)

映画「西の魔女が死んだ」

 原作を初めて読んだとき、なんとも言えない感動にうたれました。原作者の梨木香歩さんのデビュー作にして数々の賞を受賞した代表作ですね。私の周りには梨木香歩さんの作品が大好きな方がたくさんいらっしゃって、それぞれ好きな作品や新作について語り合ったり、ということをしているのですが・・・とにかく映画の評判は上々です。一人の方などは映画は3回観にいって、清里のオープンセットも見学に行ったとかで、原作を愛する人たちも気持ちが入り込んでしまうすばらしい映画だと思います。私は7月のはじめに観にいったのですが、小さな映画館では立ち見が出るほどの賑わい。われわれも口コミで薦めまくっているのですが、その効果ありなのでしょうか・・・。京都シネマにしては珍しいロングランをしている気がします。

虹 「西の魔女が死んだ」 監督・長崎俊一 原作・梨木香歩

story:中学1年生のまいは周囲にあわせて生きることに疲れてしまい、入学後1ヶ月で学校に行けなくなってしまいました。忙しく働くママからおばあちゃんのところでしばらく生活したらどうかと勧められます。イギリス人だったおばあちゃんのうちは、森の中。その日ママに連れて行ってもらったときも、手作りのパンと庭のキンレンカやレタスを使ってサンドイッチを作りました。ママはまいが眠っている間に帰ってしまい、自然の中でおばあちゃんと二人きりで暮らす日々がはじまります。ワイルド・ベリーをいくつも鍋いっぱいに摘んでゆ~っくり煮込んでジャムを作ったり、森の中を散歩したり、やさしいおばあちゃんとの時間がゆったりと流れていきます。夜、おばあちゃんはまいに「魔女って知っていますか?」と尋ねます。おばあちゃんのうちは魔女の家系だと言って、おばあちゃんの祖母が若い頃、海でさまよう恋人を空間を越えて導いて助けたというエピソードを語ります。それからまいの魔女修行が始まりました。まずは意志の力を鍛えること。それは毎日規則正しくすごすこと。朝はちゃんと起きて、勉強もして運動もして、ちゃんと寝て、自分のことは自分ですること。もちろんおばあちゃんとの生活に必要なこと、鶏の世話をしたり卵を取ってきたりなどなどもちゃんとします。そして・・・

Cast:

おばあちゃん(西の魔女):サチ・パーカー・・・原作のとてもすてきなおばあちゃんを実体化!「おばあちゃん大好き!」というまいに答える「I know」のせりふがとてもいい!彼女の存在だけでこの映画は八割方成功したようなものです。上品で丁寧な美しい日本語。強靭な意思を秘めたまなざし。その話し方、しなやかな物腰があまりにもイメージにぴったりで驚いてしまいました。大女優・シャーリー・マクレーンの娘さんだそうです。親日家の両親によりサチコと命名され、12歳までは日本で生活していたとか・・・どおりで日本語が堪能なはずです。女優になる前はスチュワーデスをしていたんだそうです。映画では70歳近いおばあちゃんのようにも見えますが、実際にはまだ50代になったばかり。ネット上で普通の姿を見るととてもきれいでまだまだお若い感じです。

まい:高橋真悠・・・周囲と折り合いを上手くつけられないところのある少女を好演。本格的な演技が初めてとは思えない良いできでした。

ママ:りょう・・・これまでりょうさんのことはきれいなモデルさんとしてしか意識していなかったので、ちょっとびっくりするぐらいの好演でした。母であるおばあちゃんとの微妙な間の演技はすごい!舞が自分の元の部屋を使うと聞いて慌てて部屋を片付けに行くときの表情、おばあちゃんの訃報により帰省するときの表情、枕頭に駈け寄るときの表情・・・繊細な表情でドラマを感じさせる人だと思いました。

郵便屋さん:高橋克実・・・優しくて楽しい郵便配達のおじさん。原作では覚えがないのですが、コミカルな演技になごみました・・・。

ゲンジ:木村祐一・・・近所に住む朴訥な男。職業不詳。まいにとっては得体の知れない、感じの悪い男。観客にとっても、こいつはどんな男だろう?と思わせられる、すばらしく味のある演技でした。お笑い芸人というより、お笑いもできる料理もできる役者さんという感じです。

 満員の館内ではラスト近くになると涙を拭くしぐさをする人、洟をすする人、嗚咽をこらえている人がたくさんいる様子。もちろん私たちも涙、涙。心の奥底で感動できる映画です。原作が好きすぎると、映画になったときにがっくりすることもよくあるのですが、この映画は、ほぼ原作に忠実に作られていて、大好きな原作が実体を持って目の当たりに現れてくれて感激!という感じです。清里も行ってみたかったけどロケセットの公開が来年1月までではちょっと難しい(T_T)

西の魔女が死んだ 西の魔女が死んだ

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 映画しか観ていない方は、ぜひ原作も一読されることをオススメします。新潮文庫版には短い続編・・・まいと新しい友達のある一日のエピソード・・・も載っています。

 西の魔女といえば、オズの魔法使いの物語中では邪悪な魔女ということになっていますが、もちろんこの作品の魔女は邪悪には程遠い人です。本編の最後の9ページほどは、何回も読み返したくなりますよ。

 

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