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2008年8月 6日 (水)

「スカーレットピンパーネル」原作小説

 星組公演の「スカーレットピンパーネル」がとても面白かったので原作も早速読んでみました。(公演の感想はここここです)

集英社文庫の新訳版です。翻訳は小川隆さん、解説は山崎洋子さん(この人の翻訳したジュブナイル版の『紅はこべ』もありますね)で、小池修一郎さんと仕事をした経験から宝塚版のミュージカルへの期待を書いておられます。

スカーレット・ピンパーネル―新訳 (集英社文庫 オ 4-1) Book スカーレット・ピンパーネル―新訳 (集英社文庫 オ 4-1)

著者:バロネス・オルツィ
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 アレクサンドル・デュマなどの西洋の歴史時代活劇が好きな方にはオススメの本です。ホントに、私自身これまで色々な人に「『紅はこべ』は面白いよ」と薦めてもらいながら読まなかったことを後悔しています。面白い!

 いやしかし、今の今まで読まなかった理由は長くて読み辛そうだったからなんですが・・・いやにスルスルと簡単に読めたとおもったら、やっと気づきました。この版は抄訳なんですね!しまった!!私は翻訳文学は完訳版で読むって決めてるのに(-_-;)失敗です。 う~む・・・。でも、長い小説を読むのが苦手な人・読書の時間が取れない人にはちょうど良い抄訳なのかもしれません。

  この本では1792年9月のパリ、ギロチンがすえられたグレーヴ広場の西のバリケード(ナポレオンが後に建てるの凱旋門の場所)から物語が始まります。

 ミュージカル版とのストーリーの主たる違いは、まず年号ですね・・・。ミュージカル版は「1794PARIS」という曲で始まりますが、1974年と言えばテルミドールのクーデター、ロベスピエールのジャコバン党失脚の年ですから、ミュージカルでのロベスピエールとそのシンパの焦りは当然です。ほかにも

  ・マルグリットがサン=シール公爵の処刑の原因となったことについての動機や事情、その件に関してパーシーが知るところとなった経緯。

  ・ドーヴァーの宿が重要な舞台になっているところ

  ・アルマンがマルグリットの弟ではなく兄であること

  ・マルグリットがアンドルーの手紙を盗み見ようとする動機

  ・パーシーとマルグリットとの関係

  ・ユダヤ人の位置づけ

  ・ショーヴランの人物像、およびマルグリットとの関係

  などなど、大きなものも細かい差異も色々あげられますが、どちらのストーリーも、物語として魅力的であることに変わりはありません。特に小説は女性の筆になるせいか、マルグリットの胸のうちや逡巡がよく描かれています。ぜひご一読を。

 さて、色々な人に『紅はこべ』を薦められながら、長い間手をつけなかった理由はもう一つあります。それは私が『ベルサイユのばら』ファンだから。オスカル様たちが命を懸けたフランス革命、バスティーユの陥落のころの輝かしい革命の成果を、外国人貴族の介入によって損なっていくストーリーはいかがなものか??と思えたのです。実際には恐怖政治のもとでの物語なので、ベルばらに描かれたフランス革命の理想像とは異なってしまった時代だし、続くナポレオンもまだ逼塞している時期なのですが・・・。『ベルサイユのばら』を夢中で読んでいた頃は、たとえば、ヴァンデ聖戦なども知らなかったわけで、歴史は色々な見方が出来るし時代の進み方も一直線ではないので・・・・今は、もう少しフランス革命のことを勉強しなおしてみたくなりました。

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