「ジャンパー」・・・映画と原作
映画「ジャンパー」を観に行ってからもう3ヶ月もた ってしまいました・・・。もうDVDが販売される時期になってしまいました。観たり読んだりしたものの感想を書き残しておきたくてはじめたブログですが、書いてると夢中になってついつい長い記事になってしまい、結果的に読む時間が少なくなる・・・という問題が生じますね。マンガなどすぐ読めてしまうので、記事に書いていない本がたまってくると「書かなきゃ」的なプレッシャーもあるし・・・。でも書いておきたいし・・・。なかなか難しいものです。まぁでも、ボチボチ書いていきたいと思っています。さて、映画「ジャンパー」の話に戻ります。ワタクシ的にはとっても面白かったです。~~テレポーテーションというモチーフ自体の面白さもさることながら、主人公のデヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)に初めてジャンプ能力が顕現するシチュエーションが今日的・アメリカ的だと思いました。ネタばれです・・・学校の中で異質ゆえにはじかれ、生命さえも危険にさらされて、あるいは父からの虐待に耐え切れず~~異能を発揮して逃走する。ジャンプした先=おそらく彼にとってもっとも好きで安心できる場所が公共図書館。さらに世界各国へのジャンプ。見ごたえありです。彼はロンドンブリッジへ、スフィンクスへ、オペラハウスへ、コロッセオへと降り立ち、東京に出現してアクションシーンを繰り広げもします。映画ならではのスペクタクルなシーンが数々出てきます。巨大銀行の進入不可能な地下金庫から多額の現金を手に入れるなどは・・・もちろん実際には窃盗であり犯罪なのですが・・・あまりにも現実離れしているため痛快なだけです。弱者は誰も傷つかないし。もう一人のジャンパー・グリフィン(ジェイミー・ベル)の半生も、ジャンパーを付狙う謎の集団パラディンの成り立ちと目的も興味深い。ヘイデン・クリステンセンとサミュエル・L.ジャクソンとの命と誇りor信念をかけた闘いのシーンも「スター・ウォーズ」の興奮を再び!という気がしてファンにはうれしいものです。映画雑誌によれば、この映画がヒットしたら続編が作られることになっているらしいのですが・・・興行的にはどうだったんでしょうか?日本ではさほど話題になっていないようですし、上映期間も短かくて残念だったのですが、アメリカではそこそこヒットしたんでしょうか?私としてはぜひ続編が見たいのですけどね。日本ではこどもだまし的なストーリーだと受け取られたのかもしれませんね。ストーリーはティーンエイジャー向けのようにも思えますが、小さい子には難解そうですし、誰もが自分向きではないと思ってしまいやすい題材なのかもしれません。SF映画はそこが難しいところですね。実際には良質のSF映画だと思います。主人公が超能力を持っているのに万能感よりも、不安や葛藤を抱えている点も文学的で良いです。ロードショーで見逃した人もDVD等ではぜひ見てほしいです。そしてぜひ続編製作の後押しを日本からも。
それにしてもヘイデン・クリステンセンはちょっと影のある役が多いですね。といっても「海辺の家 」とスターウォーズシリーズとこの作品しか知らないのですが。
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ジャンパー (特別編) 販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
そんなわけで、映画がとても面白かったので、原作も買って読みました。ところが、ストーリーがまったく違うのです。デイヴィッドが初めてテレポート能力に目覚めるところがまず違います。父親の執拗な暴力・家出後のヒッチ・ハイクでの危険・・・。ミリーとの出会いもデートの仕方も違えば、母親の存在も違っています。初めてのジャンプの行き先は同じ、生活費を手に入れる方法も同じですが・・・、パラディンという存在は出てきません。ネタばれですが本でのデヴィッドの敵はテロリスト・ハイジャッカーとFBIです。デヴィッドの人物造型などは基本的に変わっていないといってよいでしょう。
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ジャンパー 上 (ハヤカワ文庫 SF ク 8-5) (ハヤカワ文庫 SF ク 8-5) 著者:スティーヴン・グールド |
初版が9.11同時多発テロ以前の小説ですので、テロリストとの対峙の仕方がまったく違います。ニューヨークの世界貿易センターも出てきます。今、原作のストーリーそのままには映画化できなかったのもうなづけますが、小説は小説で秀逸な長編SFジュブナイルだと思います。デヴィッドの苦境にはらはらもしますが、一応はハッピー・エンドを迎えるし、オススメです。
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ジャンパー 下 (ハヤカワ文庫 SF ク 8-6) (ハヤカワ文庫 SF ク 8-6) 著者:スティーヴン・グールド |
この映画のために書き下ろされた、前日譚もあるようなので読んでみようと思います。映画のストーリーでのノベライズも著者自身に書いてほしいな。
今気づいたのですが、グリフィン役のジェイミー・ベルって、「リトル・ダンサー」の主役、ビリーの人ですね。パンフレットにちゃんと載ってたのに、3ヶ月以上も気づきませんでした(-_-;)。どおりで、既視感が・・・。まぁ、大きくなって!・・・とおかぁちゃん的感慨を抱いてしまった・・・。思い出せてスッとしました。
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リトル・ダンサー コレクターズ・エディション 販売元:角川ヘラルド・ピクチャーズ |
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