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2008年7月13日 (日)

「ザ・マジックアワー」

 まるで舞台作品を観にいった時のように、客席でなんども爆笑が起こり、エンドロールが始まったら拍手がおこる・・・そんな体験を映画館で初めてしたような気がします。子ども向きのアニメで歓声があがるとき以外では。

 ザ・マジックアワー オリジナルサウンドトラック三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー 」 。今年の邦画の最高傑作といってもよいのではないでしょうか??これを観にいったのは蒸し暑い6月の午後でしたが、ほんとに笑って笑って・・・、ウィークデーに積み重なったストレスが一掃されました。

 **ストーリー(敬称略)**架空の港町「守加護」のホテルの一部屋。クラブ・赤い靴の支配人備後(妻夫木聡)と幼馴染の元クラブ歌手マリ(深津絵里)の愛のひと時に入った邪魔は、町を牛耳るボス・天塩(西田敏行)の子分たち(寺島進・甲本雅裕)。マリはボスの愛人だったのだ。足をコンクリートで固めて海に沈められそうになった備後は、口からでまかせにデラ富樫という男とは仲がよいのだとつぶやく。デラ富樫は、伝説の殺し屋で、敵対する江洞商会のボス(香川照之)をけん制するために天塩が手を尽くして探しているのだが、素顔や素性を知っている者がなく、つなぎが取れなかったのだ・・・。デラ富樫をつれてきたら命を贖えると、いったんは解放された備後だが、本当はデラ富樫など知らない。窮地の備後はクラブのバーテンダー・鹿間父子(伊吹五郎・綾瀬はるか)と一計を案じる。・・・・ 場面は変わって映画の撮影所。ホンモノの市川崑監督(出演後すぐにお亡くなりになったんですね・・・)が、スター・磐田とおる役に中井貴一、スターを撃つ女の役に天海祐希をつかって映画撮影中。売れない俳優の村田(佐藤浩市)は磐田のスタントで撃たれてビルから落ちる役を熱演する。備後は村田に目をつけ、村田とマネージャー(小日向文世)に、新作映画でデラ富樫という殺し屋の役をやってもらいたいとのオファーを持ちかける。半信半疑な村田とまったく疑ってかかっているマネージャーを何とか引き連れて守加護にもどってくるが・・・。

 だまされた村田が、本物のギャングたちの前で、とんでもなく濃ゆ~~い殺し屋を演じるのがとても面白いし、双方についたうそがまれないように備後があたふたするところ、備後のバックアップのため、鹿間親子がまじめな顔で奮闘するところ・・・などとても面白く、笑ううちにも、製作者が仕掛けている数々のくすぐり・・・名作映画へのオマージュとか、パンフレットに「奇跡のスタッフワーク」と紹介されている細かな仕掛けとか、映画の撮影所風景や、村田のオールタイムBestOneの映画「暗黒街の用心棒」なども・・・、俳優さんたちの凝った演技などに目を奪われ、最後までダレる瞬間が一秒もなくハイテンションで楽しめます。「名作映画へのオマージュ」というのは、あちこちの映画評で書かれているような、日本映画だけではなく外国の映画もあれこれ使われているようです。たとえば、階段に座ってはとに餌をやるおばあさんは、「メアリー・ポピンズ」の「Feed the birds」 のシーンですよね。「two pence」がロンドンの下町では「tuppence 」タプンスと発音されるという発見がうれしかった記憶のあるシーンです。私にははっきりとオマージュだと確信できるシーンはそんなにありませんでしたが、コアな映画ファンだと長いリストが作れるぐらいなのではないでしょうか??人一倍楽しめることでしょうね・・・。

 最後にいたるまで楽しさと驚きで彩られた映画でした。ネタバレでストーリーと人物を全部たどって書いてしまいたい衝動に駆られてしまいます。

Photo ←映画館にあった立看板?記念撮影用かな??あまりに楽しいので掲載してしまいました。

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