« 映画「カスピアン王子の角笛」 | トップページ | 『別冊図書館戦争 Ⅰ』 »

2008年6月 8日 (日)

映画「ジェイン・オースティンの読書会」ほか

 原作は発売されてすぐ、友達から大いに薦められていたのですが未読です。だってそのときはまだジェイン・オースティンの作品はひとつも読んだことがなかったし、「読書会」だなんてウザそうと思っていたのです。アサハカでした。その後ココ にも感想を書いたように、「高慢と偏見」の映画を観て、とても面白くて「高慢と偏見」の原作も読みました。どうしてもっと若いときにジェーン・オースティンと出会わなかったのかしら・・・と残念に思っていました。このブログに感想は書いていないけど『分別と多感 』もとってもおもしろかったし。ですから、この映画はとっても楽しみにして観にいきました。

「ジェイン・オースティンの読書会」

 結論から言わせてもらえば、期待にたがわぬお薦め品です。映画雑誌の表紙を飾るようなハリウッド的映画スターが出ていないこともあって、アート系の映画館にしかかからないのがもったいない。特に大人の女性は絶対見たほうが良いと断言したいです!

  最初、フラッシュ的に登場人物たちの困った瞬間のシーンが出ます。読書会に参加する人物は6人。6回の結婚と離婚の経験者バーナディット(キャシー・ベイカー)・・・頼もしい姉御肌のステキな女性。犬たちと暮らすブリーダーのジョスリン(マリア・ベロ)・・・ちょっと天然な感じもしますが、資産家の出で独身生活を謳歌中。図書館司書のシルヴィア(エイミー・ブレネマン)・・・落ち着いた雰囲気、仕事と家庭を両立させているしっかりした女性で優しい母でもあるというイメージ。この3人は元々の友人でバーナディットが一番年上(50代半ばぐらい?)、ジョスリンとシルヴィア(とシルヴィアの夫)は学校時代からの友人で40代半ばぐらいか?しょっちゅう相手を変えている同性愛者のアレグラ(マギー・グレイス)はシルヴィアの末っ子で18~22歳ぐらい・・・危険を好み、情熱のまま行動する傾向あり、恋も行動もまさに名は体を現して快速。高校のフランス語教師・プルーディー(エミリー・ブラント)・・・ヒッピーな母親から生まれたことと、フランス語教師なのにケベックにいったことはあっても渡仏したことがないのがコンプレックス。体育会系の夫との間に距離を感じていて、生徒に誘惑されそうになっています。SF好きのIT技術者グリッグ(ヒュー・ダンシー)・・・いわゆるオタクでしょうか。シスター・コンプレックスで、優しく賢く、ちょっと不思議な男性です。

 この6人のほかには、会社で相応の地位にいるらしきシルヴィアの夫・ダニエル(ジミー・スティッツ)、プルーディーの夫・ディーン(マーク・ブルカス)、学校の人気者でプルーディーを誘惑する高校生・トレイ(ケヴィン・ゼガーズ)、見かけも言動もボヘミアンそのものの・プルーディーの母スカイ(リン・レッドグレーヴ)が主な登場人物。・・・ダニエル・・・どこかで見たことがあると思いましたが、スター・ウォーズⅡ・Ⅲで、後のレイア姫の父(義父)ベイル・オーガナを演じた人ですね。トレイは・・・ケヴィン・ゼガーズが実際にはプルーディー役のエミリー・ブラントと1歳しか違わないということもあるのか、高校生には見えない・・・。

 ジョスリンの愛犬の葬儀に出たバーナディットとシルヴィアはジョスリンを慰めるために何かを始めようと話します。ところが、シルヴィアは夫に「他に好きな人がいる」と言われ傷つき・・・。プルーディーは夫が自分とのパリ旅行よりNBA観戦を選んだことに傷つき怒っています。「オースティン映画祭」でプルーディーと出合ったバーナディットはジェイン・オースティンの6作品『マンスフィールド・パーク』『自負と偏見』(高慢と偏見)『エマ』『ノーサンガー僧院』『説得』(説きふせられて)『分別と多感』で読書会をすることを思いつきます。 ジョスリンはシルヴィアを慰めるには若くて感じのよいボーイフレンドを・・・と偶然出会ったグリッグを読書会に誘います・・・。

 ジェイン・オースティンの各作品と登場人物たちの性格・境遇が呼応しているところ(シルヴィアはエレノア、アレグラはマリアン、ジョスリンはエマ・・・という具合)、オースティンの作品のようにアイロニーがかった人間観察が魅力の物語です。笑いあり、感動あり、そしてハッピーエンドのよい映画でした。原作単行本の価格がちょっと高いのが難ですが、今度ぜひ読んでみようと思いました。また、オースティンの作品は『高慢と偏見』(自負と偏見)『エマ』『分別と多感』の三作品しか読んだことがないので、残り三作品もぜひ読まねば!

 あと、SF大好きグレッグの、ル・グィン作品の紹介やSF薀蓄話も中々興味深かったです。SFももっといっぱい読みたくなってしまいました。

ジェイン・オースティンの読書会 Book ジェイン・オースティンの読書会

著者:カレン・ジョイ ファウラー
販売元:白水社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ところで、『高慢と偏見』の話が出たついでに・・・以前、エマ・テナント著の『続高慢と偏見』の感想を書いたことがありますが、同じ著者の『リジーの庭・・・「自負と偏見」それから』という本、青山出版社から出て絶版になっていた本を古本屋さんで見つけて買って読んでみました。・・・表紙はキレイで期待したのですが、コレがまったく期待はずれ。リジーの幸せその後が知りたい『高慢と偏見』ファンがこんな不幸なストーリー歓迎するわけないじゃん!と腹が立つような内容でした。早々と絶版になったのも当然と思えました。

|

« 映画「カスピアン王子の角笛」 | トップページ | 『別冊図書館戦争 Ⅰ』 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画「ジェイン・オースティンの読書会」ほか:

« 映画「カスピアン王子の角笛」 | トップページ | 『別冊図書館戦争 Ⅰ』 »