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2008年6月22日 (日)

映画「紀元前1万年」

紀元前1万年(10,000 B.C.) オリジナルポスター観たのは春休みですが・・・感想書くのを忘れていました。

ローランド・エメリッヒ監督・脚本・製作の映画「紀元前1万年」。ジーン・アウル著『大地の子エイラ』(「始原への旅立ち」シリーズとしてかつては評論社から出版、現在は「エイラー地上の旅人」シリーズとして集英社から刊行中)のシリーズや、スーハリソン著「アリューシャン黙示録」シリーズ」 (『母なる大地父なる空 上 ・下』など、晶文社刊)などアメリカの先史時代小説が大好きな私、予告編でマンモスやサーベルタイガーと人間が対峙するシーンを観てワクワク。

 映画は、先史時代を舞台にした冒険活劇+SF的要素という感じで、「誰も見たことのない世界は[過去](紀元前1万年というルビ)にあった」というコピーがうなずけました。残念ながら私の周りでは「インディペンデンス・デイ」や「デイ・アフター・トゥモロー」ほどの話題にはなっていませんでしたが、私は大満足。大いに楽しみました。主人公の成長が如実に描かれ、るストーリー、リアルな古代生物にスペクタクルな映像、すばらしい想像の翼にのって、上映中1分たりともこの映画以外のことが頭に入り込む余地がありませんでした。

 Story:氷河期を思わせる雪深い山に狩猟民族のヤガル族の村があった。優れたマンモスハンターと預言者である巫母が村を治めていた。巫母は「四本脚の悪魔」が村を襲い、青い目の娘とその夫となる勇者が村を救うという予言をした。「四本脚の悪魔」に滅ぼされた他部族たった一人の生き残りとして狩人に女の赤ちゃんが拾われて来たとき、この子こそ予言の子だとさとった巫母は自ら引き取ってエバレットと名づけ育てる。幼いデレーの父は村の部族長だったが、村を救うため親友のティクティク(クリフ・カーティス)にだけ別れを告げ、部族長の印たる白い杖を託して旅立つ。父の旅立ちの理由は秘されていたため、デレーは裏切り者の子としてつまはじきにされながら育つが、孤児のエバレットとは温かい心を通わせあい、いつしか将来を誓い合う仲となる。ティクティクと巫母はデレーの成長を見守っている。長じたデレー(スティーブン・ストレイト)は同世代のリーダー的存在カレンたちとマンモス狩りに出かける。これは次代の部族長を選ぶ儀式でもあった。壮絶な狩の中活躍したのはカレンたちであり、デレーの技術や勇気が特に優れていたわけではなかったが、偶然にもマンモスをしとめることになったのはデレーだった。・・・。そんな中謎の騎馬民族「四本脚の悪魔」たちがヤガルの村を焼き討ち、抵抗するものは殺しながら村人たちをさらって行った。美しく成長したエバレット(カミーラ・ベル)もさらわれた。デレー・ティクティク・カレン・バク(デレーを兄のように慕う少年)たちは、村人たちを奪還するために「四本脚の悪魔」を追跡する・・・。(ここまでがプロローグ・・・)。デレーたちは無事村人たちを救い、帰ってくることが出来るのか?デレーは部族長にふさわしい狩人になれるのか?村を救うために出て行ったはずのデレーの父親はどうなったのか?デレーとエバレットは結ばれるのか?「四本脚の悪魔」の正体は???等々この後のストーリー展開は凄いです!

紀元前1万年/Harald Kloser & Thomas Wander この映画の舞台はどこなのでしょうか?俳優の皆さんが国際的なのでよけいに分かりにくいですが・・・。主人公・デレーの顔立ちと、雪景色に、最初はヨーロッパあたり・・・クロマニヨン人だと想定して観ていたのですが・・・。「四本脚の悪魔」もヨーロッパ系の騎馬民族っぽかったし。でも山を降りた温暖な平地に暮らすナク族はどう見てもアフリカの民族。さらに「四本脚の悪魔」の本拠地の文明はまさにSF。パンフレットによれば特定の場所ではないが、アフリカを念頭においているらしい。撮影が行われたのはケープタウンやナミビアなどのアフリカ大陸各地とニュージーランドだということでした。

 最近の映画にはめずらしく、この「紀元前1万年」はノベライズされていません。わたしはぜひこのストーリーを小説で読みたいのですが!

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映画「つぐない」

 映画「プライドと偏見 」で私をジェイン・オースティンの作品の つぐない/Atonement 面白さに結び付けてくれたジョー・ライト監督の文芸映画「つぐない」。1ヶ月ほど前に観にいったイギリス映画です。

  

「つぐない」という題名も、「一生をかけて償わなければならない罪があった。・・・云々」というキャッチコピーも絶対涙なしには観れない感を煽っていましたが、友達からも「泣くよ~!!」と脅され、覚悟はして観にいきました。案の定、涙、涙。悲しくて泣いたとか、感動して泣いたとかいうよりも、切なさに胸が締め付けられたという感じかな。時代の理不尽さにも胸苦しくなりました。

 ストーリーについての予備知識なしに観にいったのですが、キーラ・ナイトレイを大きく写したポスターやチラシから連想する物語と、全く違っていました(友人たちも同じ感想)。予想外の物語、展開、結末で、夢中で物語の中をさまよった気がします。もちろん、この映画の原作は小説でフィクションであると分かった上で、そのフィクション上の真実はどこからどこまでで、どこからが登場人物の創作なのか(小説という入れ子の中のさらにフィクションなのか)・・・・。この物語の虚実はどこにあるのか??重たいストーリーは基本的に苦手なのだけれども、「つぐない」の内容には魅了されずにはおれません。「キーラ・ナイトレイ主演」とは書いてありますが・・・、本当の主役は誰でしょう?キーラなのか、彼女の恋人役のジェームズ・マカヴォイなのか、妹のブライオニーなのか??

 舞台は1935年。イングランド。大きな屋敷内を少女が走っている・・・。母親タリス夫人(ハリエット・ウォルター)に書きあげたばかりの戯曲を見せるために。タリス家の末娘、13歳のブライオニー(少女時代はシアーシャ・ローアン、好演!)は夢見がちな少女。兄のリーオン(パトリック・ケネディ)の、友達を伴っての帰省を歓迎するために、従姉弟たちと芝居を上演しようと計画しています。タリス夫人の妹は離婚争議中で、その子どもたち15歳のローラ、9歳の双子・ジャクスンとピエロはタリス家に預けられています。まだ幼いジャクスンとピエロは自分たちの母親が恋しくて、ブライオニーの劇には興味を示してくれません。タリス家の使用人の息子で、その優秀さを官僚である当主から認められて、ケンブリッジで医学の勉強を究めつつあるロビー(ジェームズ・マカヴォイ)に、ブライオニーは幼い恋をしています。しかしその日、ブライオニーは2度も美しい姉・セシーリア(キーラ・ナイトレイ)とロビーとの衝撃的なシーンを見てしまいます・・・。その夜、ジャクスンとピエロが家出をし、みんなで探し回っている時、ブライオニーは庭の暗がりで何者かがローラにのしかかっているのを目撃します。逃げていった男をブライオニーはロビーだと思い込み、やがて双子を探し当てて連れ帰ってきたロビーは警察に逮捕されてしまいます・・・。

 4年が過ぎ、セシーリアは看護婦として負傷兵の世話をし、ロビーは西部戦線でドイツ軍との激戦を生き抜こうとしていました。ロビーは犯罪者として収監されているときに、刑期の短縮のため従軍を志願したのです。戦場の困難の中ロビーは半年前のセシーリアとの再開、つかの間の逢瀬を回想します・・・。

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 ゴールデングローブ賞も受賞していますが、本当によい映画だったと思います。アカデミー賞の受賞が作曲賞だけだったなんてもったいない気がしました。

 キーラ・ナイトレイの美しさが、セシーリアの、良家のお嬢様の驕慢な感じと家を捨てても看護婦としての使命やロビーへの愛を貫く強さ、そして苦しみをすばらしく表現していたと思います。ロビー役のジェームズ・マカヴォイも階級をのりこえて成功を目指す若者の英知と希望と誠実さに満ちた表情、思いもよらない嫌疑に凍りついたまなざし、戦地にあっても失わない明るさと賢さの演技も良かった。ジェームズ・マカヴォイをどこかで観た人なんだけど・・・思い出せない~~と頭の隅で気になりながら映画を観ていました。家でパンフレットを見てやっと分かりました。「ナルニア物語・ライオンと魔女」のフォーンのタムナスさん役ですね。

 

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2008年6月21日 (土)

猫大好き!『チーズ・スイートホーム 5』ほか

 子どものときから猫も犬も大好きでしたが、特に猫が好き。今も毎晩一緒に寝ています。昔実家で飼っていた猫たちは、外にお散歩に行っちゃうので、1~2ヶ月行方不明になったままだったり、そのまま帰ってこなかったり・・・、心配することや悲しい思いをすることがありました。昼間庭で遊ばせていた仔犬を、ちょっと目を放した隙に盗まれたこともあります。今は、実家の猫も我が家の猫も完全室内飼いで安心ですけども。

 もちろん実物ばかりでなく、2次元の猫たちも大好きです。最近読んだネコ本(ネコまんが)から・・・。

『チーズ・スイートホーム』5 こなみかなた著

 母猫とはぐれ、山田家の一人息子・ヨウヘイ(幼児?学校にも幼稚園にも行っているシーンは出てこない)に拾われた子猫のチーが主人公。大屋さんに隠れて飼っていたペット禁止のアパートを出て、ペット歓迎の住宅に引っ越してきました。家の中のドアにもネコ用出入り口がついています。隣近所のペットたちともなかよくなります。

 チーは一人で外へ散歩に出ますが、迷子になって・・・。

 

チーズスイートホーム 5 (5) (KCデラックス) Book チーズスイートホーム 5 (5) (KCデラックス)

著者:こなみ かなた
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チーはとっても愛くるしいのですが、ヨウヘイの可愛らしさも中々です。それにしてもやはり近頃では猫の安全のためには完全室内飼いが一番という気がします。もっともそれではストーリーに幅が出ないので、わざわざチーを外歩きに行かせているのでしょうが・・・チーはちゃんと毎日無事に散歩して無事に家に帰れるのか・・・フィクションとはいえ心配になってしまいます。↓「チーズスイートホーム」のブログパーツ見つけました。チーの体の色々な場所で左クリックすると、チーが反応します。尻尾や耳だと怒るし、頭やおなかは喜ぶし・・・。色々試すと面白いです。

 BEーLOVE増刊 2008年4月号 ねこぞう春の巻 「ねこぞう」講談社刊。B6版の雑誌です。レディスコミック誌の増刊(創刊のころは「KISS」の増刊だったように思いますが最近は「BE-LOVE」増刊という形で出ています)という体裁ですが、半年に1回ぐらいの間隔で発行される「ネコまんが」のアンソロジーです。

BEーLOVE増刊 2008年4月号 ねこぞう春の巻
販売元:セブンアンドワイ
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創刊の頃からの定番としては、こなみかなた「ふくふくふにゃーん」、野中のばら「ネコがスキ♥」「ネコ様の言うなり」、杉作「クロ號」、東和広「ユキポンのお仕事」、伊藤理佐「おいクロタン」などが収録されています。ほかでは選ばないような作風のネコまんがと出会えるのもこの雑誌の魅力のひとつでしょうか。前から好きな作家さんの新作も楽しみで、前号(2007年10月号)では書き下ろしで、現在では「BE-LOVE」本誌で連載されているという桑田乃梨子「ねこしつじ」がお気に入りになりました。今号と前号の松苗あけみのちょっとお耽美入った?!飼い猫(なんと12匹!)エッセイ「猫と薔薇の日々」、前号の山下和美の飼い猫が獣医の誤診に遭った顛末を描いた「あなたの獣医は大丈夫?」等ゲスト執筆者の短編も(書下ろしとは限りませんが)読み応えありです。困るのはいつ、発売されるのか調べないと分からないこと。気をつけてチェックしていないと買い逃します。現に私も前々号(2007年3月号)は買い逃して悔しい思いをしました。

猫本2 講談社刊

これもネコまんがのアンソロジー。なんと36人もの人気漫画家の短編が載っていて、帯の宣伝文句どおり超豪華な感じ。36人あわせて274pですから、一編ずつは本当に短い猫本 2(NEKO-MOTO NYA)(KCデラックス)んですけどね。うち12人の漫画家さんの飼い猫たちの写真も公開されています。

Book 猫本 2(NEKO-MOTO NYA)(KCデラックス)

著者:諸星大二郎,小手川ゆあ,中村光,業田良家,ラーメンズ 小林賢太郎,いましろたかし,そにしけんじ,えびなみつる,モーニング,アフタヌーン
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 エッセイまんがあり、ストーリーまんが(ファンタジーも時代物もシリアスもコメディーも)あり、ギャグありと盛りだくさんですが特に私が好きだと思ったものの中から数作品ご紹介・・・

 こなみかなた「チーズスイートホーム番外編 チーが生まれた家」、題名どおり、チーがまだまいごになってヨウヘイに出会う前、ママと一緒にねんねしてお散歩に行っている情景です。

 萩尾望都「猫本クリニック」、猫のお医者さんのもとに吸血鬼が訪れるファンタジー・コメディ。

 安野モヨコ「ねこ王子」。昔話の語り口をパスティーシュして描いた飼い猫エッセイ。

 青池保子「笑い猫の肖像」。中世、鼠害に悩むフランス・ロワール地方の修道院が舞台。『修道士ファルコ』に出てくるアルヌルフに似た雰囲気の修道士がでてきます。鼠を退治してくれた猫に感謝して作られたという猫のレリーフの写真が掲載してありますが、この物語自体が創作なのかフランス・ロワール地方の実在の修道院に伝わる伝説なのかはわかりません。この短編集中でも一番まとまりがあって面白い物語でした。

 山下和美「天才柳沢教授とタマの生活」。柳沢教授のシリーズは文庫版は全部持っていて愛読しているので、もちろんこの短編も面白く読みました。教授たちの猫自慢です。

P2120043ちなみにこの子は我が家の初代にゃんこ。

 

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2008年6月 9日 (月)

『別冊図書館戦争 Ⅰ』

 いや~いいですねぇ、ラブ・コメ。面白かった。楽しかった。郁の純粋さに、にまにましながら読んでしまいました。よい大人が恥ずかしい・・・といえば恥ずかしいんだけれども、やっぱり私は正統派少女漫画的ラブ・コメが大好きなんだと改めて思いました。

 『別冊図書館戦争 Ⅰ「』有川浩著 アスキー・メディアワークス刊(あら、出版社名変わったのね?)

 「図書館戦争 」シリーズ完結編・『図書館革命 』の本編とエピローグをつなぐ物語ですから、アニメの方の「図書館戦争」ファンの皆さんが、シリーズ全4巻を読まないうちに間違って『別冊図書館戦争』を読んでしまうと面白さが半分以上減です。気をつけてくださいね。主に笠原郁と堂上のドタバタ恋愛スケッチという感じ。この二人、ほほえましいというかばかばかしいというか、いわゆる大人の恋愛とはほど遠い爽やかカップル。「別冊」だけにこれまでのような大きな事件は起こらないけど、図書館を巡るいろいろな事件と郁と堂上のカップルとしてのちょっとずつの進歩に、おなじみのメンバーのチョコっとずつのエピソードがからまって・・・5編のオムニバスになっています。

 

別冊図書館戦争(1) 別冊図書館戦争(1)

販売元:楽天ブックス
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作者後書きで「ベタ甘仕様です。駄目な方は本気で回避してください」とありますが・・・本編『図書館戦争 』の読者で、これが受け入れられないということはないと思います。戦闘シーンのみが好きだという方でなければ。でも『図書館戦争』本編は、「図書館の自由」というプロットと登場人物の魅力・エピソードあっての面白さ。それが好きな人は当然、たとえ恋愛「ベタ甘仕様」が勝っているのが普段の読書傾向と違っていても、この図書館隊の物語を楽しめると思います。

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2008年6月 8日 (日)

映画「ジェイン・オースティンの読書会」ほか

 原作は発売されてすぐ、友達から大いに薦められていたのですが未読です。だってそのときはまだジェイン・オースティンの作品はひとつも読んだことがなかったし、「読書会」だなんてウザそうと思っていたのです。アサハカでした。その後ココ にも感想を書いたように、「高慢と偏見」の映画を観て、とても面白くて「高慢と偏見」の原作も読みました。どうしてもっと若いときにジェーン・オースティンと出会わなかったのかしら・・・と残念に思っていました。このブログに感想は書いていないけど『分別と多感 』もとってもおもしろかったし。ですから、この映画はとっても楽しみにして観にいきました。

「ジェイン・オースティンの読書会」

 結論から言わせてもらえば、期待にたがわぬお薦め品です。映画雑誌の表紙を飾るようなハリウッド的映画スターが出ていないこともあって、アート系の映画館にしかかからないのがもったいない。特に大人の女性は絶対見たほうが良いと断言したいです!

  最初、フラッシュ的に登場人物たちの困った瞬間のシーンが出ます。読書会に参加する人物は6人。6回の結婚と離婚の経験者バーナディット(キャシー・ベイカー)・・・頼もしい姉御肌のステキな女性。犬たちと暮らすブリーダーのジョスリン(マリア・ベロ)・・・ちょっと天然な感じもしますが、資産家の出で独身生活を謳歌中。図書館司書のシルヴィア(エイミー・ブレネマン)・・・落ち着いた雰囲気、仕事と家庭を両立させているしっかりした女性で優しい母でもあるというイメージ。この3人は元々の友人でバーナディットが一番年上(50代半ばぐらい?)、ジョスリンとシルヴィア(とシルヴィアの夫)は学校時代からの友人で40代半ばぐらいか?しょっちゅう相手を変えている同性愛者のアレグラ(マギー・グレイス)はシルヴィアの末っ子で18~22歳ぐらい・・・危険を好み、情熱のまま行動する傾向あり、恋も行動もまさに名は体を現して快速。高校のフランス語教師・プルーディー(エミリー・ブラント)・・・ヒッピーな母親から生まれたことと、フランス語教師なのにケベックにいったことはあっても渡仏したことがないのがコンプレックス。体育会系の夫との間に距離を感じていて、生徒に誘惑されそうになっています。SF好きのIT技術者グリッグ(ヒュー・ダンシー)・・・いわゆるオタクでしょうか。シスター・コンプレックスで、優しく賢く、ちょっと不思議な男性です。

 この6人のほかには、会社で相応の地位にいるらしきシルヴィアの夫・ダニエル(ジミー・スティッツ)、プルーディーの夫・ディーン(マーク・ブルカス)、学校の人気者でプルーディーを誘惑する高校生・トレイ(ケヴィン・ゼガーズ)、見かけも言動もボヘミアンそのものの・プルーディーの母スカイ(リン・レッドグレーヴ)が主な登場人物。・・・ダニエル・・・どこかで見たことがあると思いましたが、スター・ウォーズⅡ・Ⅲで、後のレイア姫の父(義父)ベイル・オーガナを演じた人ですね。トレイは・・・ケヴィン・ゼガーズが実際にはプルーディー役のエミリー・ブラントと1歳しか違わないということもあるのか、高校生には見えない・・・。

 ジョスリンの愛犬の葬儀に出たバーナディットとシルヴィアはジョスリンを慰めるために何かを始めようと話します。ところが、シルヴィアは夫に「他に好きな人がいる」と言われ傷つき・・・。プルーディーは夫が自分とのパリ旅行よりNBA観戦を選んだことに傷つき怒っています。「オースティン映画祭」でプルーディーと出合ったバーナディットはジェイン・オースティンの6作品『マンスフィールド・パーク』『自負と偏見』(高慢と偏見)『エマ』『ノーサンガー僧院』『説得』(説きふせられて)『分別と多感』で読書会をすることを思いつきます。 ジョスリンはシルヴィアを慰めるには若くて感じのよいボーイフレンドを・・・と偶然出会ったグリッグを読書会に誘います・・・。

 ジェイン・オースティンの各作品と登場人物たちの性格・境遇が呼応しているところ(シルヴィアはエレノア、アレグラはマリアン、ジョスリンはエマ・・・という具合)、オースティンの作品のようにアイロニーがかった人間観察が魅力の物語です。笑いあり、感動あり、そしてハッピーエンドのよい映画でした。原作単行本の価格がちょっと高いのが難ですが、今度ぜひ読んでみようと思いました。また、オースティンの作品は『高慢と偏見』(自負と偏見)『エマ』『分別と多感』の三作品しか読んだことがないので、残り三作品もぜひ読まねば!

 あと、SF大好きグレッグの、ル・グィン作品の紹介やSF薀蓄話も中々興味深かったです。SFももっといっぱい読みたくなってしまいました。

ジェイン・オースティンの読書会 Book ジェイン・オースティンの読書会

著者:カレン・ジョイ ファウラー
販売元:白水社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ところで、『高慢と偏見』の話が出たついでに・・・以前、エマ・テナント著の『続高慢と偏見』の感想を書いたことがありますが、同じ著者の『リジーの庭・・・「自負と偏見」それから』という本、青山出版社から出て絶版になっていた本を古本屋さんで見つけて買って読んでみました。・・・表紙はキレイで期待したのですが、コレがまったく期待はずれ。リジーの幸せその後が知りたい『高慢と偏見』ファンがこんな不幸なストーリー歓迎するわけないじゃん!と腹が立つような内容でした。早々と絶版になったのも当然と思えました。

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