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2008年5月25日 (日)

映画「カスピアン王子の角笛」

 観て来ました!昨日。待望の「ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛」です。なんだかカスピアン王子役のベン・バーンズのカッコイイ容姿ばかり誇張されているマーケティングぶりが気になっていたのですが・・・。

【直筆サイン】 ベン・バーンズ (ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛) ポスター・チラシから映画雑誌の表紙にいたるまでカスピアンことペン・バーンズくんの勇姿ばかり。ペベンシー兄弟はすっかり脇に追いやられていますが、これはファンタジー映画にもっと若い女の子に来てもらうための策略でしょうか??

 映画の出来はよかったと思います。もう息をもつかせぬ面白さとはこのことかと思いましたね。2時間40分近くもある映画とは思えないぐらいあっという間に時間がたって、出て来たとたんにもう一ぺん見たくなりました。

 原作を何十回も愛読している私にもほぼ納得の出来です。予告編にもあったロンドンの駅からナルニア国に呼び戻されていくシーン、映像化というものはこうでなくては!と思わされました。もちろんナルニア国でのスペクタルなシーンも圧巻です。たくさんのナルニア人たちが戦死していくのは・・・とりわけ谷あらしの息子の若いセントールなどは・・・フィクションだ、ファンタジーだと分かっていても悲しいものでしたけれども・・・(でもナルニア国的にはあとで「まことの国」で会えるはずなのだから・・・と思いながら見ました)。

 しょうろとりのアナグマさんは考えていたよりも小柄な感じ。勇敢なねずみのリーピチープとその仲間たちはとても可愛い。イメージどおりです。スーザンとルーシーがトランプキンをこっそり呼ぶ呼び方の字幕が岩波書店の翻訳のとおり「オ・チ・カ」だったのも嬉しかったです。まぁ、原作にないシーンがいっぱいあるのは、映像的な面白さを狙うと仕方がないのかな・・・、という感じがします。ニカブリクと白い魔女のシーンは映像ならではの緊張感ですね。

 「ライオンと魔女」の時代からロンドンでは1年たち、ピーターは少年から青年への成長の途中で足掻いています。ピーターの登場シーンは地下鉄の駅での大勢を相手にしたケンカです。なにしろ彼は一度はナルニアで王として青年に成長しているのに、戦時下のロンドンでは無力な少年扱いをされているのだから荒れるのも無理はない感じです。そのせいかナルニアに帰った彼は、王としての責任と共に、実力を誇示したい衝動にも駈られているようです。少し年齢が上の設定のカスピアン王子にも対抗心を隠せません。スーザンもロンドンでは同年代の男子生徒に声をかけられても煩わしそうに「一人が好きなの」と偽名を告げてしまいます。ナルニアに戻ってきても嬉しいには嬉しいけれど、やっと現実世界に慣れてきたところだったのに・・・という戸惑いを口にしています。年長の二人に比べれば、エドマンドやルーシーはどちらの世界にもずっと溶け込みやすいように見えます。エドマンド役のスキャンダー・ケインズは前作よりもずいぶん背が伸びて、心身ともに成長したエドマンドを体現しています。熱くなりがちな兄を冷静沈着にサポートする時の表情が良いです。ルーシーは相変わらず純真で一番アスランを信じています・・・。でも兄弟たちの仲で一番小さいので敢えて自分の意見を通すことが出来ません。映画は原作よりもペべンシー兄弟たちの成長の葛藤、特に年長の二人の順応の困難さがよく描かれていると思います。

 納得できないのはカスピアン王子です。演じるベン・バーンズはとってもイケメンです。プリンスという役柄にぴったりの容姿ですし、役者としても良い仕事をしていると思いますが・・・。原作のカスピアンは少年です。ティーンエイジャーになったばかりで、ピーターよりも幼い、庇護してあげなければならない存在です。パンフレットによると、アンドリュー・アダムソン監督は原作どおりのカスピアン王子だと、最後に国を託されるのに13歳ぐらいでは若すぎるから・・という理由で青年を起用したようです。だけど、ベン・バーンズは20代半ば。十分大人です。コルネリウス博士にこっそり逃がしてもらうには情けなすぎる・・・。そんな事態まで手を束ねているだけやったんかいな、王の器量があるとは思えへんな、と思ってしまいます。作戦に従わず仲間の命を危険にさらしてまで叔父の寝室に忍び込んだのに、父の仇を討てなかったり、一対一の決闘という出番もピーターにおまかせでは、あまりに頼りなさ過ぎる、凡庸な男に見えて違和感を感じます。せめて年齢設定をピーターと同じぐらい・・・10代後半ぐらいに持っていかないと、最初のカスピアンの言動の幼さと、その後の成長に説得力がありません。カスピアン王子の父・叔父・叔父の子の年齢関係を考えると・・・、やはり20代半ばの青年王子ではあかんでしょう。ミラースも大人になるまで王子を生かしておくとは、簒奪者にあるまじき失態だと思えてしまいます。白い魔女も青年王子には誘惑の仕方を変えなくっちゃね。

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 とはいえやっぱり私もベン・バーンズくんの魅力は否定できません。表紙を見て「ムービー・スター」6月号も即買いです。インタビューも読みました。しかしこんなにカッコいい王子だからこそ、20代半ばまで、危険な男・ミラース王のもとでいったい何をやってたんだ?王の息子が生まれるか生まれないかの日にどうして安眠していられるんだ??と余計に疑問が。

 映画は良い、5つ☆。俳優も良い、5つ☆。ただカスピアンくんの年齢設定に疑問が残る一作でした。カスピアンが世界の果てに航海する第3作「朝びらき丸東の海へ」にもべん・バーンズは出演契約しているようです。これも、異世界を旅する驚きや恐怖も原作ではまだ少年王のカスピアンだから可愛らしく見える、エドマンドやルーシーの助けが本当に必要だと思えるのですが・・・。若い王とはいえ立派な大人のカスピアンが、リーピチープや子どもたちの助けを借りるのが違和感を感じられないようなつくりにしてほしいものです。カッコイイ容姿のカスピアンが頼りなく見えないように。ナルニア国物語、原作も映画も大好きです。7部作全部見たいのですが・・・無事全部映画化されるのでしょうか?7部作は時系列に沿っていないので・・・次からはピーターとスーザンは出ないけど、そして4巻目からはエドマンドとルーシーも出ないけど、最終巻だけはまた4兄弟が揃うんですよね・・・。子役たちの成長に製作が追いつけるのかしら?3部作でいったん打ち切りなのかな?心配です、いろいろと。

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2008年5月19日 (月)

花組「愛と死のアラビア」ほか・・その2

 昨日の続きです。

 とにかく「愛と死のアラビア」はストーリーが気に入りました。演じている皆さんもそれぞれはまっていました。大空さんもこの太守の長男という重みのある役のために花組に移ってこられたのかと思うぐらいにぴったりとした若公達ぶりでしたし、トマスを慕うトゥスンを演じる壮さんの子犬のような目の輝き、可愛らしさもぴったりでした。

Photo ←プチミュージアムに展示されている本公演のシナリオ。出演者のサインが入っています。

レビューの方は、設定されているストーリー性を読み取るのに苦労しました。始まる前にプログラムを読んでいた娘の方は、中々楽しかったようです。私もちゃんと読んでおいたらよかった。舟のシーン、海底のシーン、浜辺のシーン等々ばらばらなシーンの寄せ集めな気がしてしまっていました。最後に「あぁ・・・、そうだったのか」と思うのですが。真飛さん率いる海で働く若者たち 対 壮さん率いる不良青年たちのダンスは、ダンスの構成が楽しく見応えありでした。とは言えセラ(壮さん)が勢いあまって飛び出しナイフでマリオ(真飛さん)を刺してしまうところなどは、ウェストサイド・ストーリーにインスパイアされたとしか思えませんね。マリオのお棺が空を飛んでいく演出などは、意味を深読みしてしまいましたが・・・・あとでプログラムを見ると単なる葬儀シーンを象徴しただけのようでがっかり。フィナーレはなんとデニムのお衣装でびっくり。

 さて「母の日スペシャル」のメニューは結構豪華。開演前に朝夏まなとさんと白華れみさんがインタビュアーに答えるという形で作品解説をしてくれましたし、終演後には抽選会で豪華賞品が。私たちは残念ながら何も当たらなかったのですが、ほんの近くの席の方が結構良い賞品に当選されて喜ぶ姿を見て娘のうらやましがることといったら・・・。さらに真飛聖さん・桜乃彩音さん・大空祐飛さん・壮一帆さんのトークショーもありました。みなさんフィナーレの衣装からはお着替えをしたようですがショーの衣装での登場でした。真飛さん・桜乃さんは真紅のデュエットダンスの衣装で、大空さんは空色の総スパンコールできらきら(「お兄さん派手じゃないですか」と壮さんからツッコまれ、司会者からは「重くないですか?」というようなことを質問されてはりました)、壮さんはセラのときのピンクと青の縞模様のジャケット。舞台に並んだ椅子がハイチェアだったので、みなさん寄りかかるような座り方をされていたのですが、壮さんだけ座面にまともにちょこんと座って足をぶらぶら・・・。可愛らしくも可笑しい姿に客席も舞台上の4人(壮さん以外の3人+司会者)もクスクス笑いが止まりません。壮さんと桜乃さんがボケ役、大空さんと真飛さんがツッコミという感じでしょうか、ほのぼのと楽しそうで仲よさそうでいい感じのトークショーでした。真飛さんはトップらしく色々なところに目配りをしている感じが伺えます。「愛と死のアラビア」の役柄をネタに、「お兄さんはどうですか?」と尋ねられた壮さんは「カッコイイです」と答え、「弟は?」と尋ねられた大空さんは「ダメですね」とばっさり。「ここは『可愛いです』というところじゃないですか~」と壮さんに食い下がられていました。トークショーでの桜乃さんはおっとりした、天然のお嬢様というイメージですが、イメージどおりのやさしさで、母の日のプレゼントにこの日のチケットをお母様にプレゼントなさったそうです。このトークショーを聞けただけでも大収穫の大喜びなのに、カーネーションやキューピーのドレッシング、公演プログラムまでお土産についていました。キューピー株式会社さんありがとう。これからキューピー製品を愛用しようと思いました。

 プチ・ミュージアムは先月から続くバウ公演の特集と、懐かしい春野さんの退団公演「アデュー・マルセイユ」「ラブ・シンフォニー」の特集。マルセイユ石鹸製という設定のジャンヌ像(雪ダルマの形のとちゃんと女神になっているものと)や子どものときの劇場の物売りの箱などの展示もありましたし、密輸用の木箱やアルテミスグループの弓は手に取れるように展示されていました。

Photo_2 ←ジェラールな春野さんのロングコート・・・。衣装だけ見ていてもカッコイイ。

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2008年5月18日 (日)

花組「愛と死のアラビア」

タカラヅカ・ピアノサウンド・コレクション 〜ピアノ演奏で聴く主題歌&挿入歌〜::愛と死のアラビア/Red Hot Sea先週、11日ですが、「母の日スペシャル」とのことで、自分で自分にプレゼント。宝塚花組の公演に行ってきました。宝塚ミュージカル・ロマン「愛と死のアラビア」、グラン・ファンタジー「Red Hot Sea。「愛と死のアラビア」は先月のコミカルな月組公演とは打って変わって、シリアスな史劇でした。春野寿美礼さん退団は、もう花組を見に行くこともないかなぁ・・・と思っ ていたのですが、題材が興味深かったのと、「母の日スペシャル」のお得感に誘われて。で、行ってみて大正解。誰が何を演じているかなどは吹き飛んで、史劇の世界にどっぷりはまり込んでしまいました。実話に材を取っているのだそうですがとても物語性が豊かで、ドラマティック、私好みのストーリーでした。

 副題に「高潔なアラブの戦士となったイギリス人」とあります。アラビア人とともに闘ったイギリス人というと「アラビアのロレンス」を思い浮かべますが、この物語はそれより一世紀前、1807年のことです。ナポレオンのエジプト侵攻のすぐあとですね。

 幕が開いて冒頭のシーンは、金色の布で表現された砂漠の中でアラブ風の男たちが歌い踊る群舞。次にピラミッドが浮かぶ、古代エジプトをファンタジックに象徴したシーン。真飛聖さんが白と黄金の衣装でホルス神として神々しく登場し、歌い上げます。「愛と死のアラビア」という題名だからなんとなくアラビア半島が舞台なのかなと勝手に思っていたのですが、ここでやっとエジプトが舞台だったんだ~と気づきました。

 1807年、イギリスはエジプトと交戦中。ナポレオンのエジプト遠征から差ほど年数がたっていませんから庶民は疲弊しています。狙撃兵トマス・キース(真飛聖)と軍医ドナルド・マクラウド(愛音羽麗)はほかの捕虜とは別扱いでオスマンの高官の屋敷に滞在。射撃の名手「ハヤブサの目を持つ男」として、敵の兵からも絶賛されるトマスはエジプト太守ムハンマド・アリ(星原美沙緒)の長男イブラヒム(大空祐飛)の眼鏡に適い、弟トゥスン(壮一帆)の率いるベドウィン騎馬隊の訓練将校としてエジプトに仕えるように命じます。敵兵を訓練することに当初は難色を示したトマスですが、フランス将校のデジュリエ(夏美よう)に「エジプトとイギリスとの戦いは孟すぐ終わるだろう、エジプトがオスマンから独立する手助けだと思うとよい」と諭され、アスワンの騎馬隊のもとへと向かいます。トマスは、その卓越した射撃・剣の腕と指導力とを一心に慕ってくるトゥスンと心を通わせ、親友となります。ベドウィンたちもトマスの能力を認めますが、信仰が違うため、せっかくの勇士も死後は神の国にいけないとうわさしあいます。ある日、キャラバンが盗賊に襲われたと聞いて、トマスやベドウィンたちは盗賊を退治します。勝った者は負けた者の持ち物を戦利品としてわけ合うのがアラビア流。トマスはその習慣になじめませんが、とりわけキャラバンの生き残りアノウド(桜乃彩音)という美しい娘と侍女がいるのに驚きを禁じ得ません。庇護する男がいない女性は奴隷になる慣わしなのです。トマスは、彼女らを高価な馬であがない、アノウドには自分は彼女を奴隷とするつもりがないと言います。・・・

 トゥスンは結婚のためカイロに呼び戻され、トマスもカイロに行きますが、そこでは思いもかけぬできごとが・・・。

 とても感銘を受けたので原作「血と砂 上―愛と死のアラビア (1) 」を今朝読み終えました。まだ下巻が丸々1冊残っているのですが、ミュージカルの内容は、ほとんど上巻の途中までのエピソードしか入っていません。もっとも原作にはまだアノウドはまだでてきていませんが・・・。ミュージカルのほうは原作とも史実とも少しずつ変えてあります。宝塚版のストーリーもとてもよかったけど、原作のエピソードをもっと使って2幕もののグランドミュージカルにしてもよかったのではないかなぁ・・・と思うぐらい原作の内容も濃いいです(まだ上巻しか読んでいませんが・・・読み終えたらまた感想をここに書こうと思います)。もっとも、それだと娘役の方々の見せ場が全くなくなってしまってダメですねぇ・・・。ほんまに男役はカッコいい見せ場たっぷりの作品なんですけど。イギリスで映画化されたりしないのかな??

 劇中、宝塚オリジナルの歌のほかに3回トマスがスコットランドの歌を歌うシーンがあります。真飛さんスコットランド民謡を朗々と歌い上げておられて、心に沁みました。スコットランドやアイルランド、そしてイングランドの古い歌は明治以来「蛍の光」「故郷の空」等々日本語に訳されて愛唱されている歌が多いですよね。島国同士何か通じるものがあるのでしょうか?何しろ最近記憶力に信頼の置けない私ですので、勘違いかもしれませんが真飛さんの歌うスコットランド民謡は、はじめに捕虜としてロゼッタでドナルドと無聊を託つているときに歌う歌と終わりの方に牢獄で歌う歌は同じ曲だったように思います。たぶん「ロッホローモンド(Loch Lomond=ローモンド湖)」。太守の後宮で第一夫人アミナ(邦なつき)に「お国の歌を」と請われて歌う歌は「スコットランドの釣鐘草」または「美しき」として知られる「The Blue Bells of Scotland」だと思います。もし間違っていたら申し訳ないのですが・・・。いずれも歌詞は宝塚独自のものであるように思います。

 「The Blue Bells of Scotland」が歌われる場面は原作ではレイディー・ネアン がチャールズ・エドワード(・ステュワート)王子のために作った「乳兄弟」という歌と言うことになっています。レイディー・ネアンは実在の人のようですが「乳兄弟」という歌は本当あるのなら聞いてみたいです。「The Blue Bells of Scotland」の歌詞も結構それっぽい内容ですね。古謡だから著作権問題はないと思うので歌詞を書いてみます。

The Blue Bells of Scotland

 Oh where, tell me where, is your Highland laddie gone?
 Oh where, tell me where, is your Highland laddie gone?
 He's gone wi' streaming banners where noble deeds are done
 And it's oh, in my heart I wish him safe at home

 Oh where, tell me where, did your Highland laddie dwell?
 Oh where, tell me where, did your Highland laddie dwell?
 He dwelt in Bonnie Scotland, where blooms the sweet blue bell
 And it's oh, in my heart I lo'ed my laddie well

 Oh what, tell me what, does your Highland laddie wear?
 Oh what, tell me what, does your Highland laddie wear?
 A bonnet with a lofty plume, and on his breast a plaid
 And it's oh, in my heart I lo'ed my Highland lad

 Oh what, tell me what, if your Highland laddie is slain?
 Oh what, tell me what, if your Highland laddie is slain?
 Oh no, true love will be his guard and bring him safe again
 For it's oh, my heart would break if my Highland lad were slain

 「蛍の光」を作詞した稲垣千頴という人の明治時代の訳詞も参考までに

美しき(うるわしき)

 美しき わが子やいずこ
 美しき わが長(かみ)の子は
 弓とりて 君のみさきに
 勇みたちて わかれ行きにけり

 美しき わが子やいずこ
 美しき わが中(なか)の子は
 太刀はきて 君のみもとに
 勇みたちて わかれ行きにけり

 美しき わが子やいずこ
 美しき わが末(すえ)の子は
 ほことりて 君のみあとに
 勇みたちて わかれ行きにけり

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2008年5月12日 (月)

5月も「ウェストサイド物語」

 密かに友達と京都劇場にまたもやでかけました。何かの拍子に娘にばれると怒られるので、あえて日を伏せます。娘は部活で不在。私は仕事ってことになっているのです。劇団四季の「ウェストサイド物語」です。なんだかんだ文句を言いつつ結局毎月のように観にいってますね。やはり映画等で有名なミュージカルってことで誘われることも数回。そういつもいつもはお付き合いできませんけど・・・今回は鈴木涼太さんトニー観たさに。

 前三回の観劇時より、キャストの平均年齢は下がっていますよね。何でも若けりゃいいってもんじゃないけど、ティーンエイジャーの話なんだから、青年に見える役者さんじゃないと、それだけで観る側にノイズになってしまいます。

 にっこり笑顔がとてもステキな鈴木涼太さんのトニー、良かったです。歌も若々しいときめきを表現していて、「Something Coming」 「Maria」「Tonight」など、憧れや初恋の喜びが表情からも歌声からも存分に伝わってきました。一幕最後の「マリーア!」の絶叫だけは阿久津さんの方が迫力があったかなと思いますが、全般的にトニーが似合うのは2人の比較で言えば、鈴木さんの方だと思いました。(ラダメスや保科中尉の阿久津さんはとても好きですが・・・・、トニーはすでに年齢的に厳しい気がしました。ごめんなさいね)。 

 望月龍平さんのベルナルドも若々しくてとってもよかったです。少年グループを率いる人でありつつも、孤高の人という雰囲気もありました。4月に観た松島さんのベルナルドもとっても良かったので甲乙つけがたいかな。加藤敬二さんには申し訳ないけど、加藤さんが着たらマフィアか・・・と思わせられる紫シャツ+紫のタイも、若い望月さんや松島さんが着ると、アメリカという新天地で差別の痛みや虚勢なども内包しつつ頑張っておしゃれしている(色の趣味はともかくも)ように見えます。松島さんだと・・・前に書いたように何を着てもお似合いだなぁという感じもありつつですが・・・。

 これでマリアが笠松さんだったら大満足だったと思いますが・・・そうもいかないのが難しいところなんでしょうね。花田さんは、2ヶ月前より日本語がまた流暢になっていたと思います。すごく努力されているんだとはおもうんですが・・・。

 千秋楽までにはもう一度ぐらい娘も見に連れて行ってやりたいですが・・・キャストが分からないと席も予約しにくいですね。

2008年5月上旬のキャスト
【ジェット団】
リフ 松島勇気
トニー 鈴木涼太
アクション 西尾健治
A-ラブ 澤村明仁
ベイビー・ジョーン 大空卓鵬
スノーボーイ      岩崎晋也
ビッグ・ディール    萩原隆匡
ディーゼル        キム スホ
ジーター         川口 雄二
グラジェラ 恒川 愛
ヴェルマ         上延 綾
クラリス         荒木 舞 
ポーリン         山本奈央子
ミニー          桜 小雪
エニイ・ボディズ  石倉 康子
【シャーク団】
マリア 花田えりか
アニタ 団 こと葉
ロザリア 岸本美香
コンスェーロ      村上絵里子
テレシタ        泉 春花
フランシスカ      大口朋子
エステラ        高橋亜衣
マルガリータ      撫佐仁美
ベルナルド 望月龍平
チノ 横山清崇
ぺぺ           水原 俊
インディオ        神谷 凌
アンクシャス      徳永義満
ファノ          佐藤雅昭
ニブルス         斎藤洋一郎
おとなたち
ドック 岡田吉弘
シュランク 田代隆秀
クラプキ 石原義文
グラッド・ハンド 川口雄二

 石倉さんが激ヤセされているように見えたのですが、気のせいでしょうか?

 シュランクの田代さん、「南十字星」の島村中将のイメージが強いせいか、タバコをたかるようなケチでいやな奴ではなくて、ハードボイルドな刑事を期待してしまうんですが・・・。

 カーテンコールの時、西尾さんと松島さんって観客サービスにふざけてみせるんですね・・・ふだんから楽しいカンパニーなんでしょうね。

 今回1幕目に客席で着信音(アラームかもしれないけど)が鳴り響くということがあり、2幕目の始まるときに劇場のお姉さんたちが注意していました。まぁ、普通の着信音だったので、以前「オンディーヌ」を観にいったとき「マスカレード」が鳴り響いたのよりはマシだとはと思いつつも・・・。

 さて、5月6日地元FMに鈴木涼太さんが登場されました。平日だと無理な時間帯ですが、今回は振り替え休日だったので聞くことが出来ました以下鈴木さんのインタビューへの回答をブルーの文字で抄録・・・正確なメモを取っていませんので記憶のままですが)最初DJの人が鈴木さんを紹介するのに「コクリツ音大声楽科を卒業され・・・」と言っちゃったんですよ。鈴木さんはどう反応するのかな?と思ったら、言下に否定するようなことはしはりませんでした。やさしいなぁ鈴木さん。あとからDJに劇団四季に入るきっかけは?と問われた時に「国立(くにたち)音大で声楽の勉強をしていて・・・」とさりげなく訂正しておられました。大学卒業後の進路を考えているときに「友達が『涼太の歌を生かせる劇団四季という道がある』と教えてくれて何にも知らずにオーデションを受けた。入ってから色々とカルチャーショックだった」のだそうです。何に驚いたかというと「ダンスの練習」「いきなりタイツでバレエにびっくりした」「みんなのエネルギーがすごかった」とか。本番後はどんなことをするの?の問いに「みんなでご飯を食べに行ったりとか」。休演日は? 「喉を大事にするためにあまりしゃべらないようにしている」「筋肉のケアのためにマッサージに行ったり」「京都はかわいいカフェがたくさんありますね」「料理もします」とのこと。「昨日は終演後に余裕があったので花田えりかちゃんが料理を作ってくれて」「同期のベルナルド役の望月龍平って言うのが料理がうまいんですよ」「昨日もアボガドとわかめのわさびマヨネーズ和えを作ってくれて・・・」「龍平ん家へ行くとどんどん料理が出てくるんですよ」と。出演者同士いつも一緒にいることが多いのか、と聞かれて「みんな仲がいいです」「でも対立の物語なので朝はあまり(シャーク団の人たちとは)しゃべらないようにしている」「目も合わさないようにしています。」「ベルナルドの目の中に龍平を見てしまうとやりにくいんですよ」「終演後には仲良くします」ということでした。望月龍平さんとは同期ということで格別仲がよいのだなぁ・・・とほのぼのと伝わってくるインタビューでしたよ。ウェストサイド物語は一目ぼれの話だけどそういう経験はあるかと聞かれて「僕は一目ぼれはないタイプですねぇ」相手のことをじっくり時間をかけて知っていくタイプなのだそうです。結びは「いつも暖かく応援ありがとうございます」と言いながら公演の案内をする鈴木さんでした。最後は「Maria」が流れました。録音しておけばよかった!

 演目の違う話題ですが、この前病院の待合室で「Hanako west」6月号を偶然開いたら、「オペラ座の怪人20周年」ということで、1ページですが佐野正幸さんと苫田亜沙子さんの対談が載っていました。ブレスが4小節しか続かない苫田さんに、「8小節は伸ばすように」にと、まるでファントムのように佐野さんが指導してくれたとか・・・こぼれ話的なことが載っていて面白かったです。

 

  

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2008年5月10日 (土)

「魔法にかけられて」映画とノベライズ

 もうかなり前の話ですね。3月16日、ディズニーのミュージカル映画「魔法にかけられて」 を観にいきました。ディズニーのプリンセスストーリーをセルフ・パスティーシュしながら、アニメのおとぎの国から実写のニューヨークにやってくるお姫様・・・劇場予告編が始まった頃からず~っと観たい観たい、絶対観るぞ~~ッと思っていたのですが、なんといつも行っている映画館では吹き替え版しか上映されていなかったんです。田舎は困るなぁ・・・と、こういうときは哀しくなります。でも遠出するのは辛いし、会員割引の関係もあるので仕方なく吹替え版を見ました。もちろん出演者自身の声で観る方が良いに決まっていますが、吹替え版も敬遠するほどではなかったです。何よりも、人気タレントによる吹替えじゃなくて、ちゃんと歌える声優さんの吹替えだったし、ナレーターの松坂慶子さんの声も落ち着いていて深みがあったし。出演者自身の声によって観るのはDVDで我慢・我慢。

 映画館はディズニー・吹替え・・・ときたらちっちゃな子どもだらけ。でも「パロディ」という遊び心たっぷりのこの映画の本当の魅力はおちびさんたちより大人の方がずっと楽しめると思います。

 映画では、おとぎの国・アンダレーシアのシーンはアニメで、現代ニューヨークのシーンは実写で描かれます。アンダレーシアにいるときは人物もアニメ。ここは実写の人物がアニメの世界に入っていく「メアリー・ポピンズ」とは違うところですね。アンダレーシアでジゼルはどういうわけだか森に一人で(人間としては。人語を解し、ジゼルを慕う動物たちはたくさんいます)すんでいて運命の王子様と恋をして結ばれることを夢見ています。そこへ魔女である継母・ナリッサ女王の陰謀で、余計なことを考えないようトロル退治ばかりに興味を向けさせられているエドワード王子が通りがかって二人は恋に落ちます。翌日結婚式のためにお城へと向かうジゼルは、老婆に化けたナリッサに井戸(泉?)に突き落とされて・・・深く深く落ちていった先に一筋の光が見えました。その光に向かって顔を出すと、そこはニューヨークのタイムズ・スクエア。異世界へ来たことなど知らないジゼルはお城を探してニューヨークをさまよいますが・・・。

『魔法にかけられて』ケヴィン・リマ監督インタビュー
配給ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
提供:@niftyコンテンツ

 ジゼルを演じているエイミー・アダムスは30歳を超えていますが、あどけない表情がよく似合っていて女の子にも大人の女性にも見える、ジゼルにぴったりはまり役です。おとぎの国では彼女が歌うと集まるのは可愛い動物たちなのに、ニューヨークでは鳩はまだしもどぶねずみ・ゴキブリ・ハエ・・・こんな動物たちに掃除をさせているシーンは「CATS」を彷彿とさせますね。ディズニー・プリンセスのみならず、他の有名ミュージカルや映画もパロっているのでしょうか?タイムズスクエアのシーンでは、ブロードウェーのたくさんのミュージカルの看板が丁寧に画面に映りますし、ジゼルのもう一人のライバルとも言える役・ナンシーを演じるのは、トニー賞女優のイディナ・メンゼルですものね。ナンシー役の人、どこかで見た顔だけど・・・とずっと疑問に思っていたのですが、四季のCMで何度も観たブロードウェー版「WICKID」のエルファバ役の人だったのですね。ジゼルはニューヨークに来ても、歌と踊りで動物を味方につけ、人間の心も変えていきます。ゼルがセントラルパークを歌い踊るシーンとても好きです。これもきっと何かを暗示していそうですね。なんだろ?

 エドワード王子のジェームズ・マースデンは「ヘア・スプレー」でのクールなラジオ番組MC役も記憶に新しいのですが、実写でも白い歯にキラリと光る◇キラリンなマークを描き込みたいほどの異様なテンションの爽やかさぶり。まっ正直というか直情径行型で、これはうっかりすると上品なガストンに見えなくもないナルシストでもあります。カッコイイ容姿でおとぎの国そのままの行動をニューヨークに持ち込む、とっても面白い役です。

 王子の従者・ナサニエルはナリッサ女王に恋をしていて、いいように使われています。ジゼルを暗殺するためにニューヨークに行きますが失敗続き・・・。この役はティモシー・スポール。「ハリー・ポッター」シリーズといい、「スウィーニー・トッド」といい、小悪党な役が続いていますね。

 離婚訴訟中のバンクス夫妻というのもメアリ・ポピンズのパロディですね。彼らにジゼルがいうことばやそのことばの効果など、やっぱり子どもより大人の映画、という気がしてきますよ。

 この調子だとまたどんどんと長くなりそうなので、もうこの辺にしておきますが、とにかく楽しい映画です。もう一回観たいし、オリジナルの歌声で聞きたい。早くDVD発売してほしいです。

『魔法にかけられて』来日記者会見
配給ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
提供:@niftyコンテンツ
 

魔法にかけられて (竹書房文庫 ディズニー) Book 魔法にかけられて (竹書房文庫 ディズニー)

著者:脚本-ビル・ケリー,ノヴェライズ-佐野 晶
販売元:竹書房
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ノベライズの方は、子ども向けのレーベルや絵本のほかに、竹書房文庫から出ています。読み応えがあるほどのものじゃないけど、映画ではことばになっていないこと(俳優の表情や映像だけで語られているようなこと )が文字で確認できるので、映画をもっと深読みしておきたい人は読んでも時間の無駄にはならないと思います。あぁ、そうだったのか・・・と認識を新たにする場所もありますよ。

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2008年5月 6日 (火)

『モップガール』

 昨秋ドラマ放映されていたものの原作だそうですが、ドラマは観ておりませんでしたので、題名と帯から想像した物語とはちょっと違っていました。

モップガール 『モップガール』加藤実秋著 小学館刊

 時代劇フリークのフリーター桃子は、清掃会社に面接に向かいます。しかしその古いビルの事務所のドアをノックすると、出てきたのはガラの悪い男。しかし桃子が「バイトの面接だ」と告げるところっと態度を変えて歓迎ムード。異様なぐらい犬好きの社長に「犬顔だから」という理由で即採用され、早速向かった先は・・・。そう、この清掃会社は普通のお掃除だけでなく、事件・事故現場の後始末を専門に扱っているのでした・・・。会社にはあと二人、事務をしているギャル・未樹と未樹が思いを寄せる遅刻常習犯の謎めいた男・翔がいます。この本には4話入っているのですが、桃子は現場で起こった事件の影響でそれぞれ聴覚と視覚・味覚・嗅覚・寒暑の感覚に異常が出ます。そのわけを解いていくと同時に、翔の背景も謎が明かされていくという趣向です。

 変な登場人物たち、謎解きの面白さ・・・と、軽く読めて面白かったのですが、私としてはその特別な清掃現場の謎解きではなく、清掃現場そのもののドキュメント的なものをメインとした小説を期待していたので、ちょっぴり当てが外れました。

モップガール モップガール

販売元:楽天ブックス
楽天市場で詳細を確認する

 面白かったのは桃子が面接で最初に出くわした男・重男の存在でしょう。小さな劇団に所属していて、その時々の役柄になりきって平常も行動している元暴走族。1話目ではチンピラ、2話目ではグルメ評論家、3話目では霊能力者、3話目ではニヒルでダンディーな刑事になりきって行動するコメディアン振りがいかにもTVドラマ的だなぁと思いました。桃子の時代劇マニアな様子も中々楽しいですね。

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「源氏物語千年紀展」「暁斎漫画展」「ベトナム反戦ポスター展」

今日(あぁ・・もう昨日でした。5月5日のことです)は、半日かけて3つの展覧会をはしごしてきました。

Dscf0290←多田ヒロシさんの作品が配されているチラシです。このコウノトリのインパクトで今回の特別展に出かけていこうという気になりました。まずは立命館大学国際平和ミュージアムの「ベトナム反戦ポスター展」へ。阪急西院駅を降りたらすぐにバスが来ると思っていたところ、休日のためか205番の本数が少ない!家を出るときにもバスを乗り逃がしたし、ちょっと出鼻をくじかれました。衣笠校前で降りて衣笠キャンパスに入るも、ミュージアムらしき建物はなし。構内案内図を見てもわかりません。体育館周辺までウロウロしていたところ、守衛さんがいらっしゃったので伺うと、ミュージアムはキャンパスの外にあるとのこと。地の利があると思って下調べをしてこなかった私の大失敗です。国際平和ミュージアムは小松原郵便局から少し北、馬代通りに面したところにありました。なんや~、あんなに歩かんでもよかったんやん。・・・それはともあれ、初めて行った国際平和ミュージアム。エントランスから地下展示場への階段のところには、昔は図書館にあったなつかしいわだつみの像がありました。常設展は後回しにして、まずはお目当ての「ベトナム反戦ポスター展」へ。ベトナム戦争は、ベトナムの独立と南北統一をめぐって1960年から1975年まで続いた、アメリカとベトナム人民との戦争です。第2次世界大戦の2倍を超える爆弾や化学兵器が使われ(枯葉剤:ダイオキシンの被害はべトちゃん・ドクちゃんの例を挙げるまでもなく有名ですね)、6万人近い米軍兵士 と100万人以上のベトナム人の命が失われたそうです。ちょうど私の幼少期、日本でもベトナム戦争のことが報道されたり、子どもの読み物の中にもそれを反映した作品が登場したりして、子ども心に戦争の恐ろしさを刻み付けられていました。今回の展覧会は、1967年、日本のアーティストたちがベトナム反戦を野外ポスター展という形で発したものを集めたものだそうです。ポスターの中には作者不詳のものもたくさんありましたが、チラシに使われている多田ヒロシさんの作品をはじめ、いわさきちひろ・井上洋介・今江祥智・杉浦繁茂・田島征三・長新太・西村繁男・和田誠(以上敬称略)など、子どもにも絵本等でおなじみの方々の作品が多数ありました。中でも私とこどもの目を引いたのは、やはり手塚治虫氏の作品でした。画面の右上の方にウルトラマン・ウルトラセブン・大魔神・ビッグX・マグマ大使などが黒い線と臙脂色の彩色のみで描かれ、下のほうにベトナムの子どもが二人掘っ立て小屋の前で困り顔をしている絵に「なぜ、日本のおとなは正義の味方をあんなに作ってるのに ベトナムにはちっともおくってぅれないのだろう?」という詞書が添えられたものです。常設展の方は想像以上にぎっしり豊かな内容で時間のあるときにもう一度ゆっくり見なくてはと思わされました。

Dscf0286 ←チラシと入場券です。 次に昼食をとった後、京都国際マンガミュージアムへ。今日は連休中とあって満員です。こいのぼりを描くイベントなどもやっていてみんな楽しそう。数え切れないぐらいのマンガを読むためだけに一度はゆっくり来たいと思いつつも、今日もそんなにゆっくりする時間はありません。特別展「暁斎漫画展」も大して期待をせずに行ったのですが・・・河鍋暁斎という人のことを全く知らなかった自分の不明を恥じました。天保年間に生まれて明治の半ばまで生きていた人らしいのですが、もともとは歌川国芳の弟子だったそうです。江戸時代の浮世絵風の戯画から明治時代の風刺画まで、とても可笑しい絵の数々・・・。骸骨が歌い踊る絵や、妖怪・つくも神などの絵にも見入ってしまいます。骸骨の絵はたくさんあるのですが、骨格を正確に捉えているのだそうです。新たな鳥獣戯画というべきかえるや狸や狐や猫たちの絵もあります。象の写生もあります。福沢諭吉を揶揄した絵もあります。細かい絵をじっくり見ていくと、小さな展示スペースの割には結構時間がかかりました。私が一番気に入ったのは明治の妖怪画。河童が学校で「しりこだま」「きうり」などのローマ字を習っているのには、思わず吹き出しました。京都国立博物館でも今河鍋暁斎の特別展実施中らしいです。

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Dscf0284 ←図録とチラシです最後は京都文化博物館へ「源氏物語千年紀展」です。色々な時代の写本と絵巻物、画帖・絵詞、屏風など見応えもたっぷり、量もたくさん。近現代のものや海外の翻訳書、大和和紀の『あさきゆめみし』の美しい原画もありました。紫式部日記はもちろん、小右記や栄華物語、長恨歌などの写本、藤原道長自筆の御堂関白記などもあり、軽々しくはしごしてみるべき展覧会ではなかったなぁ・・・。もっとゆっくりと一人で(または源氏について語り合える友達と)見たかったとちょっと後悔。子どもは「あさきゆめみし」を舞台でも観てマンガでも読んだはずなのに、ちっとも覚えていないというし・・・。絵巻物にかかる金泥の雲、いわゆる「源氏雲」について説明できたのが収穫というところでしょうか・・・。分厚い図録を見て家で一人で楽しむことにします。

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2008年5月 5日 (月)

「安野光雅繪本三國志」展

 4月27日、宝塚に行く前に大丸梅田店によりました。いつもあまり展覧会についてくるのを喜ばない娘ですが、横山光輝著の『三国志』全60巻を読んで以来の三国志ファンなので、二つ返事で出かけることになりました。 「安野光雅繪本三國志」展最終日です。

Photo ←チラシと図録です。

 安野さんらしい細密な絵、美しい色。墨彩画風の山もいい。中国の墨や筆、絹本、蔡倫紙、中国の鉱物を使った絵の具(ラピスラズリの青の美しいこと!)など、画材にもこだわり、中国で作った落款を捺し・・・気迫のこもった絵の数々でした。三国志の物語絵が多いのですが、現在の中国の自然を描いたもの、その上に三国志の時代風景を重ねて描いたもの、漢詩(唐詩)の添えてあるものなど、見ごたえたっぷりでした。登場人物を一人一人細かく描き分けてある絵などは展覧会の人ごみの中ではゆっくり見ていられなくて惜しい気がしました。

 旗指物にある文字を見ては、これは誰の旗だったっけ?どんな人だったっけ?どういうエピソードだったっけ??とすっかり三国志の内容がうろ覚えになっている自分にがっくり・・・。今度は北方謙三版か宮城谷昌光版でよんでみたいな、と思いました。

 ショップには中国の絵本版の三国志、も安野光雅さんの他の絵本や「繪本シェークスピア劇場」「繪本平家物語」などもあって、どれもこれもほしくなります。なかでも

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著者:安野 光雅
販売元:朝日新聞出版
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は是非買ってかえりたかったけど、予算が足りずに、図録だけで我慢しました。

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「オペラ座の怪人」20周年

 4月29日に日本公演20周年を迎えたという劇団四季の「オペラ座の怪人」。20周年記念特別カーテンコールがあるというので、大阪四季劇場での公演1周年記念でもある5月3日に観に行ってきました。

 ハービスエント入り口や劇場入り口には記念週にあわせて 色々な装飾が施されてありました。公式サイトに写真が出ているオブジェの前では、それをカメラに収める人たちがたくさん。でも中には、自分たちも一緒に画面に収まるように記念撮影する人たちもいて、一組ゆ~っくりとその場に陣取って交代で撮り合っている家族もいて・・・オブジェのみを撮ろうとした人がキレていました。う~む・・・。発売開始後数十分で売り切れた日程だから、みんな相当なファンばかりだと思うんだけど・・・

Photo_8 劇場入り口で、赤い封筒をもらったので何かなと思ったら、大阪1周年記念のホロ・カードでした。先ほどの不快は消えて、ちょっと嬉しい気分に。劇場ロビーでは20周年記念グッズを買う人の列・・・・は、開幕当初ほどの人数ではなくて拍子抜けでしたが、いざ自分が買いに行ってみると、お目当てにしていた数々のグッズはすでに売り切れ・・・。和手ぬぐいほしかったなぁ・・・。せめて1周年記念日ぐらいまではグッズは取り揃えてほしかったよ・・・。ハットピンだけ買ってきました。
 今回は娘の希望と、チケット取りの時、出遅れたのとで2階席から観ることにしました。上を向かなくても舞台上部にいる怪人がばっちり見える場所ということで。大阪四季劇場の2階席はいつも感心するんだけど、うまく設計して作ってありますよね。2階席で観づらいということをほとんど感じたことがありません。

2008年5月3日マチネキャスト(敬称略) 2007/5/3Cast
オペラ座の怪人 高井 治 高井治
クリスティーヌ・ダーエ 木村花代 苫田亜沙子
ラウル・シャニュイ子爵 岸 佳宏 鈴木涼太
カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹 種子島美樹
メグ・ジリー 宮内麻衣 荒井香織
マダム・ジリー 秋山知子 秋山知子
ムッシュー・アンドレ 寺田真実 寺田真実
ムッシュー・フィルマン 小泉正紀 青木朗
ウバルド・ピアンジ 半場俊一郎 半場俊一郎
ムッシュー・レイエ 斎藤 譲 深見正博
ムッシュー・ルフェイブル 勅使瓦武志 立岡晃
ジョセフ・ブケー                岡 智 佐藤圭一
    男性アンサンブル
男性アンサンブル 女性アンサンブル 増田守人
増田守人 阿賀佐一恵 小島正紀
畠山典之 小野さや香 見付祐一
見付祐一 田窪万理子 小倉佑樹
柏田雄史 是澤麻伊子 佐藤季敦
佐藤季敦 吉田郁恵 町田兼一
町田健一 梅崎友里絵 柏田雄史
金本和起 峰岸由佳 女性アンサンブル
  村瀬歩美 戸田真美
  木村智秋 華山ソナ
  白澤友理 蔵斗絢子
  鈴木友望 畠山馨
  松ケ下晴美 平田曜子
*吉田郁恵さんの「吉」は土に口* 劉微
園田真名美
世登愛子
中野聖子
吉田郁恵
チャ ミヨン
チェ ウンヨン

 キャスト表を見て、ラウルにガッカリだったのですが、まぁしかたがない。だけど、岸さんは2月に観たときよりは進歩されていたと思います。もう少し声に甘やかさがあって、舞台での姿に華が出てくると良いと思うんですけどねぇ・・・。

 木村花代さんのクリスティーヌは・・・声楽の専門教育を受けてらっしゃらないのでいかがなものか、と思いつつ観たのですが、意外やすばらしい伸びのあるソプラノを聴くことができました。他の演目で見ていたときも美声だとは思っていましたが、こんなHighNoteもOKだとは!もう少ししっとりとした情感が声に加われば、きっとステキだと思います。体育会系な雰囲気で、可憐さは他のクリスティーヌに譲ってしまうだろうけど、スタイルも姿勢もいいし、「The Point of No Return」で黒衣の男がピアンジじゃないと気づいたときの演技などはとてもいいと思いました。考えてみたらファントムの仮面をいきなりはいでしまうようなクリスティーヌは、ただの可憐な娘じゃないはずですね。木村花代さん、ビジュアルは綺麗だし、ベルやマコでは好きだったんだけど、ポリーや愛玲では私のイメージより声が野太い気がするのと、演技に繊細さが欠けるような気がして苦手でした。でもこんなクリスティーヌが演じられるなら他の演目でももっと見てみたくなりました。

 あぁ・・・、去年はムッシュー・レイエは立岡さんでしたねぇ・・・。

 大阪公演の初日で観てからちょうど1年ぶりの高井治さんファントム。ステキな歌声を期待して行ったのですが・・・・、う~ん・・・。ほとんどの部分はステキでした。演技の方は、私は佐野正幸さんの熱い演技の方が好みですが、高井さんのスマートなファントムもかなり好きです。何より深みのあるお声が胸に響きます。でも・・・。かなりのお疲れ?喉の酷使のせい?理由は分かりませんけど所々声が割れたり歌が不安定。え~っそんなぁ・・・高井さぁん・・・。特に「The Music of the Night」の「心のおもむくまま」のところと、最後の「わが愛は終わりぬ」にギョッとしました。「The Point of No Return」のあとの「再び来るのだ光なきわが心の牢屋へ・・・・・」と舟を漕いで来るところ、演出上の都合で録音したものを使っているということを聞いたことがあるのですが?舟が着く間際歌がおかしかったような気がします。タイトルロールがこれでいいのか??ちょっとひどすぎないか?と思いました。もちろん、高井さんがすばらしい歌い手であることは十二分に認識していて、他の出演者との比較で言えば手厳しすぎる批判を書いてしまっているのですが・・・でもタイトルロールだし、それも高井治さんとなれば私の中の及第ハードルは他よりもぐんと高くなってしまっているので・・・。

 特別カーテンコールは、支配人二人が幕前に出てきてご挨拶。20周年と大阪1周年と。ファントム以外の名前のある登場人物たちが20周年の歴史を振り返りながら登場してきます。そして「あ、こりゃステキなパーティー」と歌い始め、マスカレード。客席にも仮装パーティーの衣装の俳優さんたちが。2階席には仮面の人のほかにジョセフ・ブケーもいて、通路側の人たちと握手も。やがて幕が上がりスモークの中にファントム登場!再び幕が閉まったあとには仮面をかたどった証明が・・・・。その後も何度もカーテンコールがあり、客席はほぼ総スタンディング状態のようでした。ワタシ的には特別カーテンコールは楽しかったけど、本編は今回はこれまでで一番気持ちが乗らなかったので、スタンディングしよう!という積極的な気持ちは持てなかったのですが、前が立ったんじゃ見えないから仕方がない・・・という感じはありました。大好きな作品なだけに完璧とは言わないまでも、ハイレベルとも言わないけど・・・納得のできる出来であってほしい。厳しい言いようかもしれないけど、最後の一節で余韻が台無しになるような舞台は、口汚く言えば「金返せ」レベルだと思います。ほほえましいとちりやちょっとした失敗とは言えないんですもん。あの熱狂的に開幕をした「オペラ座の怪人」がこんなことになろうとはこのチケットを予約したときには全く予想をしていなかっただけにとてもとても残念でした。しかし、そうは言ってもじゃぁ観にいかなかったら良かったのか、といわれるとそうでもないんですよね。自分で自分の心理を分析しかねてしまいます。

*5月10日追記:劇団四季公式ページの「今宵マスカレード! ―― 『オペラ座の怪人』大阪公演1周年」という記事を読むと・・・若干記念カーテンコールの記憶が曖昧だったことがわかりました・・・。マスカレードの前のバレエシーンはその時は感銘を受けていたけど、このブログを書く頃には記憶が薄れていた・・・って、私、物忘れ激しすぎ!とちょっとショックです。

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2008年5月 4日 (日)

月組「ME AND MY GIRL」

ME AND MY GIRL 主題歌(CD)  とっても楽しみにして、ワクワクしながら宝塚大劇場に出かけたのは4月27日。もう観てから一週間もたっているけど、今でも思い出すと顔がニマ~っとしてしまいます。宣伝文句どおり、楽しくてハッピーな気分になれるミュージカルでした。随所にたくさん取り入れられたタップダンスが幸せ気分を盛り上げてくれます。

 宝塚歌劇月組公演「ME AND MY GIRL」。主演の瀬奈じゅんさん、彩乃かなみさんは、役柄も衣装も演技もセリフもかわいらしいことこの上ない。

 1930年代のイギリス・ロンドンが舞台。嫡出子のいないヘアフォード伯爵家の当主が亡くなり、その妹のディーン・マリア公爵夫人(出雲綾さん・美声に聞き惚れます♥)・遺言執行人のジョン・トレメイン卿(霧矢大夢さん・渋い役柄です。渋すぎるかも・・・。でも霧矢さんは「良き人」の役がよく似合うなぁ・・・)・顧問弁護士のパーチェスター(未沙のえるさん・3枚目的な役をあくなく自然に演じておられて流石です)の3人が八方手を尽くして、ヘアフォード伯爵の昔の恋人の子ども=ヘアフォード伯爵の落とし胤を探し出します。彼の名はウィリアム、通称ビル(瀬奈じゅんさん・本当にサービス精神が旺盛だなぁ・・・と思うぐらい笑わせてくれます)。ロンドンの下町で貧困の中で育ったためひどいコックニー訛りがあり、俄仕立てにせよ紳士とはとても言えません。叔母である公爵夫人は兄の忘れ形見のウィリアムをヘアフォード伯爵家の跡継ぎにふさわしく教育しようとしますが・・・・。 一方、ヘアフォード伯の直系の嗣子が見つからなかった場合、マリア公爵夫人の甥・ジェラルド(遼河はるひさん・わがままで頼りないお坊ちゃんの役をしておられるのによく遭遇します。それにピッタリというと失礼な気もしますが、見ていて自然にはまっています)が跡継ぎ候補とも考えられていたようです。ところがビルが発見されたことで、ジェラルドのフィアンセで公爵夫人の姪のジャッキーことジャクリーヌ(明日海りおさん・気が強くて身勝手なお嬢さま。キリリとした感じが男役の彼女にピッタリという気がします。城咲あいさんとのWキャストのようですが・・・ぜひ両方見比べてみたかった)は、ジェラルドに婚約解消を宣言し、ビルに強引に(かなり強烈に色気を漂わせて)迫ります。しかしビルには大切な「MY GIRL」がいました。魚市場に勤めているサリー乃かなみさん。この作品で見納めとは・・・さびしいですが・・・他の媒体でのご活躍を祈っています)とても可愛らしくて明るい良い娘ですが、やはり淑女ではなく、上流階級からは眉を顰められるような話し方とものごしです。マリア公爵夫人らはビルにはもっとふさわしい階級の娘と結婚して、サリーとは別れるように説きつけますが、ビルはジャッキーに誘惑されても、叔母に忠告されても、サリーへの愛を貫き通そうとします・・・・。

 体を不必要に揺すりながら「ヨッ!」とか「オッ!」とか言いながら出てくる瀬奈さんビル。両ポケットに手を突っ込んで公爵夫人に「叔母ちゃん」と呼びかけ、粗野に見えるように演じているのがとても楽しく見えます。チューリップ柄の可愛らしいワンピース姿の彩乃さんサリーも、チャキチャキしていて・・・そう、二人とも下町ではいなせで気風のいい若者とおきゃんで働き者の娘としてみんなから好かれ、頼りにされていただろうということが、語られずとも分かります。そんな二人が図らずも上流階級の跡継ぎ問題に巻き込まれてしまって起こるドタバタと人情がこのコメディの主題でしょうか・・・。色々と楽しいシーンがありますが、私はヘアフォード家の書斎でご先祖様たちが登場するシーンが結構好きです。

 作中に「ヒギンズ教授云々・・」というセリフがあり、思わず「ふふっ」と笑いを漏らしてしまいました。ところが全体に良く笑えるコメディで、客席にも笑い声が広がることが多かったのに、この場所では私の周りではしわぶきひとつなし・・・という感じでした。ちょっと世代が違うのかな・・・と寂しくなりました。隣席の娘からは「ヒギンズ教授って何か意味あるのん?」ときかれましたので「マイ・フェア・レディの」とだけささやき返しましたが、意味はわかっていなかったと思います。この作品は「マイ・フェア・レディ」にインスパイアされているのかしら・・・?と思ってプログラムをよく読むと、初演は古くなんと1937年とか・・・。すると「マイ・フェア・レディ」はまだミュージカル化されていない時代。原作のバーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」からのセリフなんでしょうか・・・それとも、改訂時に付け足されたセリフなのかな?「ME AND MY GIRL」についてウィキペディアで調べてみたら「『マイ・フェア・レディ』の男性版とも言われる」と書いてありましたが・・・。

 初演が1937年ということは、いわゆる“王冠を賭けた恋”、エドワード8世の退位のすぐあとで、劇中のセリフにもビルが恋のために爵位を捨てることにならないようにという公爵夫人の心配が何度か語られます。もともとの作者も階級社会への批判や、教育によって下層階級の者も紳士淑女として振舞うことができるという信条をこの作品にこめたのでしょうか・・・?

Photo ←休憩時間中の幕もとっても素敵なデザインですね。初演は古くてもモダンな演出で、おしゃれな感じがします。内容、出演者、テーマ・・・すべてにわたって満足できる舞台でした。

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 「ル・サンク」vol.98も、舞台写真たっぷり、初舞台生の口上まである脚本も載っていて十分楽しめました。

  プチ・ミュージアムでは昨夏の「MAHOROBA」で使われたうちわ太鼓や大きな甕に触れるコーナーがあったし、他の小道具や衣装の展示なども楽しく観ることができました。小さな羽根も背負わせてもらいましたよ。

 7月初旬追記

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ライブCDも買って通勤の友にしています。楽しいです。

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2008年5月 1日 (木)

『図書館員』

 十二指腸潰瘍と神経性胃炎、睡眠障害等々で倒れていました。といっても、夜更かしが辛いぐらいで、ほぼ通常の生活を送っていますし、ストレスよけに映画鑑賞や観劇、読書も通常通りですから・・・、いろいろと感想の記事が書けずにいるだけです。

 昨秋読んだ本ですが・・・。

図書館員 上 (1) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 4-4) 図書館員 下 (3) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 4-5) 図書館員 上・下 ラリー・バインハート著
早川書房(ハヤカワ文庫) 2007年5月発行 本体価格・各720円

 大学の上席図書館員・デイヴィッドは、以前に人員整理した司書のエレインから、2~3日の間老富豪の個人図書室の仕事で彼女の代理を勤めることを頼まれます。エレインを解雇したことに負い目があったデイヴィッドは、その頼みを引き受けます。それは、老富豪の個人的な古い書類を分類し整理するだけの簡単な仕事でしたが、数日たってもエレインは姿を現さず、行方知れずになってしまったようです。ある日老富豪の屋敷で行われたパーティーで、知らないうちに「何か」を目撃してしまったらしいデイヴィッドは理由もわからないまま、追われる身となってしまいました。怪しげな男たちに命を狙われるのみならず、凶悪犯として報道されてしまいます。デイヴィッドはどんな秘密の渦中に押し込められてしまったのか??同僚を頼って陰謀を探ろうとするデイヴィッドですが・・・。アメリカ大統領選挙を巡る陰謀をモチーフにしたサスペンス・ミステリです。 作中の現大統領は、ブッシュ大統領を揶揄しているものと思われ、現政権に対する強烈な批判も描かれています。なお、本書に登場する民主党の女性候補は、全くヒラリーではありません。棚ボタのように大統領候補になってしまった女性候補ですが、中々魅力的な人物造型です。大統領選挙の前にぜひ読んでみる価値ありです。

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