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2008年4月21日 (月)

映画「ライラの冒険」 

 先行上映で観にいったので、もう1ヶ月近くたってしまって記憶もあいまいになってきましたが、独特の世界観がとっても興味深いファンタジー映画「ライラの冒険;黄金の羅針盤」 、めっちゃお薦めの映画でした。この映画を観たあと、すぐに記事を書こうとしたのですが、とんでもなく熱く長く語ってしまいそうで・・・。忙しかったこともあり、冷却期間をおくことにしました。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』おすぎが徹底ナビゲート特番
配給ギャガ・コミュニケーションズ×松竹共同配給
提供:@niftyコンテンツ
 まぁ、私はいくつになってもファンタジーや児童文学が大好きな人間ですが、普通に大人の鑑賞に堪える映画だと思います。白熊に乗った少女のポスターだけ見ていると、食わず嫌いする大人もいそうですが、子どもだけに見せておくのはもったいないですよ。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』来日記者会見
配給ギャガ・コミュニケーションズ×松竹共同配給
提供:@niftyコンテンツ

 私たちが生きているこの世界ととてもよく似た世界(平行世界=パラレルワールドという設定のようです)が舞台ですが、そこに住む人々には「ダイモン」と呼ばれる動物の姿をした守護精霊が一人に一匹ついています。大人のダイモンはその人の性格や社会的立場に合わせてその姿が決まっているのですが、未成熟な子どものダイモンはコロコロと姿が変わります。主人公ライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)はとても活発できかん気、知恵のよく回る12歳の少女です。とてもお転婆ですが、友情に厚く、勇気勇気を持って物事に対処する能力を持っています。幼くして両親を亡くし、留守がちな叔父のアスリエル卿(ダニエル・クレイグ)に引き取られてオックスフォードの学寮で育ちます。ある日コールター夫人(ニコール・キッドマン)という謎の美女が現れ、ライラを冒険旅行に誘いますが・・・。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』ニコール・キッドマンインタビュー
配給ギャガ・コミュニケーションズ×松竹共同配給
提供:@niftyコンテンツ

 美しく、気品のある二コール・キッドマンの、優雅さから酷薄さへの豹変ぶり、悪役ぶりが見ものです。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』ダニエル・クレイグ インタビュー
配給ギャガ・コミュニケーションズ×松竹共同配給
提供:@niftyコンテンツ

 ダニエル・クレイグ・サム・エリオットなどベテラン俳優、大人の俳優たちの演技や作品・役柄の魅力はもちろんなのですが、主人公の少女ライラを演じるダコタ・ブルー・リチャーズの演技・表情もすばらしいです。 

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』ダコタ・ブルー・リチャーズ インタビュー
配給ギャガ・コミュニケーションズ×松竹共同配給
提供:@niftyコンテンツ

 まだあどけなさの残る笑顔から、口元をきりりと引き締め難局に立ち向かう強さを見せるところもすでに大女優の風格ありと見ました。この年頃の女の子はすぐに成長しちゃうんだけど、続く2作(この作品も3部作ですからね)の撮影は始まっているんでしょうか?続編の公開のときにあまりに印象が変わっていたりするといやだなぁ・・・。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』エヴァ・グリーン インタビュー
配給ギャガ・コミュニケーションズ×松竹共同配給
提供:@niftyコンテンツ

 ストーリーには色々な概念が盛り込まれています。ダストと呼ばれる粒子をはじめ、他のファンタジーには見られない、この作品独自の設定・世界観をどう表現するかが映像化のカギだったようですが、じっと画面に見入って、引き込まれていくばかりでした。ライラたちの深夜の逃避行、空を飛ぶ魔女族たち、氷原のよろい熊たち、狼をダイモンとする種族の兵士たちとの決戦・・・・。しかし、私が、これこそは活字より映像表現だ!と思ったのは実はスペクタクルシーンではなく、小さな「黄金の羅針盤」のしかけ。本でだけでは想像しにくい構造でした。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』クリス・ワイツ監督 インタビュー
配給ギャガ・コミュニケーションズ×松竹共同配給
提供:@niftyコンテンツ

 詳しく語りだすと、一晩中書いてもとまりそうにないのであと3点だけ。

 「教権:マジステリアム」と呼ばれる人たちについては、明らかにキリスト教会を揶揄しているように見えます。実際に原作へのカトリック教会からの批判もあるようですが・・・.そんな話を聞くと宗教に寛容な国・日本に生まれ育ち、フィクションを純粋にフィクションとして楽しむことが出来て良かったな、と思います。

 「ライラの冒険」の一番の魅力は、やはり少女が主人公であることでしょう。助けを待つお姫様ではなく、さらわれた友人を救い、騙された白熊を立ち直らせ、その敵と対峙する・・・騎士のような活躍をするのが、可愛い女の子。そして目下のところ最大の敵もやはり女性。ジプシャン族のおかあさんや魔女も印象的です。原作者も映画の監督も男性ですが、従来の型にはまった女性像でないところも良いです。

 見終わってすぐ、劇場パンフレットと共にムックも買いました。最近ヒットしそうな大型の映画作品にはほとんどこの手のムックが発売されますね・・・。とにかくなにごとも深めるのが好きな私はすぐに買ってしまうのですが・・・楽しいです。文字数の割にはちと高い気がしますが、インタビューや予告編の入ったDVDつきなので仕方がないのかな?そして帰宅して早速この本に載っているのと、公式HPに載っている「ダイモン占い」を娘たちと楽しみました。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤 パーフェクトガイド』 (TOKYO NEWS MOOK) (TOKYO NEWS MOOK) Book 『ライラの冒険 黄金の羅針盤 パーフェクトガイド』 (TOKYO NEWS MOOK) (TOKYO NEWS MOOK)

著者:TOKYONEWS MOOK(テレビタロウ特別編集)
販売元:東京ニュース通信社
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 ストーリーについて、俳優たちについて、色々なシーンについて、映像のすばらしさについてなどなど語りたいことはいっぱいですが、今日はここまで

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2008年4月20日 (日)

小説のコミック化・・・

 最近ではちょっとおもしろい小説や話題になった映画などは、あきれるぐらいすぐに漫画化(コミック化)されますね。これはどういう現象なのでしょうか?マンガを読む人のうち実際に映画を観たり原作小説を読んだりする人の割合はどのぐらいなのか。同じ作品に小説から入る人とマンガから入る人、どのぐらいの差があるんでしょうか?またその年齢層は???などなど、誰か分析してくれないかなぁ。

 私自身は活字の本を読むのも、マンガを読むのもどちらも大好きなんだけど、やはりマンガの方が1冊を早く読み終わるし、お手軽、疲れたときの娯楽という側面が強い気がします。活字を読むのがしんどいほど疲れたときや、暗いところで読むときなんか絶対マンガを選びますね。だけど、この「コミカライズ」の大流行が、若い人たちが活字の本を読まずにマンガだけで済ませてる風潮に拍車をかけるのならちょっと問題です。だって、文字だけを追っていくより、絵でかなりのことを語ってくれる漫画の方が、明らかに脳は楽です。色々なことを想像力で補う必要がないから・・・。マンガが文芸作品への足がかりになってくれたらいいのに、と思いますが、まぁ無理でしょうね。かく言う私だって名作の漫画家をしたものに感動したからといって、即、その名作には結びつきませんもの。むしろ映画やドラマの方が原作を読みたいという気持ちが強くなります。

 とまぁ、堅苦しい書き出しになりましたが・・・。実はこの前から、私の好きな文芸小説のマンガ版を、続けて3冊と、名作のコミック化を2冊読みました。名作のほうは・・・原作が未読なのでなんとも言えませんが、文芸小説が原作の3冊は、小説とはまた別個の魅力があり楽しめました。

 長くなりますが、読んだ時系列の逆順に紹介します。

図書館戦争(第1巻)  『図書館戦争』 ① 弓きいろ著 有川浩原作 白泉社 花とゆめコミックス

 マンガを描いているのは新人さんのようですが、絵柄もキレイで、なかなか私好み。さすが「LALA」。今でこそ買わなくなったけど、私は創刊号から20年以上も「LALA」の愛読者だったんです。今も娘が買っているコミックスで「LALA」連載のマンガを楽しんでいるのです。つまり「LALA」には今でも私好みの作品が多いってことかなぁ。
 本編を補うように入っているギャグテイストの4コマや、ワンシーンのカットがとっても楽しくて秀逸なカンジ。顔立ちや表情も原作と照らして納得できるし、特に郁の王子さま発言に反応する堂上の照れくさそうな困り顔が良いと思います。副題は「LOVE&WAR」だし、帯の裏表紙に「王子様を探せ…!!」とあるし、かなり少女漫画よりにシフトされたコミカライズです。でも戦闘シーンなどアドベンチャー小説的な要素を横に置けば、おっちょこちょいな主人公に憧れの君、美男美女の同輩に優しい先輩、ほのかな恋心のゆらぎ。主人公はがんばっているんだけど、どこか抜けていて失敗も多い。コンプレックスでいっぱいになりながらも周囲に支えられてがんばる・・・・等々。『図書館戦争』って意外と正統派の少女マンガ的ストーリーを踏襲しているんだと、改めて認識し直しました。

 これは早く続きが読みたくなって小説を読むというケースもありうるかな・・・・、と思いました。 

図書館戦争LOVE&WAR 1 (1) (花とゆめCOMICS) Book 図書館戦争LOVE&WAR 1 (1) (花とゆめCOMICS)

著者:弓 きいろ,有川 浩
販売元:白泉社
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風が強く吹いている(1) 『風が強く吹いている』① 海野そら太漫画 浦しをん原作 集英社 ヤングジャンプコミックス

 少年漫画。青年漫画はほとんど読まない私ですので、絵柄になじめるかが心配だったのですが、大丈夫でした。灰二や走の髪がなんだか長い気がしますし、走の顔がちょっとコワイ気もしますが、力強い線が魅力的なのかなとも思います。ジェットコースターのような『図書館戦争』に比べるとちょっとストーリー展開がゆっくりかなとも思います。今後トレーニングシーンや実際に箱根を走るシーンなどがどう描かれるのか、無理やり駅伝をさせられることになった面々の表情がどう変わっていくのかが楽しみです。しかしこの作品は明らかに原作に分があるような気がします。でも、ここは私好みに少女漫画風美青年が走っていたら違う感想になるのかもしれません。

風が強く吹いている 1 (1) (ヤングジャンプコミックス) Book 風が強く吹いている 1 (1) (ヤングジャンプコミックス)

著者:三浦 しをん,海野 そら太
販売元:集英社
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 一瞬の風になれ 1 (1) (少年マガジンコミックス) 『一瞬の風になれ』 ① 安田剛士漫画 佐藤多佳子原作 講談社刊

 「一瞬の風になれ」は3月の終わりに、TVドラマでも連続放映されましたね。我が家では「走り方がなってない」「ハードルウォークで訓練しろ~!」等々非難囂々。確かに顔立ちもスタイルもカッコいいんだけど、走るのは素人目に見ても100メートル12秒台も無理、全中優勝はおろか高校県大会での好成績さえとんでもない感じでした。「なんでいつでもジャニーズを使うんや?!」「陸部経験のある俳優はいいひんのか?!」と子どもは怒っていましたが、まぁ、タレントさんがほんまもんの選手のように走れないのは仕方がない、とは思います。でも、他の役でも役をこなすための練習をこなすのと同様に、たとえ見かけだけでももうすこしさまになる走り方を教えてあげたらよかったのにと思いました。・・・放送に使う分だけでも体が撚れないように撮ってあげるとかはできないものなんでしょうかねぇ・・・。ラマに比べると、このマンガはなかなかのものです。漫画ならではのビジュアルのおもしろさ(根岸の顔が猿に見えるあたりとか)と、原作のストーリーとがバランスよく重なります。体に軸を作るためのハードルでの練習など、文章だけでは陸上素人にはイメージしにくい部分もよくわかります。これも続きが楽しみです。

 

一瞬の風になれ(1) 一瞬の風になれ(1)

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マンガ蟹工船―30分で読める…大学生のための 30分で読める…大学生のための マンガ蟹工船』 藤生ゴオ漫画 小林多喜二原作 白樺文学館多喜二ライブラリー刊 東銀座出版社発売

蟹工船 (まんがで読破)  『まんがで読破 蟹工船』 小林多喜二原作 イースト・プレス刊

 プロレタリア文学の代表作のように言われている『蟹工船』。そのストーリーが現在の格差社会にあえぐ非正規労働者の若者たちの状況に似ているとやらで再評価されて読まれていると聞きました。はるか30年ほど前と25年ほど前『蟹工船』に挑戦して、その激しい内容に途中で挫折した私でしたが、ずっと気になっていました。最近になってあいついで漫画化されたということで、2冊とも読んでみました。「おい地獄さ行ぐんだで!」という衝撃的な言葉からの冒頭部分は覚えていました。このあと続く港や航海中の猥雑な、あるいは残酷な描写が当時は我慢できなかったんだと思います。会話文の方言も読みづらかったように思います。まんがのように絵があると、その船内の不潔さや残酷さは余計に際立つようにも思えますが、字面を追わないですむだけ、とっつきやすいような気がしました。

 昭和初期、オホーツク海で蟹漁をし船内で加工する工場船「博光丸」では、不衛生な環境の中、貧しい労働者たちが、暴力に支配され、搾取され、生死の境で働かされていた。ある日意を決して立ち上がるが・・・。

 怖いですよ・・・。この描写。悪辣な人間がいっぱい出てくるけど、とても昔のことだなんて思えないぐらいのリアリティがあります。まんがでも、途中で挫折しそうになりましたが、ちゃんと労働者たちが団結することの強さに感動するところまで読み終えることが出来ました。2冊とも。次は原作を読んでみるつもりでいます。

マンガ蟹工船―30分で読める…大学生のための 』の方は、特高による拷問で殺された多喜二の葬儀のシーンから始まっています。さすがに「多喜二ライブラリー」による本なだけあります。私の大好きな三浦綾子さんの「 」(多喜二の母セキさんのひとり語りという形式で多喜二の生涯と死を描いた小説)を思い出しながら読みました。絵はシンプルで読みやすい。私はどちらかといえばコチラの方が好みです。

蟹工船 (まんがで読破) 』の方は文庫版なので安価に手に入るところが魅力です。絵は劇画風で、悪役はより悪人風にデフォルメされて描かれています。

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2008年4月13日 (日)

またまた「ウェストサイド物語」

 1ヶ月近くも更新できませんでした。やっぱり年度末・年度始めは忙殺されます。このブログの標題どおり「忙中閑あり・・・」で、ストレス解消のためにも、少しの閑を見つけては読書をし、映画を見に行きDVDを鑑賞し・・・・ということをしてはいるのですが、余りに忙しくて平日はもちろん休日も持ち帰り残業に励んでしまって、とてもじゃないけど私的趣味の領域でパソコンに何かを打ち込もうという気力がわいてきませんでした。読書もほぼマンガ一辺倒。かなしくなってきます。ともあれ、1ヶ月近くブログを更新しなかった間に観た映画や読んだ本の感想を、それでも折を見て書いていきたいとは思っています。・・・。まずは、昨日の分から。

 

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メインのキャストが結構変わったので、昨日、京都劇場の「ウェストサイド物語」ソワレを観てきました。

  取り合えず・・・・こうして出演者を表にしてみると、ドック役だった立岡晃さんにはもう2度と会えないのが哀しいです。霊界空港でおばあちゃんを待ち続けたおじいちゃんの優しそうなことといったらなかったのに。手回しオルガンを弾きながら京都劇場の階段を下りてくる立岡さんもまだ記憶に新しいのに・・・。

2008年4月12日
ソワレのキャスト
3/1のキャスト 2/17のキャスト
【ジェット団】
リフ 荒川  松島勇気 松島勇気
トニー 阿久津陽一郎 阿久津陽一郎 阿久津陽一郎
アクション 西尾健治 西尾健治 西尾健治
A-ラブ 大塚道人 大塚道人 大塚道人
ベイビー・ジョーン 厂原時也 大空卓鵬 大空卓鵬
スノーボーイ      澤村明仁 澤村明仁 澤村明仁
ビッグ・ディール    萩原隆匡 萩原隆匡 萩原隆匡
ディーゼル        キム スホ 朱 涛 朱 涛
ジーター         川口 雄二 青羽 剛 青羽 剛
グラジェラ 恒川 愛 恒川 愛 恒川 愛
ヴェルマ         上延 綾 上延 綾 上延 綾
クラリス         駅田郁美 駅田郁美 駅田郁美
ポーリン         ソン インミ ソン インミ ソン インミ
ミニー          荒木 舞  桜 小雪 桜 小雪
エニイ・ボディズ  石倉 康子 木村仁美 石倉康子
【シャーク団】
マリア 笠松はる 花田えりか 花田えりか
アニタ 団 こと葉 団 こと葉 団 こと葉
ロザリア 岸本美香 鈴木由佳乃 鈴木由佳乃
コンスェーロ      村上絵里子 村上絵里子 村上絵里子
テレシタ        泉 春花 高橋亜衣 高橋亜衣
フランシスカ      室井 優 室井 優 室井 優
エステラ        榊原央絵 榊原央絵 榊原央絵
マルガリータ      撫佐仁美 撫佐仁美 撫佐仁美
ベルナルド 松島勇気 加藤敬二 加藤敬二
チノ 玉城 任 横山清崇 玉城 任
ぺぺ           水原 俊 水原 俊 水原 俊
インディオ        神谷 凌 神谷 凌 神谷 凌
アンクシャス      徳永義満 イ ギドン イ ギドン
ファノ          佐藤雅昭 佐藤雅昭 佐藤雅昭
ニブルス         斎藤洋一郎 斎藤洋一郎 斎藤洋一郎
おとなたち
ドック 岡田吉弘 立岡 晃 立岡 晃
シュランク 志村 要 志村 要 山口嘉三
クラプキ 石原 義文 荒木 勝 牧野公昭
グラッド・ハンド 川口雄二 青羽 剛 青羽剛

 私、正直言って、今回初めて涙しました、この演目で。特にSOMEWHEREがこんなに心に沁みるシーンだとはこれまで思わなかった。というより、このシーンに至るまでのマリアとトニーの真の恋と葛藤が伝わってくるからこそ、SOMEWHEREでの夢想が切なく感じられるんですね。小さなベイビー・ジョーンもおどおどせずに生きられる世界、エニイ・ボディズにもちゃんと居場所があって、みんなが笑顔で手をつなげる世界、それは本当はシャーク団の若者たちもジェット団の若者たちも心の奥では望んでいるはずの・・・。書いていても胸が詰まってきました。それにトニーが最期を迎える場面ではもちろん涙が止まりません。

 私の中でのこの変化、これはなんといっても笠松はるさんのマリアの賜物でしょう。歌はうまいし声もキレイ。台詞も納得がいくトーンで、純愛一筋の演技が光っていました。すごい美人とは言いがたいけど、可愛らしくて、ベルナルドが宝石だと言って大切にするのも当然という雰囲気をちゃんと醸しだしています。チノも守ってあげたいと思っていたことでしょうし、トニーも一目でこの純粋さに惹かれたのねって感じです。前2回の観劇で感じた作品の古さ、テーマへの疑問(たとえばマリアが喧嘩を止めに行かすことこそが悲劇の要因ではなかったのか?など)は今度は全く感じませんでした。

 そこからすると2/17と3/1の観劇でのフラストレーションの原因の半分以上はマリアのキャスティングにあるような気がします。金返せ!(あら、お下品な)と言いたいぐらい。すみません、下卑たこと書いてしまって。劇団四季は作品の趣旨をちゃんと生かすキャスティングをしてくれないと困ります。主役級の人のセリフが作品鑑賞のノイズになるなんて普通ありえません。スター公演を見に行くのなら演技の下手さもご愛嬌かも知れませんが、「作品主義」を標榜する劇団四季、「一音落とすものは去れ」という標語まで作って芝居の内容を正確に観客に伝えることを大切にしているはずの劇団四季で、こういう主役は良いのか?と疑問に思うことはなはだしいキャスティングでしたから。前にも書いたけど母語でない日本語を一生懸命練習して演じておられることに敬意は表します。俳優さん自身に悪感情を持っているわけではありません。日本語の発語がまだ不十分な(イントネーションが違うこともだけど、日本語を操るのに必死で演技が伴っていない・・・というようなことも含めて)キャストを主役に据えても、平気の平左で同じ安いとは決して言えない料金を課して観客に売りつける(しかも予約時・購入時には観客には予想がつかない)同じ料金を課して観客に売りつけてくる劇団四季の企業姿勢が問題ではないかと思います。日本人の場合はどうでしょう?たとえば関西弁をウリにした芸人、というような、方言を語ることを芸のひとつにしているシチュエーションは別にして、日本人の舞台俳優ががその出身地方の訛りを直せないまま主役をはるということはまずないように思います。

 またまた、不愉快なことを書いてしまいましたが、気を取り直して、他の面、他のキャストの感想です。

 ベルナルド:松島勇気さん。ベルナルドが一気に若返って、マフィアの親分ではなくちゃんと不良少年に見えました。ダンスもキレイですし、私の目には松島さんはベルナルドの服装の方が若く見えるし、魅力的に見える気がします。紫のシャツも赤いシャツも普通に考えれば変な服装ですが、松島さんにはよく似合っておられます。白人社会で必死に虚勢を張るマイノリティーの少年が、懸命にダンディに装っている様子をよく表現していると思いました。

 アニタ:団こと葉さん。今回も団さんには歌もダンスも演技も大満足。リンとしているし、地声系で蓮っ葉に歌う歌でも気品を感じます。ですが、松島さんが若く見える分、団さんがお姉さんに見えてしまいます。今日TVCMに出てくる樋口麻美さんアニタを見てて思ったのですが、団さんアニタのあの髪型がちょっとオバン臭いんじゃないでしょうか。コンスエロとちょっとかぶるけど、樋口さんみたいなフラッパーヘアorカーリーヘアorソバージュ~~~という感じの髪型にしたらもっとキュートに見えないでしょうか? 

 リフ:荒川務さん。荒川さんも不良少年というより、かなりのオジサンのはずですが・・・小顔で童顔でいらっしゃるせいか、それほどの違和感は感じませんでした。わたしには加藤さんベルナルド・松島さんリフのコンビより、松島さんベルナルド・荒川さんリフの方がなじめました。とはいえリフデビューからすでに20年以上の荒川さん、と思うと、高齢化問題は感じざるを得ません。

 トニー:阿久津陽一郎さん。前髪が伸びたのか?、痩せられたのか?前とは違う印象です。京都劇場で約2ヶ月トニーを続けておられるわけですが、また進歩されたのかもしれません。2月と3月の観劇ではバルコニーやマリアの部屋でのべた甘な声がちょっと気色悪かったんですが、今回は全く気になになりませんでした。、前に感じたオジサンが若者を演じているというムリムリ感もなく、ちゃんと爽やかな若者のトニーだと思えました。もしやこれも笠松さんマリアの効果?実は鈴木涼太さんのトニーを期待していた(前日は鈴木さんでしたから)ので、劇場でキャスト表を観てちょっぴりショックだったのです。でもこんな阿久津さんトニーを見ることが出来て、かえって満足度があがりました。

Photo_2Photo Photo_3  今回の画像は・・・・USJです。ニューヨークエリアにある一角。映画「スティング」と「ウェストサイド・ストーリー」の映画セットに模したものがちゃんとありました。バルコニーには上れなかったけど。奥にはTaylorの玄関も。

 

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