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2008年2月11日 (月)

「ベガーズ・オペラ」大阪公演その1

 一昨日、「オペラ座の怪人」マチネを観たあと、同じく梅田で「ベガーズ・オペラ」のソワレを観ました。場所は梅田芸術劇場です。

Photo_24 ←公演チラシと「ベガーズ・オペラ新聞」 です。 「ベガーズ・オペラ新聞」 は無料配布の販促グッズなのに読み応えがあるし、編集センスも光っています。

あらすじをざっと書くと・・・。舞台は18世紀はじめのロンドン。「スウィーニー・トッド」より更に一世紀前です。最初舞台には老役者が現れ、こじきたちに一夜だけ劇場を貸したものの、一向に現れないと嘆きます。そこへ客席からどやどやとこじき一座の登場。一座の作家はこじきのトム。そして演じられる物語は・・・。あくどい商売をしているピーチャム夫婦は、娘のポリーが追いはぎのマクヒースと結婚したと聞き激怒。マクヒースを密告し刑務所に追いやろうとする。マクヒースは逃げるが隠れ家では娼婦を何人も連れ込んでいるドン・ファンぶり、そこへピーチャム自らマクヒースを捕らえにやってくる。刑務所ではマクヒースの子を身ごもった看守の娘・ルーシー、彼の不実を詰る。そのルーシーをかき口説いてマクヒースは脱獄。上流の人たちと賭け事をしたり、復讐をたくらんだりしつつもついには処刑・・・しかしそこにどんでん返しが!

 ストーリーは劇中劇の内容が複雑に思えて最初のうち混乱しました。マクヒースは「キャプテン」と呼ばれていますから、最初は船長なのかと勘違いしたぐらいです。ピーチャムのことも官憲の末端にいるのに盗品売買に手を染めているのか、と思ってしまっていたし。取り合えず劇中劇の登場人物設定だけでも先にプログラムを読んでおいた方がいいと思います。猥雑な集団(なにしろ乞食と言う設定ですからね)が演じる猥雑な劇(登場人物はみんな犯罪者なんです。看守も悪人だし)の奈辺に感動なり見るべきものがあるのか、なぜ劇中劇と言う設定なのかを考えながら、必死で物語を追いかけました。そのうちにこれはどこかで知っている話だよ~~~???、と、思いつきました。どこで観たのか、聞いたのか、読んだのか??? 家でプログラムを読んで判明しました。「ベガーズ・オペラ」はブレヒトの「三文オペラ 」の原作だったのですね(もっとも「三文オペラ」は芝居を観たわけではなく、20年も前に本を斜め読みしたときのあいまいな記憶しかないんですけど)じっくり観ていると風刺が効いていてかなり面白いことがわかってきます。それこそ舞台になった17世紀の同時代に作られた最古のミュージカルと言われていますが、古さを感じさせません。長く引用させていただきますが、「人はみな 生きるために もがいて 罪を背負う 裁かれるものと裁く者 分かつものは何だ 人を騙して生きるやつ 戦争起こして稼ぐやつ 本当の正義があるのなら 吊るされるのは誰だ」とマクヒースと仲間たちが歌うナンバーなど、20世紀のプロテストソングだといわれてもうなずけます。実は「ベルばら」や「レ・ミゼ」が好きな私、時代背景も国境も忘れて、このナンバーのあと市民革命の火の手が上がるのかと期待してしまいました。

 不思議な演出で舞台上の両端にも客席がありました。あの席は近くてよいけど、観やすいのかなぁ?最初近藤洋介さんの演じる老役者が、その舞台上の席の観客たちに荷物を運ばせたり舞台上の掃除をさせたり、というお楽しみも。乞食たちは客席後方入り口からの登場で、私は真近で森公美子さん、高嶋正弘さんを見ることが出来てそれだけでもかなり満足。 幕間には乞食たちが客席をウロウロ。何度か観劇して事情通らしいお客さんは色々なお菓子を上げていました(終演後のトークショーで橋本たかしさんが大阪の女性はみんなが飴ちゃんの袋を持っているとネタにしてはりました)。バレンタイン前だからチョコレートの包みを持ってきている人たちも。楽しいファンサービスですねぇ。

 登場人物も豪華で満足です。ミュージカルらしく歌える方々ばかりですし。もちろんそれが当たり前なんですけど、1ヶ月前の「ファントム」は、それでがっくり来ていますからね。あのあと密かに心配の種を育てていたのです。高嶋政宏さん・森公美子さん・島田歌穂さん・笹本玲奈さんがすばらしい歌声なのはもちろんよく知っていましたし、期待通りでした。すばらしい!大河ドラマ「風林火山」で一気に注目の的(私&娘のなかで)になった内野聖陽さんですが、もともとが新劇俳優さんだけに、主役が歌えないような人だったらどうしよう・・・とドキドキ。でもまったくの杞憂でした。声量・音程共に十二分。迫力ありました。よく考えたら以前にもトート役を演じていらしたんですよね。失礼しました。

「ベガーズ・オペラ」のプログラムでは、登場人物の紹介はみなさんそれぞれ本人が書いているそうです。個性的でなかなか芸術的でもあります。内野さん、橋本さん、島田さん、笹本さんらはご自分をイラストでも表現されているのですが、これもまたお上手なのです。

 役者の皆さんは初演のときに17世紀のイギリスについての研究発表もなさったそうで、詳しい時代背景がプログラムで解説されています。ずいぶん読み応えがありますし、勉強にもなります。いつもはプログラムを買わない方も今回ばかりは買ったほうが良いと思いますよ。

 終演後はトークショーがあり、主演の内野聖陽さんのほか、地元出身の高野あゆみさん・橋本たかしさんが、公演について大阪についてにぎやかで楽しいトークを繰り広げてくださり、30分余りのトークショーだったのですが、あっという間に過ぎてしまいました。

(その2に続く→http://chualacream-chan.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_cfd2.html

↓ベガーズ・オペラの原作です。

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