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2008年2月25日 (月)

林真理子著『野ばら』

 宝塚歌劇団の内情がよくわかる小説・・・とやら教えてもらったので、買って読んでみました。

 野ばら『野ばら』林真理子著 文春文庫 です。

 雑誌のフリーライターをしている萌と、宝塚の娘役のいずれはトップかとも言われている千花が、英国大使館で行われるあるブランドのコレクションはの招待のために、半蔵門のホテルで待ち合わす・・・という場面から物語は始まります。萌の父母は往年の大スターの息子と、日本でも有数の財閥のお嬢様でしたが、今は離婚して、母子二人暮し。母は地味な公務員として働いており、実家ともほとんど往来はありません。萌と千花も、二人の母たちも聖心と思しきカトリック系の有名お嬢様学校で学んでおり、同級生たちもそれなりの家庭に育っています。セレブな二人の恋愛と青春後期を淡々と描いた小説です。

 千花を通して、宝塚歌劇団の団員の生活が描かれています。楽屋の雰囲気やファンが生徒たちにどんなことをしてあげているのか、など、かなり詳しく書き込まれています。林真理子さん、かなりの事情通ですね。千花のモデルとなったタカラジェンヌさんも特定されているそうです。まぁ、オールフィクションならともかく、実名がすぐにわかるモデル小説をスキャンダラスな内容まで細かく書くのはアリなんでしょうか???

 「若く美しい二人は、どこへ行っても歓迎された」とありますが、その「どこ」がわれわれ庶民の知る世界とは全く違うところばかり。萌は父親ほどの年齢の、妻帯している映画評論家に執着し、千花は歌舞伎界の御曹司との恋に、梨園の奥様への憧れをつのらせます。生活臭のしないセレブな二人のドロドロとした恋愛は、ちっとも私の心に響いてきませんでした。たとえ「若く美しい二人」でも、「私たちって、ずうっと不幸にならないような気がしない?」 なんて幸福に酔っていても、苦悩はすぐそばに潜んでいました。それを乗りこえていくところに物語の感動があるはずなのですが、この生き方は、やはり違うのです。子どもっぽい。まったく感情移入できないのです。

 まぁ、私にとっては、千花の宝塚生活の断片の描写が興味深かったと言うだけの小説でした。

野ばら
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

野ばら (文春文庫 (は3-29)) Book 野ばら (文春文庫 (は3-29))

著者:林 真理子
販売元:文芸春秋
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