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2008年2月 5日 (火)

映画「スウィーニー・トッド」その2

スウィニー・トッド /フリート街の悪魔の理髪師 ポスター ジョニー・デップ 主演 ティム・バートン 監督  昨日の続きです。でもこの調子で書いていくと、最後のシーンまでネタがバレバレになりそうです。ネタバレが困る人は読まないでくださいね。

 ターピンがやってきたら復讐を!と思っているのに1週間たってもやってこないからトッドはイライラしています。ミセス・ラベットは「Wait」 (ヘレン・ボナム=カーターの発音は「ワイツ」と聞こえます)と歌います。

 (「Wait」の歌とどちらが先だったか忘れてしまったけれども)ターピンを待ち構えるトッドのところにやってきたのはピレリ。ピレリは、実は少年期にベンジャミン・バーカーの弟子を志願していたことがあったのだ。トッドの正体に気づいてゆすりにきたピレリはトッドの最初の犠牲者となる。死体は取り合えず長持に隠し、ピレリを探すトビーはミセス・ラベットがパイや酒を与えて何とか言いくるめてしまいます。トビーはミセス・ラベットにご馳走してもらいながら悲しい身の上をあっさりと語るのですが、すさんだ暮らしの中ティーンエイジャーにもならないうちにリッパなアル中になっているようです。

 アンソニーがジョアンナのことをトッドに報告にやってきます。もちろんトッドの娘とは知りません。二人で駈落ちをする計画を打ち明けます。

 ターピンの不正な裁判のシーンでターピンの悪人振りを描いたり、ジョアナの部屋をドアの穴から覗くターピンの変質者振りを描いたり。ターピンはジョアナにプロポーズをしたのに喜んでくれないとバムフォードに漏らし、バムフォードはターピンの機嫌をとりつつ「Ladies in Their Sensitivities」の歌で、身だしなみを整えるために理髪店に行くように薦めます。

 いよいよ仇敵タ-ピンを手中に迎え、カミソリを振るう(ちゃんと身だしなみを整えてあげています。まだ殺人に逡巡があるのでしょうか?)トッド。トッドとターピンは「Pretty Woman」の二重唱 。いよいよ喉を切り裂こうとする刹那、アンソニーがジョアナとの駈落ちの段取りのために飛び込んで来ます。

 すんでのところでターピンを逃してしまい、怒りと狂気をほとばしらせるトッドがカミソリを振り回しながら歌う「Epiphany」。“Come on, come on, Sweeny's waiting!”・・・空想なのか現実なのかどんどん人を死の淵に誘います。

 トッドが殺した男たちの死体を、足りないパイ・フィリングの肉に利用すれば良いと思いつくミセス・ラベットと名案だとうなづくトッド。かくして世にも恐ろしい人肉ミートパイが出来上がる「A Little Priest 」。ヘレン・ボナム=カーターの声が無邪気に聞こえるだけに恐ろしい。トッドの理髪椅子は喉を掻き切られた男たちがすぐに地下のパイ工場へ落とせるようになっている。

 アンソニーとの駈落ち計画がばれたジョアナは、ターピンによって牢獄のような病院に入れられ、そうとは知らぬアンソニーは「Johanna」と歌いながら街をさまよいます。

 死体はどんどん量産され、肉がたっぷり入ったミートパイの店は大繁盛。トビーはミセス・ラベットの店で売り子をつとめて歌います。「God, That's Good! 」おいしいパイに店は大賑わい。ミセス・ラベットも機嫌よく忙しく働いていますが、そこへ例の物乞いの老女がやってきます。煙突から立ち上る黒い煙に不吉なものを予感する物乞い(この頃になると、顔が結構はっきり写るので、実は老女ではないこと、その正体もわかってきます)をミセス・ラベットは異様に嫌悪し、トビーに何度も追い払わせています。

 店の繁盛ぶりにミセス・ラベットは幸せな生活を夢見て歌います。トッドと自分とトビーの3人で海辺に遊びにいく計画「By the Sea」 。空想の旅行シーンで青白い顔だけど楽しそうなミセス・ラベットに対し、あくまで無表情なトッド。めまぐるしく変わるシーンの連続で、これはきっと舞台より映画が断然楽しいナンバーなのじゃないでしょうか? 

  トッドが悪人だと言うことにうすうす気づいたトビーは、恩あるミセス・ラベットを自分が守ると誓って歌う「Not While I'm Around」。 自分に優しくしてくれた母のようなミセス・ラベットが自ら望んで悪事に加担しているとは思ってないんでしょうね。けなげな歌です。でも、秘密がばれたらミセス・ラベットも身の破滅。トッドもトビーを生かしておくつもりはありません。ミセス・ラベットはパイ作りの手伝いをさせるからとトビーを地下の作業場に連れて行き、肉挽きの大きな道具の使い方を教えて作業をさせ、涙をこらえて彼を閉じ込めます。部屋の中央あたりにある大きなオーブンの中で燃え盛る火はさながら地獄の業火のようです。閉じ込められたとは知らないトビーはパイをつまみ食いして、あるものを発見。人肉入りパイだということに気づいてしまいます。

 一方でアンソニーはジョアナの閉じ込められた病院を見つけ、トッドに相談に来ます。トッドは精神病院なら鬘師が髪を買いにいく習慣になっていることから、鬘師の助手に化けて探しにいくことをアドバイス。アンソニーは早速救出に向かいます。見るからに虐待施設である精神病院には若い女の子たちがたくさん閉じ込められていました。19世紀ごろのこういった施設は・・・他の物語から想像がつきますね、ひどいところです、きっと。院長の案内でひとつの部屋に入るアンソニー。院長に怯える「娘たち」。院長の隙をついてジョアナを助け出すアンソニーですが、去り際に「あとは娘たちの好きなように」と一声、「娘たち」は恨み重なる院長に襲い掛かります。この場面は胸がすきますね。

 トッドはターピンにアンソニーとジョアナがまた駈落ちしようとしてこの理髪店にやってくるという手紙を書き、あわててやってきたターピンを・・・・

 以下最後のクライマックスの解説はなんぼなんでも自主規制・・・。このへんにしときます。

【ポスター】 スウィーニー・トッド(出演:ジョニー・デップ) でも最後の最後のトビー。彼は生き延びるのですがどんな人生を送っていくのでしょう。可愛らしい彼の顔も最後のシーンでは白塗りに大きな隈の禍々しいメイクに。人肉パイを売り、食べた経験、人を殺した経験、そして幼い頃から強い酒を飲む習慣があると来ては・・・。それも19世紀のイギリスの闇の中に・・・。

とにもかくにも鮮血ほとばしるシーンが多くて猟奇的、なのにとても魅力的な映画でした。ミュージカルの魅力と、悲劇のかたちと。

 しかし、野暮なことをいうようですが、「食の安全」が危うい今、真似する人がいませんように・・・とも思います。

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↑日本版は↓輸入版より3曲少ないです。要注意。

スウィーニー トッド: フリート街の悪魔の理髪師/Sweeney Todd: The Demon Barber Of Fleet Street (Dled)

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昨年市村正親さん、大竹しのぶさんの主演で日本バージョンのミュージカルを上演していたんですよね。チラシは見たんだけど、舞台は見逃していました。いまさらながらに残念です。

 

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