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2008年1月14日 (月)

大沢たかお「ファントム」初日 その2

 さて、昨日の続きです。どうしても辛口批評&ネタバレになってしまいますので、それがいやな方のお目にとまってしまったらご容赦を。スルーしてくださいね。

 今日は娘と宝塚花組版のCDを聴き つつ、やっぱり昨日の「ファントム」の訳詞、台本はいかがなものかと、改めて思いました。あまりメロディに乗っていない歌詞もさることながら、たとえばカルロッタがクリスティーヌに出自を聞くシーンでも、宝塚版では「農場?」と聴いているのに対して、この版では「田んぼ?」・・・フランスなのに田んぼ。畑でなく田んぼ中心の農家は、かの地では一般的じゃないんではないでしょうか?訳語にいくつか難があるように思いました。まぁ、原文を読んでいない(知らない)から正確なところはわかりませんが。Photo_25

 右は、梅田芸術劇場前にあったポスターを撮らせていただいたものです。ファントムの内面の苦悩を表現している のかもしれませんが、私の感覚では、あんまり芝居の内容を表しているとは言いがたいですね。結局やっぱり大沢さんというかたを見たいひとのためのお芝居だったのかなぁ。それでもどちらかといえばチラシのデザインの方が私は好きです。

 カルロッタ役、大西ユカリさんですが、この方はちゃんと腹筋を使って歌えていたし、せりふも聞き取りやすかったと思います。(なにせ主役のお二人が一番せりふも聞きづらかったし・・・。)ただ、とてもオペラ歌手役とは思いにくい。とってもお上手でパワフルでソウルフルな歌声。この方の持ち歌がぜひ聴いてみたくなりました。でも、オペラの主役はいつもソプラノ。カルロッタはアルトの役かも知れないけど、ソプラノの音域に近いところまで歌えなくては「アイーダ」や「トスカ」のタイトルロールを演じたという設定が生きない。「This Place is Mine」の最後では高音を張り上げてほしいところでした。この役は安易なキャスティングかもしれませんが、宝塚OGのどなたかの方が良かったのでは?

 製作者は「ファントム」というミュージカルがやりたかったのか、とにかく大沢たかおさんでミュージカルをやりたかったのかどちらでしょうか?前者ならキャスティングミス、後者なら作品選定のミスだと思います。もっとポップス調の曲ばかりのミュージカルなら、きっと大沢さんに絶賛の拍手を送ることが出来たかもしれない。オペラを扱っているだけに、このミュージカル曲には、クラシック的な歌い方が合うと思うのに・・・・。いずれにせよ、主役が初ミュージカル出演で、歌手でもダンサーでもないと来れば、せめて他にソロのある人はもっとそれをフォローできる体制でないと。

 「ファントム」という作品・楽曲については、昨日も書きましたが、私はとても好きです。曲が美しいし、原作小説を換骨奪胎して、ファントムを母を慕うナイーブな青年として描いているのも、母には愛されていたという設定に変えたのも良いと思います。まだブロードウェーでの上演がないらしいと知って、意外なくらいです。

 今回のバージョンではシャンデリアの落下というスペクタクルなシーンはなく、そのかわりに瀕死のファントムが、天井からの縄を伝って逃げようとするとき短い宙乗りがありました。宙乗りのときは場内から「おおっ」とばかり喚声があがりましたが、逃げおおそうとするのではなく、キャリエールに助け(銃殺)を求めます。・・・う~ん見せ場の演出がいまいち。そしてついにエリックは死に、クリスティーヌのソロがあって終わるのですが・・・・。たぶんここで幕(実際には幕は下りない)の拍手だろうと思うところで、客席はシ~ン。感銘を受けたわけではなく、あっけなすぎる幕切れに拍手をする潮を逸したという感じです。拍手のないままカーテンコールが始まり、やっと拍手。う~む・・・。

 原作ではエリックはその醜さゆえにさすらい、南欧やペルシャで色々な技術を身につけていたし、花組バージョンでは浮浪者を地下に住まわせていました。ですからただの男としてオペラ座の地下に隠れ暮らすのではなく、「ファントム」として不可思議なこともやってのけられたのだと思うけれども、今回の演出ではそういう側面はなく、「怪人」としてのアイデンティティは醜い外見のみにあるようで、それもいかがなものかと。

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 文句ばかり書いてしまいましたが、この作品自体は好きなので・・・いつかどこかでもっと良い状態で出会いたいものです。

 いやまぁ、ほんまに高い買い物でした。劇の内容だけではありません。初めてプロモーターのサイトでプレリザーブというものをしたのですが・・・。こんなに手数料が高いとは知りませんでした。もう絶対利用しません。団体扱いでのチケット斡旋があるときだけ観劇することにしようと思いました。しかも、プレリザーブなんてしなくてもとりやすい舞台だったのですよね・・・。さらにそうまでしたのに、席は悪かったし。大作の初日なのに初日らしいこともなく、翌日のならイベントがあるなんて!もうなんだかがっくりきた観劇でした。

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コメント

いやはや、同感の極みです。
私も「ファントム」の音楽がだ~~い好きで東京の千秋楽を見にいきました。えくれーるさんのおっしゃるように私も大沢さんの歌唱力にわくわく期待して行った一人です。他の方々についても、ミュージカルだからきっとかなり上手いのだろうと!!宙組版の「ファントム」ならスラで口ずさめますよ・・・ってほどに宙組版の歌詞がインプットされているせいで今回の「ファントム」の歌詞が違和感あるのかなぁ・・・とか、一回ぐらいの観劇じゃぁ良さがわかんないのかなぁ・・・とか、舞台に集中できないこともありましたが、が、でも、やはり、歌がうまければ歌詞は変でも(失礼)あの旋律ならはいっていけるはずだと思うのです。ほとんど知らない役者さんたちばかりの舞台ならせめて歌唱で感激したかったです(´`)゜゜私も半額は返してほしい気持ち。。。宝塚版の完成度って高かったんだと認識しました。和央、花總、安蘭、樹里、出雲、ってすんごい歌い手さんが揃ってたんだなーって。

投稿: 35 | 2008年2月28日 (木) 21時31分

 35さま、ご訪問&コメントありがとうございます。私は花組版の「ファントム」は大劇場でも観たしDVDも持ってるんですが、宙組版はビデオでしか観ていないんです。でもいずれにせよ、良い作品・良い舞台でしたよね。カルロッタはどちらも出雲綾さんだったと思いますが、「This Place is Mine」なんてホントに名演というか名唱で、家でも「あ~忙しい、時間が足りな~い!オペラ座のけぇぇぇぇえーいは、やるこ・と・だ~らぁけ♪」のなんども口ずさんでいます。モーリー・イェストンの曲はとても美しくて大好きですし、ホントにもっと歌唱力のある役者さんたちで再演してほしいです。演出ももちろん改善してほしい。

投稿: えくれーる☆ | 2008年2月29日 (金) 19時40分

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