« 「少女マンガの世界 原画’(ダッシュ)京都展」 | トップページ | 『つくもがみ貸します』 畠中恵著 »

2008年1月16日 (水)

映画「椿三十郎」と原作

 織田裕二さん主演の映画「椿三十郎」は年末に観にいったのですが、あわただしくて感想を書き込めていませんでした(感想を書き込めていない本やマンガもたくさんたまってきました)。
 
 「踊る大捜査線」以来、娘が織田裕二さんをカッコイイと思い込んでいるので(当時小学校低学年の小さな娘にせがまれて、大人ばかりの「ホワイト・アウト」や「T.R.Y.」も観に行きましたよ。他の人たちにはお母さんの趣味につき合わされていると思われそうだな・・・、実際は娘の趣味なのに・・・と思いながら・・・・まぁ、実際織田裕二さんは私の目から見てもカッコイイし、映画も良かったので何の不満もありませんが) 、娘の選択にしては珍しく時代劇を観にいきました。私自身は、父の影響で幼い頃から時代劇に親しんできたので、久しぶりにチャンバラ映画なるものを見るのを楽しみに観にいきました。 ひと言で言えば、あ~おもしろかった!・・・・というところ。チャンバラ映画の醍醐味を堪能しました。
 黒澤明氏+三船敏郎氏の、往年の名作映画を私は観ていないので、今回のリメイク版との比較ができないのが残念なところ。機会があったら見比べてみたいものです。

椿三十郎OFFICIAL BOOK (ぴあMOOK) (ぴあMOOK) Book 椿三十郎OFFICIAL BOOK (ぴあMOOK) (ぴあMOOK)

販売元:ぴあ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 孤高の剣士、でも職にあぶれたむさくるしい浪人者の椿三十郎。破れ寺(いや、神社かな?)に仮寝し空腹をかこつていたところに、若侍らがやってきて謀議を始めた。リーダー格の井坂(松山ケンイチ)によれば、藩の高官らによる汚職を追求せんがために、井坂の伯父である城代家老・睦田(藤田まこと)に相談を持ちかけたが相手にしてもらえなかった。茫洋とした睦田と違い、切れ者と噂される大目付・菊井(西岡德馬)に話を持ちかけたところ、今夜ここで若者グループ全員と話がしたいと言ったという。正義をなすために色めきたつ若者たちだが、そこへ別の部屋から「危ない、危ない」と言いながら椿三十郎が現れる。その大目付こそ黒幕かも知れぬ、と若者らを諭す椿三十郎に、最初は胡散臭そうな目を向けていた若者らも、実際に捕り手が寺(神社?)を取り囲んだのを知り、椿三十郎に手助けを請う・・・・。
  スパパーンと敵を蹴散らす、椿三十郎=織田裕二、カッコいいです。まさにこの映画制作者の狙い通りという気がします。実際にはこれは大量殺人だよ~なんて現実に沿わせてしまうと血腥いので、そこはチャンバラ・作り物、とわりきって楽しみましょう。映画の最後の決闘シーンの刀の一閃まで、殺陣こそこの映画の魅力でしょう。敵方の剣豪を演じる豊川悦司さんの曲者ぶりもクールです。
 茫洋とした睦田ですが、実は大人物だと言う雰囲気を、台詞や過剰な演技に頼らず、その存在感だけで漂わせている藤田まことさんはさすがだと思いました。その睦田の、まるで貴族のお姫様のように鷹揚な妻と娘を、中村玉緒さんと鈴木杏さんが演じています。ものすご~いおっとりぶりが板についている玉緒さんもすばらしいし、杏ちゃんもかわいく、切羽詰ったシーンの多い中そこだけ異空間のようで良かったです。
 若侍たちに捕らわれ、アジトとなる屋敷の押入れに押し込められる敵方の家臣(でも若侍の話を押入れで聞いていて、心情は若者達の味方になっていく)・木村を演じる佐々木蔵之介さんも絶妙です。
 
 たくさん書くと、全編荒筋を語ってしまいそうなので、映画についてはここでおくとして、映画がおもしろかったら原作やノベライズを読まずにおれないのが、活字中毒の私のくせ。原作を読みました。
 『日日平安』山本周五郎著、短編集の表題作が原作です。

日日平安―青春時代小説 (時代小説文庫) Book 日日平安―青春時代小説 (時代小説文庫)

著者:山本 周五郎
販売元:角川春樹事務所
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 山本周五郎の剣豪小説なんて見当がつかないなぁ・・・と思いながら読み始めたら何のことはない、椿三十郎のツの字も出てきません。原作の素浪人の名は菅田平野。その名のとおり才走ることもなければ、剣豪でもない、平凡な感じの男です。できるだけ「殺傷沙汰は避け」ようとし、「不必要に死ぬことはない」と言う菅田と、映画の椿三十郎とは全然人物像が違います。よくみれば、映画パンフレットにも、文庫あとがきにも映画と原作との違いが詳述されています。でも、原作小説はそれはそれでおもしろく読めました。山本周五郎の小説を読むのも久しぶり。短編集なので読みやすいですし、山本周五郎作品を未読の方、時代小説を食わず嫌いしている方も、この機会に読んでみてはいかがでしょうか。幻冬舎文庫判のこの本には6編収録してありますが、私はこの「日日平安」の次に載っている「しゅるしゅる」という作品がお気に入りです。  
 
日日平安 日日平安

販売元:楽天ブックス
楽天市場で詳細を確認する

椿三十郎 マンガ黒澤明時代劇 椿三十郎 マンガ黒澤明時代劇
販売元:TSUTAYA online
TSUTAYA onlineで詳細を確認する

↑このマンガは、三船敏郎版の「椿三十郎」を結構忠実に漫画化してあるそうです。私は未読ですが・・・。

|

« 「少女マンガの世界 原画’(ダッシュ)京都展」 | トップページ | 『つくもがみ貸します』 畠中恵著 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画「椿三十郎」と原作:

« 「少女マンガの世界 原画’(ダッシュ)京都展」 | トップページ | 『つくもがみ貸します』 畠中恵著 »