映画「ヘアスプレー」とオフィシャルガイドブック
「フィーバーする」なんてことばを流行らせ、マジメな学生・生徒にもディスコへの憧れを植えつけた映画、「サタデー・ナイト・フィーバー 」のジョン・トラボルタが超ビッグな女性に扮するということで、コワイモノ見たさも手伝い、観にいきました。ミュージカルコメディの最新傑作「ヘアスプレー」です。
『ヘアスプレー』 ジョン・トラヴォルタ インタビュー 配給ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ 提供:@niftyコンテンツ |
イエ、観にいったのは実は4週間前ですが、なかなか書き込めなくって。さっきやっと「ヘアスプレー オフィシャルガイド(DVD) (日経BPムック) 」を読み、付属DVDも観たので映画と本、両方まとめて書いてしまいます。
まずは映画です。ひとことで言えば「チョー爽快!」 。 ミュージカル映画独特の楽しさ・青春映画の輝きとさわやかさ・公民権運動を描く映画の感動・シンデレラ物語の夢と期待感すべてが合わさったようなコメディ映画です。健康的なテーマも大好き!
映画は、主人公の太っていて背の低い女の子トレーシーが歌う「Good Morning Baltimore グッドモーニング ボルチモア」から始まります。トレーシーは歌い・踊りながら登校。途中変質者(映画オリジナル版監督のジョン・ウォーターズによるカメオ出演だそうです)や酔っ払いにも上機嫌で挨拶し、スクールバスに乗り遅れたら、大きなトレーラー(?)をヒッチハイクしその屋根に乗って歌いながら登校というはじけっぷりです。授業が終わればまっしぐらに家に帰り、親友のペニー(アマンダ・バインズ:かわいい!&彼女の母親役《アリソン・ジャネイ》の狂信的な厳格ぶりは名演です)とTVの「コーニ・コリンズ・ショー」を夢中になって見ます。いっしょに歌って踊りながら。このTV番組にはトレーシーの高校の生徒たちもオーディションによってダンサー・歌手として出演しており、トレーシーもこのオーディションに通ることが夢なのですが・・・。 (ア~だめです。楽しさのあまり、映画を全編解説してしまいそうです。もうあらすじ語りはやめときます)
『ヘアスプレー』 ニッキー・ブロンスキー、ザック・エブロン インタビュー 配給ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ 提供:@niftyコンテンツ |
トレーシーが居残り補習の教室に行かされて、黒人生徒たちのダンスに惹かれ、一緒にダンスして仲良くなるエピソードもいいですね。補習教室が黒人ばかりという、構造的な教育問題の皮肉も効いていますし。ザック・エフロン演じるところのリンクと仲良くなったあと、その教室に二人して入っていく時やその後の展開で、トレーシーの方ははじめから偏見なく入っていったのに、リンクの方はためらいと好奇心と、トレーシーへの思いと伝統的価値観に縛られる気持ちとが入り乱れているというあたりの表現もすばらしい。
1960年代のボルチモア。とくに厳しい人種差別が残っている南部の地ではTV番組の構成すらもちろん差別的です。「コーニ・コリンズ・ショー」の出演者ももちろん白人のみ。月に一度だけ「ブラックデー」としてクイーン・ラティファ演じるメイベルがDJ(MC)となり黒人ダンサー・歌手たちが出演する番組があったのですが、これを打ち止めにする陰謀が・・・。抗議デモに参加するトレーシーの姿に思わず涙が・・・。
しかし、放送コードのようなものに引っかかるのでしょうか・・・。画像でも俳優たちのことばでも、当時の用語で「NEGRO DAY」と書いてある〈言っている)のに、「ブラックデー」という字幕はどうなんだろうか?たしかに差別用語なんだし、それが妥当なのかな?でもこの時代背景的にどうよ・・・?という気がしないでもない。
ミシェル・ファイファーのいけずぶりも、クイーン・ラティファの圧倒的な存在感も、クリストファー・ウォーケンの一見頼りなさそうだけど実は懐の深い優しいお父さんぶりも、そしてもちろんジョン・トラヴォルタのなんともいえない女装も、み~んな良かったです。
ブロードウェー版も見たくなりました。
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ヘアスプレー オフィシャルガイド(DVD) (日経BPムック) 著者:日経エンタテインメント!編 |
オフィシャルガイドブックの方は、パンフレットをもっと詳しくした感じです。付録のDVDには冒頭の「グッド・モーニング・ボルチモア」 「Ladies' Choice レディース・チョイス」「ユー・キャント・ストップ・ザ・ミュージック(と本には書いてあるんだけど、サントラのナンバーは『You Can't Stop The Beat 』)」が英語歌詞字幕のついたカラオケバージョンで、「Ladies' Choice 」「You Can't Stop The Beat 」はミュージック・ビデオ・クリップも入っているほかキャストインタビュー、スタッフインタビューメイキングダイジェストなど入っています。いずれ本編のDVDが発売されたら特典映像としてついてくるような中身ですが、それまでのお楽しみにはぴったりの内容。価格も手ごろだし、家で何度でも楽しめるのが良いですね。ただ、インタビュー以降字幕なしですから・・・英語から日常的に遠ざかっている身にはつらい。
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MOVIE STAR (ムービー・スター) 2007年 12月号 [雑誌] 販売元:イン・ロック |
先月号のムービースターにも特集されていました。ストレス発散にもってこいの映画だと思います。サイコーにクールでサイコーにハッピーです。
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