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2007年7月22日 (日)

映画「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」

 先週の先行上映の時は観劇ウィークエンドだったので、映画まではムリでしたから、今週こそは絶対観にいかなくちゃ!と思って、ムスメその2と観にいきました。小中学校ではもう夏休みなので、行きつけのシネ・コンでは子どもの姿が目立ったけど、ほとんどはアニメのお客。思ったより空いていました、字幕版の「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』来日記者会見
©2007 Warner Bros. Ent.  
提供:@niftyコンテンツ

 確かに迫力があって面白いんだけど、シリーズ中でも屈指の長さの原作を2時間半の映像に圧縮しているため、省かれたエピソードや省かれた感情が多いのが気になります。日刊予言者新聞の記者リータや、ルーナの父が発行している雑誌のエピソードなどはなくてもいいけど、不死鳥の騎士団の面々の紹介がほとんどないのはいかがなものでしょうか?原作を読んでいない人には、食卓で豚の鼻になったりするトンクスがどんな魔女なのかちっともわからないし、キングスリーなんか、味方なのか敵なのかわからないんじゃないのかしら???パーシーの立場も(パーシーが魔法省職員としていることさえ)わかりにくいのでは???

 原作の(この巻の)ハリーは、終始イライラしています。ムスメその1は、この巻の物語のことを「ハリーがウザイやつ」と言います。このイライラはたぶん、この年頃特有の反抗心だったり足掻きだったりして、古今東西いろいろな文学にも、映画などでも描かれてきたものです。ハリーの場合にはその生い立ちや環境の特殊性が加わって、イライラも募る一方。この本を読んでる私は彼のイライラする事情もわかるけど、彼の行動や感情の起伏が他の登場人物を傷つけるのを読み、なんでハリーはいつまでもこんなにわからずやなの!・・・と自分もイライラ。でもそこへ、この魔法冒険物語が展開していく中でハリーが成長する姿を読んで感動するわけですが・・・そのあたりも(文学的な命題の部分ですね)ちょっと描ききれてなかったように思います。以下、少しネタバレです。シリウスの死もあっけなく、原作では、彼が自分の血縁というしがらみをうまくあしらえなかったことが、この悲劇の遠因になったように描かれていますが、映画の死に方を考えると彼の屋敷しもべ妖精も登場する必然は感じられませんでした。子どもたちがたくさん観る映画ということで、短くまとめなければならなかったのかもしれませんが、3時間強ぐらいは使っても良かったんじゃないでしょうか。というか、その程度には詳しくしたほうが観客が物語をわかりやすかったんじゃないでしょうか・・・。

 誤解しないで下さい。映画自体は本当に面白かったのです。ホグワーツがアンブリッジによって変えられていく様子も、ハグリットの弟の巨人も、魔法の訓練も、そして特に神秘部での闘いは映像ならではのもの。すばらしい出来だと思います。そして、映像の底ここにちりばめられた、原作を読んだものだけにわかるエピソードのかけら。たぶん、製作者は練りに練って過不足なく原作を再構築してあるんだと思います。でも、もう少し詳しく長く描いたものを観たかったのです。原作ファンのワガママかもしれません。私は原作ではネビルの成長ぶりと、変人扱いされていじめられていたルーナが実はたのもしい仲間だったことを理解される・・・という物語部分が気に入っているんですよ。映画をみてもネビルが両親のことを話すシーンや、けなげにいろいろなことに取り組んでいるところを見ると涙ぐんでしまうのです(オバハン!)。

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 さて、マスコミ等では主役ハリーを演じるダニエル・ラドクリフをはじめ、ロンのルパート・グリント、ハーマイオニーのエマ・ワトソンの3人が映画出演を続投することしか話題にしていませんが、ウィーズリー一家をはじめダーズリー家の人々、ホグワーツの先生や学友(敵もいますね)たちも、悪役もほとんど同じ俳優さんたちが演じておられるところも、このシリーズのよいところだと思います。多数の登場人物のスケジュールをあわせるのも大変だろうと思うのに。この辺の事情ももっと知りたいので、映画雑誌などでも同じような3人組+α特集ばかりでなく、いろんなところにスポットライトを当てた記事を書いて欲しいです。ハリー・ポッターシリーズよりもっと前から子役として脚光を浴びていたトム・フェルトン(ドラコ・マルフォイ)の記事は、回を追うごとに減ってきたし・・・。

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
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 映画パンフレットにはビックリがっくりです。ほとんど写真ばかりで記事が少ない。少なすぎる。上述の3人以外の俳優のプロフィールもナシ。読み応えがまったくなくて残念でした。今回の映画のキャストで特筆すべきは、ベラトリックス・レストレンジ役のヘレナ・ボナム=カーターとルーナ役のイバナ・リンチだと思うので、そのふたりだけでも詳しい記事を載せるべきだったのではないでしょうか、発行者・松竹株式会社事業部としては。

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*この雑誌は結構満足のいく特集記事が載っていました*

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