映画「憑神」
昨日、映画「憑神」を観にいってきました。原作の面白さから推し図っての期待が大きすぎたので、ちょっと気が抜けましたが、まぁまぁ標準以上に面白い映画だったといえると思います。
***『憑神』原作小説(浅田次郎著)の感想はコチラに→http://chualacream-chan.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_31d3.html
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憑神 著者:浅田 次郎 |
なんといっても原作の魅力と配役の妙が相俟って、とっても完成度の高い時代劇になっていると思います。貧乏神や疫病神の言動、またその出現におたおたする彦四郎やの姿に映画館の中は大きな笑い声に包まれていましたが・・・最後にはシーンとなって画面を見つくしていたような気がします。ただ、途中(疫病神の途中から死神の途中まで)目立った事件がおきずに(わが子が彦四郎に切りかかるなどは、ハッとするできごとなのですが、小さなエピソードが小さく描かれる感じに思える)中だるみを感じてしまったのは残念です。(先週観にいった「舞妓haaaan!!」の終始ハイテンションな様子と比べている訳ではないんですが・・・。もう少しコメディ色を前面に押し出してストーリーを押し込んだほうが、最後の愚直なまでのまじめな行動との対比がもっと際立ったのではないかと思います。
ダメな男として描かれている彦四郎の兄、別所佐兵衛を演じる佐々木蔵之介がよかったです。現在NHK大河ドラマ「風林火山」で演じているキリリとしていてしかも人情味あふれる名将真田幸隆とは余りに違ってそれも面白かった。佐兵衛はまじめな彦四郎とは大違い。不真面目で、功利的で、小心者に見えますが・・・。いかに三河以来の御家人とはいえ、古い鎧を後生大事に守ることが家のお役目となればイヤになるのも仕方がない。こればかりは、鎧のお倉を小説で読むより映像で見たほうが、佐兵衛の言い分がわかりやすかったです。ここに現れた勝海舟も、これでは幕府は滅びるべくして滅びるのだと、いっそうその意を強くしたことでしょう。上野に立てこもって闘うよりは逃げるに如くはなしと妻子を連れていち早く落ち延びる佐兵衛は結局文武両道を極めている彦四郎より賢かったのでしょう。
かといって彦四郎も子や甥を戦いに巻き込まず、次の世を作るのはお前たちだと説くところなどは流石です。
最後のシーンは、浅田次郎さんが登場します。そして三巡稲荷の祠も。このシーンを堂捉えるのか・・・
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憑神 特別限定版 販売元:東映 |
あと、この映画、エンドロールの画面がとても楽しいです。エンドクレジットが延々と流れるのとは違う工夫が施されています。ここに流れる主題歌もとても楽しい音楽だなぁ・・・と思っていたらば、懐かしい米米クラブの曲でした。
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御利益 アーティスト:米米CLUB |
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