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2007年5月 8日 (火)

『マンガ名作オペラ8 トスカ』里中満智子著

『マンガ名作オペラ』シリーズの最終巻です。この巻も興味深く読みました。プッチーニの「トスカ」「マノン・レスコー」、ワーグナーの「ローエングリン」が入っています。「マノン・レスコー」は20年以上前に原作を読んだけど、原作の流刑先はカナダじゃなかったっけ?あぁ、フランスだからねぇ・・・・と思ったような気がします。「マノン」といえばファム・ファタールの代名詞なのに、何で3巻に組み入れられなかったんだろ?

 このシリーズに収められた作品は「ニーベルングの指環」を1作品と数えると、22作品。うち5作品をプッチーニが占めています。ヴェルディも同じく5作品、ワーグナーが先ほどと同じ数え方で3作品(ニーベルングの指環」は1作品で2冊分の長さなので、ページ数はワーグナーが一番多い)、モーツアルトが3作品・・・。他のオペラ解説書と比べても上手に選択してありますよね。できることなら10巻ぐらいまで出して欲しかったなぁ・・・。ベートーヴェンの「フィデリオ」とあとワーグナーの「タンホイザー」や「さまよえるオランダ人」なんか漫画化して欲しかった気がします。

トスカ―マノンレスコー/ローエングリン Book トスカ―マノンレスコー/ローエングリン

著者:里中 満智子
販売元:中央公論新社
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 「トスカ」といえば、佐々木倫子著のコミック『動物のお医者さん (11) 』(花とゆめコミックス・・文庫版もありますで主人公ハムテルの母(世界的?オペラ歌手)が地元札幌で「トスカ」を演じる・・というお話を思い出す人が多いのではないでしょうか?それでストーリーを知ったという人も結構いますよね。このとき、人件費を浮かすためか、兵隊役に息子ハムテルとその学友(獣医学生なので「トスカ」など知らない)を出演させたため、満足な説明を受けていない学生たちはカヴァラドッシを銃殺にすべきところでトスカを撃ってしまったり、トスカが飛び降り自殺をするサン・タンジェロ城の城壁から、兵隊(学生)たちまで一緒に次々と飛び降りてしまう・・・という爆笑エピソードですが、これ、実際にニューヨークのメトロポリタン劇場であったハプニングなんですってね。『動物のお医者さん』には参考文献として『オペラとっておきの話』音楽の友社刊があがっていますが、確認できていません。オペラ歌手(バリトン)の殺人事件をソプラノが探偵役となって解決する傑作ミステリ『きままなプリマドンナ』バーバラ・ポール著 扶桑社刊(絶版)にも、主人公ジェラルディン・ファーラー(20世紀前半にMETや銀幕でも活躍した実在の歌姫)がトスカを演じた時のエピソードとして出てきます。もちろん、珍妙なシーンを演じるのは北大の学生ではなくコロンビア大の学生。いつものエキストラを呼ぶ手配が出来ておらず、急遽近くの大学から駆り集めたという設定です。案外これが事実なのかな?このミステリ、実在のオペラ歌手や指揮者がたくさん出てきて内幕話のような展開はあるし、もちろんミステリとしても面白いので、未読の方、もし古書店で見つけたらぜひお読みください。ホントは復刊して欲しいし未邦訳のカルーソーを主人公とした小説も呼んでみたいです。

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