『すみれの花咲く頃』松本剛著
年末だったかな、NHKで「すみれの花咲く頃」というコミックがドラマ化されるってことを知ったのは。宝塚音楽学校をめざす北国の女の子の話だということで興味を持ったのですが、当時放映予定として挙がっていたNHKハイビジョンやBSは我が家では見れないし、その時点では原作コミックは絶版。 復刊ドットコムに投票しておいたら、このほど復刊されたようなので購入して読みました。
主人公は高校2年の遠藤君子。親に宝塚受験を反対され1年の中学浪人ののち高校に入った遠藤君子。演劇部に籍はあるものの活動には参加せず、クラスメートずにすごしています。宝塚への憧れは捨てきれず、親に黙ってバレエを習い続けている君子ですが、ある日級友に宝塚ファンであることが知られ、からかわれて・・・・。
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すみれの花咲く頃 著者:松本 剛 |
とりあえず内容より何よりも、このレーベル(‘講談社BOX’)で出すなんて、講談社もあざとい(T~T;)と思いました。普通のコミックや愛蔵版コミックの装丁なら1000円以下で買えるに違いないページ数です。この本が後書き(ドラマ主演の多部未華子さん=「映画夜のピクニック」で好演されていましたね=と原作者松本剛さんとNHKディレクター落合将さんの鼎談)部分抜きで226ページ(表題作は95ページしかない短編、ほかに掌編5編)で1200円。同時に買ったはるかにマニアックな『妖魅変成夜話 4 』岡野玲子著が後書き部分抜きで227ページで900円ですからね。‘講談社BOX’のほかのラインナップは、講談社ノベルスの中から西尾維新や清流院流水などの10~20代に特に人気の作家を抽出したような、若者向けライトノベル・ライトミステリのシリーズですから、並んでいると異質だし、小説と間違って買っちゃう人もいるんじゃないかと人ごとながら心配になります。
内容は想像していたのと全然違いました。宝塚受験に関する物語というより、普通に青春モノですね。宝塚入団は君子の夢ですが、具体的にどう憧れているのかとかは描かれていないですし。むしろ親との葛藤や一歳年下のクラスメートの中でのすごし辛さのなかでの、君子の成長がテーマのように思えました。この青春・成長というテーマ、私好みです。想像していた宝塚モノとはほど遠かったけど、うれしいオドロキでした。感動もしたし面白く読めました。ただ、親の頑固な反対やクラスメートの宝塚への偏見などは、このマンガの設定年代(1991年)よりも20年以上昔の物語(私の青春時代よりも昔)のような気がしてしまいました。表題作以外の作品も、とってもノスタルジックで、それなりに悪くはなかったのですが、少年マンガということでわたしの好みにはあまりあいませんでした。ファンの方ごめんなさいm(__)m
NHKのドラマは深夜ですが4月1日に総合テレビでも放映されるようですね。NHKオンラインで調べたら、ドラマは家族の問題も深く描かれて、原作とちょっと設定が違うようです。あらすじや予告編を見るとかなりおもしろそう・・・。放映終了が夜半を過ぎると翌週の仕事に差し支えるから、録画しようかな。
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