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2007年2月17日 (土)

「墨攻」・・・映画と小説

映画「墨攻」

 振替休日の12日、ムスメその2と観にいってきました。ムスメその2は一昨年兄が大学入学のため家を出て一人暮らしをすることになった後、部屋に残された横山光輝版『三国志』全60巻を読んで、すっかり中国モノが好きになってしまい、昨秋からこの「墨攻」の映画予告編を観るたびに、「連れて行ってな」とねだられておりました。しかし、題材が題材だけに館内には少女の姿は見当たりませんでしたねぇ・・・。

 で、感想ですが、何と言ってもアンディ・ラウがカッコイイ!ストーリーの展開は興味深いし、たくさんの騎馬戦士や城攻めの様子などスケールが大きくて、とっても面白かったです。主人公の革離(アンディ・ラウ)が城を防御するために、侵入してくる趙の兵を火責めにするときに見せた、呆然とした表情がとても印象的でした。逸悦という梁の女将軍が出てくるのですが、彼女は小説にもマンガにも出てこない映画オリジナルのキャラクターだそうです。逸悦は女将軍として活躍したり、革離に思いを寄せて、革離からさまざまな反応を引き出すばかりでなく、物語の最後に至るまで存在感のあるキャラでした。彼女の存在がこの映画の成功の一因になったといっても差し支えないと思います。(私の好みとしてはハッピーエンドにして欲しかったんだけど・・・。)革離にひき立てられた射手の身の処し方の鮮やかさ、梁適の潔さ、弱さゆえに脱走してしまい、裏切ってしまう民衆の哀しみもよく描けていたと思います。

 中国の歴史上の事実をアレンジした時代小説を日本人が書き、その小説に感動した別の日本人がオリジナルストーリーを交えてマンガ(劇画)にし、そのマンガに感銘を受けた香港の中国人が映画制作を志し、主演は香港の中国人、ほか主要なキャストだけでも、本土の中国人・韓国人・台湾人が出演し、スタッフも中国・香港・韓国・日本の人たちが協力して・・・東アジア総力結集という形も胸に響きます。

 中国春秋戦国の時代に実在し、散逸した形であるものの「墨子」という書物に残る墨翟の教え、「非攻」と「兼愛」という珍しい教義を説く墨子教団の実像は詳らかにはなっていないそうです。とても原典をあたる気力はないですが、なにか簡単に解説してある本があれば読んでみたいと思いました。

小説『墨攻』酒見賢一著

 その、詳らかではないものからこのような小説を書いてしまうのだから小説家ってすごいですよね。

墨攻 Book 墨攻

著者:酒見 賢一
販売元:新潮社
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 映画が面白いと、当然原作も読みたくなる私です。映画の原作はマンガ(劇画)版だそうですが、その原作は小説ということで、小説版から読みました。値段的にもお安いですし、著者のデビュー作「後宮小説 」は当時夢中で読んだ覚えがありましたから・・・。で、面白かったです。これだけを読めばそれで満足できる内容でしたが、原作は文庫で150ページ足らずの小品ですから、映画に比べてあっさりしていました。あくまで革離の視点で描かれていて、逃亡農民の悲哀までは描かれていないし・・・。映画と原作とを比べると、たいていの場合原作の方が良いと思う私ですが、今回は、引き分け。映画の方がストーリーにふくらみがあるけど、小説には行間に含みがある感じ。別々の作品と思ったほうがいいぐらいでした。何より最後が原作と映画では正反対でした。

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» 新潮文庫「墨攻」読んだよ。 [雪華と、うふふ]
はい、こんにちは。 確定申告の書類を書いてしまわないと いけない・・・あー急げ・・・。 こんなことしてる場合じゃない・・・。 墨攻ねー映画の方が面白い。 アンディ・ラウ、サイコー・・・?。 私の好みですから、あくまでも(笑)。 ・・・ ... [続きを読む]

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