映画「大奥」
昨日仲間由紀恵主演「大奥」を一人で観にいってきました(一人だったんです。娘その2はお父さんとウィンタースポーツを楽しみに出かけ、娘その1は高校の進学補習+仲間内のクリスマスパーティー)。
私は本来ならこのタイプの愛憎劇は苦手。わざわざお金を出して観に行ったりしないのですが、今回は史上名高い絵島生島事件(事件というより疑獄)をモチーフにしているということと、1年間「功名が辻」で千代を熱演して私の中のNO.1女優の一角を占めている仲間由紀恵さんが主演と言うことで、張りきって観にいきました。
私はドラマシリーズを観ていなかったし、史実にも詳しくないのでこの作品で描かれた「大奥」の世界を云々するのは避けますが、全般的に納得のいく展開で2時間半の上演時間中1度も退屈する瞬間がありませんでした。
それにしても月光院の描かれ方、将軍の生母としての自覚なさ過ぎ。いくら町方の生まれだからって!綱吉の母桂昌院も町方の生まれですがこんなに弱い女として描かれたことはないですね?奢侈禁止令を出し大奥の予算もギリギリ絞った八代吉宗の時代になっても、権勢を保ったと言う月光院は、きっともっとしたたかな女だったと思います。こんな描かれ方をするとワタシ的には月光院にはちっとも共感できません。むしろ権謀術数をめぐらす天英院派の人たちが魅力的に見えました。まぁ、でもストーリー的には流行の「純愛路線」を二組の恋人同士で狙ったのかな?とも思います。
私の歴史趣味としてはもっと学者・新井白石の善政を敷こうという努力が映画に出ても良かったのでは?と思いますが、それでは別のドラマになってしまいますね。側用人間部詮房と新井白石は六代将軍(五代将軍綱吉の兄の息子)が甲府藩主から将軍になるときに連れて来て重用した(徳川家譜代ではなく)元々は甲府藩の家臣です。そのために譜代大名らの老中・大目付達からは疎まれていましたが、生類憐みの令を廃止し、悪貨追放(映画中で少し触れられていましたね)による経済の建て直しなど、幕政の刷新には大きな功績を持っている人たちです。
生島は、とんだ側杖を喰らわされた格好となっていますが、実際には死罪ではなく遠島だったんではないですかね?山村屋も連座して獄門なんて展開はありえないように思いました。
パンフレットのほうにも詳しく書かれていましたが、映画の見所はみごとな衣装(打ち掛け)にもあります。一億円かけて新調されたとのことですが、斜陽の和服産業の技術をずっと伝えていくためにも、どんどんこういう豪奢な時代劇を撮影して欲しいものです。
ところで、前によしながふみさんのコミック「大奥」について書いた記事に、いっぱいこのドラマや映画に関するtrackbackが付きました。ブログの内容を読まずに「大奥」という一般名詞にだけ反応してtrackbackをつけるなんて・・・!あり得ないぐらいに失礼な話だと思いましたので殆ど即座に削除させていただきました。
今回の映画のノベライズ本だそうです。
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大奥 著者:浅野 妙子,曽根 信子 |
買ってみるかどうかは、ちょっと本屋で立ち読みをしてから考えよう・・・。映画をなぞるだけならやめ、細かい機微とかが書いてあったら買って読んでまたご報告します。
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